国を挙げて副業・兼業が推奨されている現在、同僚や友人たちが副業を始めたと聞いて焦りを感じている人もいるのではないでしょうか。
自分も何か副業をしなければと思う一方、ネット上には思ったように稼ぐことができず挫折したなどのネガティブな経験談も見受けられます。また場合によっては、稼ぐどころか大きな損失を出してしまったという話も。収入を増やすための手段である副業で損失を出すのは、まさに本末転倒といえるでしょう。
今回はなぜ副業がそれ程までに難しいのかを見ていきます。併せて挫折や失敗しないためのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
副業で稼ぐことが難しい3つの理由
まずは副業を始めようとしたときに、多くの人がぶつかる壁について具体的に見ていきましょう。副業が難しいとされる主な理由は以下の3つです。
・情報の信頼性が低い
・最低限のスキルや時間がかかる
・トライ&エラーがつきもの
手軽に始めてすぐに稼げるというイメージを持っている人には、これらが副業の障害となって立ちふさがることになるでしょう。それぞれ詳しく解説します。
情報の信頼性が低い
驚くことに、副業を始める前のリサーチ段階で挫折してしまう人が大勢います。なぜならネット上には副業に対して、ポジティブなものからネガティブなものまで、あまりに多くの情報が溢れているからです。そのためどれを頼りに進めていけばいいか、分からないと感じる人も多いでしょう。
副業というキーワードで検索すると、個人が運営するブログやサイトが検索結果に沢山上がってきます。これらは実際に副業を経験したからこそのノウハウも多く、上手に活用すればとても頼もしい情報源です。
しかし人によっては、おすすめの副業の種類が違ったり、自分が成果を出せなかった副業に関してネガティブな発信をしている場合もあるでしょう。そうした個人の主観ともいえる情報に振り回されると、何が正しいのか分からず、不安だけが募ることになります。
最低限のスキルや時間がかかる
たとえ副業であっても、収入を得るためにはスキルや時間が必要となることも注意すべき点です。副業は会社勤めなどの本業に比べるとハードルが低いイメージがあるかもしれません。しかし種類によっては、本業と同様のスキルや時間を要するケースも多くあります。
メディアではよく「誰でも簡単」「隙間時間にサクッと」といった謳い文句でさまざまな副業を紹介しています。しかし実際には、誰でも簡単に始められる仕事は低単価で、実際は最低賃金以下であったり、隙間時間だけでできる仕事は、単発で次に繋がらないといった問題も多いです。
継続して安定した副収入を得たいと考えるのであれば、最低限のスキルや時間は確保しておかなくてはなりません。自身のスキルの棚卸しや、副業の時間を捻出するために1週間のスケジュールを見直すなど、事前の準備が必要です。
トライ&エラーがつきもの
副業の多くはすぐに成果が出ない事実も知っておかなくてはなりません。いくつもの失敗を繰り返し、場合によっては数か月や1年以上の時間が経ってから、やっと形になる種類の副業も存在します。
例えばブログで成果報酬型の広告収入を得るアフィリエイトは、まず自身のブログの読者を集めるところからスタートします。ブログが認知されるまでは十分なアクセス数が稼げず、当然ながら広告収入もほとんど得られません。
最初の数十記事を頑張って書くうちに、どのようなタイトルにすればアクセスが上がるのか、読者が求めているコンテンツは何かというノウハウが、少しずつ蓄積されていくのです。ゼロからビジネスに取り組む姿勢で努力しなくては、思うような成果は得られないでしょう。
難しい副業とは?
ここでは副業のなかでも専門性が高く、実際に難易度の高い副業を3つ紹介します。
・プログラミング
・デザイン
・通訳・翻訳
どれもまったくの未経験で参入するのは難しい副業です。しかし何らかの経験や実績があれば、通常の副業よりも高単価で効率的に稼ぐことができるでしょう。
プログラミング
今の時代に特に重宝されているのが、プログラミングスキルです。大多数の企業が今やデジタル技術無しには業務を回せなくなった現在、プログラマーは常に仕事がある状態です。
そのため本業でもプログラマーとして会社勤めをしつつ、就業後や週末に個人でプログラミングの副業をこなす人も増えています。少しずつ実績を積んでクライアントを増やしていき、最終的には独立して起業することを目標としている人もいます。
ただしプログラマーは、常に最新の知識をアップデートしていかなくては仕事にならないため、勉強は欠かせません。本業でもプログラミングを手掛けている場合なら問題ありませんが、まったく知識がない人が副業として行うのは大変でしょう。
デザイン
デザイナーも多くの需要があり、副業として取り組む人が増えています。デザインの仕事は幅が広く、本格的なWEBデザインから、企業ロゴや個人のアイコンデザインまで依頼内容はさまざまです。
現在ではクラウドソーシングサービスが普及したおかげで、個人のデザイナーも仕事を受注しやすくなりました。案件単位で請けられるので、本業に余裕があるときに沢山仕事をして、忙しいときにはセーブすることも可能です。
ただし副業として始める敷居が下がった分、プロのデザイナーも多く活躍しています。そのため実績のない初心者が、最初から単価の高い仕事を請けるのは難しいのが現状でしょう。デザインで安定した収入を得るためには、単価の低い仕事でもコツコツと実績を積み重ねていかなくてはなりません。
翻訳・通訳
かなり前から副業として手掛ける人が多かったのが、翻訳や通訳の仕事です。外国語に堪能な人であれば、時間単価で3,000円以上の収入を得ることも可能です。医療や法律などの専門的な用語にも対応できるようになれば、より高単価な仕事も望めます。
翻訳の場合は、在宅で自分の好きなときに作業できるのが魅力です。また現在はオンライン会議を活用した通訳の需要も高まっているので、より柔軟な働き方が可能となっています。
ただし翻訳や通訳の仕事に関しては、技術の進歩が逆風となっている側面もあります。翻訳アプリなどの性能も日々向上しており、その影響で以前より単価が安くなっているケースも増えているのです。
難しくなく簡単な副業
専門的な知識やスキルが必要な副業を紹介しましたが、ここでは未経験でも挑戦できる副業を見ていきましょう。難易度の高い副業に比べて単価が低いデメリットはありますが、気軽に何か始めてみたい人には以下の3つがおすすめです。
・ポイントサイト
・モニター
・せどり
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ポイントサイト
副業のなかでも手軽にできるのが、ポイントサイトです。サイトによってさまざまな種類がありますが、広告をクリックしたり、サイト経由で買い物をしたりするといった簡単な作業でポイントを貯めることができます。
貯めたポイントは、そのまま各ショッピングサイトで利用できたり、現金化したりすることが可能です。通勤時間や寝る前の隙間時間にできて、すぐに目に見える成果が得られることから、人気の副業となっています。
ただし誰でもできる単純な作業であることから、他の副業ほど多くの収入は見込めません。複数のポイントサイトを活用しても、およそ月1万円分のポイントが得られる程度です。より多くのポイントを得るためには、日々の生活のなかでそれだけの時間を捻出する必要があります。
モニター
質問に回答するだけで現金やポイントがもらえるのがモニターです。企業の新商品を試して使用感を伝えたり、市場調査のためのアンケートに回答したりします。
ポイントサイト同様にスキルや知識は不要で、比較的手軽に始められることから安定した人気があります。また商品モニターであれば、高価な美容グッズなどを無料、あるいは割引価格で使用できるという魅力もあります。
その反面、商品モニターの多くは新商品をお試しできることが売りになっていて、報酬は支払われないケースも多くみられます。またアンケートモニターの場合も1件あたりの単価は低く、まとまった収入を得るには膨大な件数をこなさなくてはなりません。
せどり
せどりとは分かりやすくいえば転売のことです。商品を仕入れてより高値で販売し、その差額が副業としての収入になります。中古品の転売には資格が必要となるので注意しましょう。
人気の商品ならすぐに買い手がつき、まとまった利益を得られるのが魅力です。また締切や時間に縛られず自分のペースで進められるため、忙しい人でも比較的手が出しやすい副業になっています。
ただしせどりをするには、まず商品を買うための初期投資が必要になります。経験が無いうちは思ったように商品が売れず、赤字になるリスクもあるので注意が必要です。さらに商品をさばくことができなければ、在庫を抱えるリスクもあります。
難しい副業でも挫折しないポイント
副業には難易度が高いものもあれば、低いものもあります。安定してしっかりと副収入を得たい場合は手軽なものだけでなく、ある程度難しい副業にチャレンジしていく必要があるでしょう。副業が難しくても挫折しないポイントは、次の3つです。
・小さく目標を立てる
・モチベーションを頼りにしない
・期待しすぎない
それぞれ具体的に説明します。
小さく目標を立てる
まず注意すべきなのは、高すぎる目標を掲げないということです。自分に甘すぎるかもと思えるくらいの目標を設定し、確実に達成していきましょう。
会社勤めをしている人は、本業では達成できるかどうかギリギリの目標を課されることが多いでしょう。そこには個々のメンバーの力を120%まで引き出そうという意図があります。
しかしすでに説明してきたように、それらしき成果がすぐに得られるとは限らないのが副業です。そのため本業と同じように高い目標を立てると、未達成の日々が続いてやる気を削がれてしまいます。
まずは1円の収益、あるいは1日1度はサイトを開くといった、小さな目標を立てましょう。小さな目標でも達成できれば自信につながり、それが継続していく力になるのです。
モチベーションを頼りにしない
副業で実際に稼げるようになるまでの苦しい時期、モチベーションで乗り越えようとするのは危険です。モチベーションは新しく何かを始めるには大きな力となりますが、コツコツ継続していくときには頼りないものです。
なぜなら人間の感情は、外的な要因に簡単に左右されてしまうからです。本業が忙しくて睡眠不足になった、夢中になれる趣味ができた、家庭内で問題が起きたなど、副業のモチベーションが下がる理由はさまざまです。疲労・誘惑・ストレスといった障害を乗り越えて継続していくには、モチベーションよりも確固とした何かが必要でしょう。
おすすめは副業を習慣化することです。人間は歯磨きや入浴のように、一度習慣になったことは続けられます。通勤中はスマホでリサーチするなど、無理なく続けられる行動習慣を日々の生活に組み込んでいきましょう。
期待しすぎない
主に収入面において、副業には最初から期待しすぎないように心がけましょう。本業以外のスキルが身についたり、趣味の延長として楽しめるといった、収入以外のメリットに目を向けることがおすすめです。
副業を始めるとき、多くの人が最初は「月〇万円くらい稼げるだろう」といったイメージを持っていると思います。しかし必ず稼げるという保証はありません。知人の話やネットの体験談を参考にして、始める前から期待を膨らませてしまうと失望することになるでしょう。
副業を継続していくためには、柔軟な考え方が大切です。副業を通して新しい知識やスキルを身に付ければ、将来的な収入アップやリスクヘッジにつながります。自分が趣味として続けていたことなら、1円でもお金になればラッキーだと思えるでしょう。副業をする目的を、収入以外にもいろいろ考えてみましょう。
まとめ
副業には難易度が高いものから低いものまで、さまざまな種類があります。一般的には誰にでもできる簡単な副業は単価が低く、難しい副業ほど高い収入を得られる可能性が高いでしょう。
そうした実態を知ると、多くの人が副業で稼ぐことができないと考えて諦めてしまいます。しかし最初は実績やスキルが不足していても、コツコツと継続して取り組むことで経験値が増え、やがて大きな副収入が得られるチャンスをつかめるのです。
すぐには成果が得られなくても、数年後や十数年後を見据えて、今から副業の世界に一歩踏み出してみるのも選択肢の1つではないでしょうか。