学生の副業は危険がいっぱい?リスクを避けるには

「仕送りだけでは生活費が足りない」「奨学金の繰り上げ返済をしたい」などの理由で、アルバイトをしている学生は多いでしょう。クラウドソーシングサイトの普及や、SNSでの交流から簡単に仕事を探せるようになり、飲食店などでのアルバイト以外に「副業」も学生が収入を得る手段となりえます。
しかし、たびたびニュースで報じられるように、社会経験の少ない学生が気づかず危険な副業に巻き込まれるケースがあとを絶ちません。リスクを避け、安全・確実な副業を始めるには、どうしたらよいのでしょうか。危ない副業を避けるポイントと、おすすめの副業を紹介します。

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危ない副業を避ける方法

危ない副業を避ける方法

「副業ならアルバイトよりも稼げる」と耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。企業と雇用関係を結び、決められたシフトかつ時間給で働くアルバイトよりも、自由裁量度が高く、軌道に乗ればまとまった収入が得られる副業はたくさんあります。

しかし大きく稼げる副業には相応のリスクがあったり、そもそも学生を狙った詐欺まがいの副業ビジネスが横行していたりするので、「危ない副業」のワナに陥らないよう注意が必要です。学生が副業を始めたいと考えるときに、危ない副業を避けるために知っておいてほしい3つの方法を紹介します。

「うまい話」には裏がある

ネット検索やSNSなどで「カンタンにできる副業ビジネス教えます」「スマホで完結・1日1万円」「スタンプを送るだけで3万円が受け取れる」などの広告を見たことがある人もいるのではないでしょうか。

当たり前に考えれば怪しいと疑うことができますが、お金に困っていたり、SNS上で知っている人からの紹介だったりすると、疑いを持つセンサーが鈍ることがあります。

「ビジネスを教える」と謳っているサイトで代金を支払っても、商売に関する当たり前のことが書かれたテキストをもらえるだけだったり「この手口をあなたも実行しなさい」という内容の情報商材詐欺だったりします。また個人情報の収集が目的で、求人の実態がない広告も報告されています。

どのような副業であっても仕事をすることに変わりありません。「簡単に稼げる仕事はない」「おいしい話は詐欺の入り口」と胸に刻んで、あやしい仕事の誘いに注意しましょう。

信頼性が低いサイトは利用しない

誰もが簡単にWebサイト作成やブログ運営ができるようになり、膨大な情報があふれる現代では、サイトの信頼性・信憑性を「まずは疑う」姿勢が大切です。Web情報は削除したり、別サイトへ転載したりすることが簡単にできるので、誇大広告や特定商取引法違反、景品表示法違反であっても取り締まれずにいるケースが多くあります。

副業やビジネス手法、求人情報について気になる記事をみつけたら、サイトの運営母体を確かめる習慣を身に付けましょう。また、そのサイトを経由した副業を始める際には「会社名・代表者名」「企業の所在地」「資本金」をチェックしておくことをおすすめします。

所在地については、地図アプリなどで検索して、実在する企業なのか確かめておくと安心です。少しでも不安を感じるサイトは利用せず、確かな実績のあるサイトを利用するよう心がけましょう。

最低換金額が高過ぎるサイトに注意する

副業サイトには報酬がサイト独自のポイントで貯まっていき、ある程度のポイント以上から換金可能になるという仕組みのものがあります。この「最低換金額」が高過ぎたり、換金先が限られていたりして利用しづらいと、報酬を現金化する前に諦めてしまうことになりかねません。

また報酬が発生する行動には広告閲覧、アンケート回答、クチコミ投稿、データ入力、ミニゲームなどがありますが、いずれも単価は1円~数十円程度なので、月あたりでも数千円~数万円程の収入が上限と考えておきましょう。

学生の副業で稼ぐのは可能?稼ぎ過ぎたら危ない?

学生の副業で稼ぐのは可能?稼ぎ過ぎたら危ない?

アルバイト契約の際に「月に何時間働けるか」「年いくらまで稼ぎたいか」を聞かれた人も多いのではないでしょうか。これらは、社会保険の加入や所得税の税額に関わる質問です。

飲食業やライン工場などでの定期的なアルバイトでは、雇用先の企業が源泉徴収や年末調整など、税制に関する手続きを代行してくれます。学生個人が副業を始めて、収入を得るようになったら、自身でこれらの手続きもする必要があります。基本的な税制を理解し、必要な手続きに備えておきましょう。

稼いだら税金を納める必要がある

日本国民には、三大義務として「教育・勤労・納税」の3つがあります。学生であっても、所得があれば「納税の義務」が発生します。

税金は広く教育や福祉公共サービスなどに充てられ、私たちの快適な生活を支えています。申告漏れや滞納があると、本来納める額に加えて追徴金や滞納金が課されることがあるため、適切に手続きが進められるよう注意しましょう。

103万円ルールについて

雇用先から給与を得ているなら、103万円ルール・130万円ルールについて知っておきましょう。所得税は給与の全額に課せられるのではなく、給与から条件ごとの控除額を引いた「課税所得」を元に算出されます。

103万円ルールとは「控除額が103万円の場合、それを超えた収入に課税される」という意味です。103万円の内訳は「基礎控除48万円」と「給与所得控除55万円」なので、収入が103万円以下の給与所得者には、所得税がかかりません。

学生が保護者の扶養に入っている場合、収入が103万円を超えると扶養から外れ、保護者の税負担が上がることがあります。

130万円ルールについて

130万円ルールは、103万円ルールに加えて「勤労学生控除27万円」が適用されるケースです。勤労学生には以下の要件があります。

・所定の学校に通っていること
・実際の収入から給与所得控除55万円を引いた課税所得金額が75万円以下で、給与所得以外の所得が10万円以下であること

勤労学生控除が適用されれば、収入130万円までは所得税がかかりません。

副業の所得について

副業は給与所得ではないので「給与所得控除55万円」は適用されず「基礎控除48万円」のみ適用されます。そのため48万円を超える収入を得た場合には、自身で確定申告する必要があります。

また給与所得がなく副業メインの人が48万円を超える収入を得た場合、保護者の扶養から外れなくてはなりません。副業が48万円以内で、アルバイトとの合計が103万円以内であれば扶養から外れる必要はなく、保護者は扶養控除を受けられます。

自身が保護者の扶養に入っているのか、副業で収入を得た場合の税額とのバランスなど、事前に保護者と相談しておくとよいでしょう。

危ない副業を避けて学生でも稼げる副業とは

危ない副業を避けて学生でも稼ぐ副業とは

副業ビジネスには、詐欺まがいの手法が紛れていたり時間ばかりかかってあまり稼げないものがあったりします。しかしすべての副業が危険なわけではありません。自分に合ったものを選べば、一般的なアルバイトよりも効率よく稼げる可能性があります。

おすすめの副業をレベル別に紹介するので、自身の条件と照らし合わせてチェックしてみましょう。

初心者にオススメの副業

1日あたり1〜2時間のスキマ時間を副業に充てたいと考えるなら、スキル不要で始めやすいものがよいでしょう。スマホで完結するものなら、通学時間や講義の空き時間にも収入が得られるようになります。まずは月1万円の収入を目指して、自分に合ったものを探しましょう。

・アンケートモニター/ポイントサイト

アンケートモニターやポイントサイトは、無料登録で始められスマホで完結するものがほとんどです。企業から送られてくるアンケートに答えたり、広告を閲覧したり、サイトを経由したショッピングなどでポイントが貯まります。貯まったポイントは指定の銀行口座やギフトポイントに換金できるので、普段使っているサービスと紐づいているサイトを選ぶとよいでしょう。

・データ入力

データ入力会社に登録すれば、自宅のパソコンから仕事ができます。企業情報の突き合わせチェックや文字起こし、数字の入力作業などが主な仕事です。シフト提出が不要でいつでも仕事できるシステムをとっている企業が多いので、まとまった時間がとりにくい人でも副業をスタートできます。

中級者にオススメの副業

平日は毎日1〜2時間、土日はそれぞれ3〜4時間、トータルで1週間に10時間以上副業に充てられるなら、スキルを磨ける仕事を選ぶとよいでしょう。自分の興味関心のある分野の仕事を選び、実績となれば就職活動でも自己PRになりますよ。自由な働き方で月あたり5万円以上得られるなら、一般的なアルバイトよりも特技を活かした副業を選ぶ価値があるのではないでしょうか。

・ライティング/Webサイト作成/翻訳

クラウドソーシングサービスを利用して、特技を活かせる案件の募集がないかチェックしてみましょう。クラウドソーシングサービスはサイト内で依頼主とのやり取りが完結し「仮払制」など報酬の支払いについても安全に進めるようシステムが整備されています。依頼主の評価が確認できるものも多く、大手クラウドソーシングサービスなら、安心して副業を始められるでしょう。

・プログラミング講師/ハンドメイド/美容/占い

個人間のスキルシェアサービスを利用すれば、自身の特技に値段をつけて販売できます。「教えます」「作ります」「代行します」など、あなたができることを買ってくれる人がいれば副業になります。大手スキルシェアサービスでは、ジャンルごとの最低価格が設定されているので、過剰な低価格合戦が起きることもありません。適正な価格でスキルを買ってもらえれば、大きなやりがいにもつながるでしょう。

・イラスト販売/写真素材販売/記事作成

クオリティーの高い作品が提供できるなら、専門サイトでクリエイター・文筆家としてデビューしてはいかがでしょうか。制作にかけた時間がそのまま収入につながるわけではないので、安定した収入は得にくいタイプの副業ですが、時間がある学生のうちに挑戦しておくと、その後の人生にも良い影響が生まれるでしょう。

上級者にオススメの副業

平日3時間、土日で10時間として週あたり25時間前後を副業に充てられるなら、卒業後の独立・事業化を視野に入れて、本格的な副業を始めてみましょう。起業せずともビジネスの基本を知り、自分の力で収入を得た経験は、就職活動やその後の社会人生活でも大いに役立つことでしょう。

・せどり/輸入ビジネス

商売の基本「安く仕入れて高く売る」を実践する副業です。市場のニーズに合わせた仕入れのセンスと値付け感覚が養われます。しかし仕入れに初期費用がかかるため「今すぐ収入が必要」という人には不向きです。個人でもECショップを運営しやすくなっている今、長期的視野でビジネスを勉強しながら収入を得たい人におすすめの副業です。

・アフィリエイト/動画配信

ブログ運営に興味があるなら、アフィリエイトを学んで収益化を目指しましょう。動画配信サービスでも、ファンがつけばまとまった収入を得ることができます。いずれも、読者や視聴者を飽きさせない工夫や注目を集める施策が必要なため、マーケティングの知識が身につきますよ。

投資するなら知っておくべきポイント

投資するなら知っておくべきポイント

投資はある程度の元手が必要で、その元手を失うリスクもあるため、学生が副業として選ぼうとすると止められることも多いでしょう。しかし投資することによって得られるビジネス感覚は、学生にとってプラスに働くこともあります。

「副業にかける時間があまりない」「小額投資で経済を学びたい」「多少のリスクを負っても問題ないだけの蓄えがある」という人は、メリットとデメリットをきちんと把握したうえで投資にトライしてみてはいかがでしょうか。

投資の種類

投資商品には、株や金融取引などさまざまなものがあります。投資の種類とそれぞれの特徴を知っておきましょう。

  • 銀行で取り扱っているもの:投資信託/外貨預金/国債/REIT(リート・不動産投資信託)
  • 証券会社やFX会社で取り扱っているもの:株式投資/FX(外国為替証拠金取引)/暗号資産(仮想通貨)/ETF(上場投資信託)

また投資が利益を生み出す仕組みには「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」という考え方があります。キャピタルゲインは、投資商品を売却したタイミングで利益が生み出される仕組み、インカムゲインは投資商品を保有・運用している間に利益が生み出される仕組みです。

投資のメリット

投資商品はある程度の元手が必要と前述しましたが、最近では1,000円程度から始められるミニ株やポイント投資なども増えています。また成年年齢の引き下げで、18歳以上なら保護者の同意なく証券口座を作れるようになった証券会社もあり、投資を始めるハードルはますます下がっているといえるでしょう。

また株式市場が開いている時間は平日9〜15時なので、学生は講義の合間に株価をチェックしたり取引したりできます。株価や金融商品の動きを予測するには、社会情勢や経済ニュースにも興味を持っておくことが大切なので、投資をしていると知らず知らずのうちに政治経済の知識が蓄えられるでしょう。

投資のリスク

投資商品には元本が保証されていないものが多く、得られる利益が大きいほど損をする可能性が高い傾向にあります。株式投資でいえば、株価の下落や企業の倒産などにより、保有している株の価値が著しく下がるケースがあります。運用がうまくいっていても、貯蓄をつぎ込むようなことはせず、投資用として取り分けた資産の中で運用していくようにしましょう。

また株やFXの値動きが気になってしまい、本業である勉強が手につかなくなってしまうリスクもあります。学生が投資を始めるなら「投資にあてる時間」「損失の許容範囲」など自分なりのルールを決めておき、それを守りながら実践することをおすすめします。

「学生が副業したら危ない」はウソ!

 

学生が副業を始めようとすると、周囲から「だまされている」「危ないから止めなさい」との声が聞こえるでしょう。しかし副業にはさまざまなものがあり、スキルを活かしながら収入を得られたり、経済動向に詳しくなれたりするのは学生にとってもメリットです。怪しい副業とまっとうな副業を見分ける目を鍛えて、安全に副業をスタートできるように心がけましょう。

リスクがある副業は学生以外でも危ない

「学生が副業をしたら危ない」とは、だまされるリスクや犯罪に巻き込まれるリスクを心配しての言葉です。しかし副業詐欺の入り口はどこにでも潜んでおり、学生だけが危ないわけではありません。

確かに、社会経験の少ない学生が狙われる犯罪もあり、成年年齢の引き下げで自己責任の範囲も広がっています。消費者庁や国民生活センターのサイトで公開されている消費者トラブルの事例をチェックしておき、怪しい案件には近寄らないように注意しましょう。

学生のうちは無料で始められる副業を選ぶ

副業を始めるには、元手が必要なものとそうでないものがあります。元手をかけて副業をスタートすると、失敗して引き上げるべきタイミングがあっても「コンコルド効果」によって切り替えにくくなってしまうかもしれません。

コンコルド効果とは、これまでかけた時間や費用を「取り返したい・もったいない」と感じる心理状態のことです。「もう少しがんばれがうまくいくかも」と時間や費用をつぎ込み続けることは、損失をさらに大きくするリスクがあります。学生のうちは無料でスタートできる副業を選んだほうがよいでしょう。

動画編集やライターがおすすめ

無料でスタートできる副業は、クラウドソーシングサービスで探すとよいでしょう。なかでも、動画の編集スキルや文章力を身に付けておくと、適正な報酬が得られやすい「動画編集」や「Webライター」の案件を選べるのでおすすめです。

動画編集スキルやライティングスキルは、スキルシェアサイトでの販売も可能です。複数のサービスを活用して、スキルを磨きながら報酬が得られる良いサイクルを実現しましょう。

まとめ

「学生が副業をすると危ない」と言われたからといって、簡単に諦めてしまうことはありません。自身ができる範囲の時間・資金を元に副業を始めるなら、副業によってもたらされるメリットは数多くあります。所得に関する税制や副業詐欺の情報、投資のリスクを理解したうえで、時間を自由に使える学生のうちに、ぜひ副業にチャレンジしてみましょう。

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