スキルアップや将来の資産形成のために、副業に取り組む人が増えています。これを読んでいるあなたも何らかの副業に挑戦したい、あるいはすでに始めている人ではないでしょうか。
しかし、稼ぎたい人の心につけ込んだ詐欺も横行しているので注意が必要です。正しい知識を持っていないと、気付かないうちに被害に遭ってしまうかもしれません。
本記事では詐欺の主な手口や特徴を詳しく解説します。万が一詐欺被害に遭ってしまった場合の対処法にも触れているので、副業を始めたいと考えている人は、ぜひ最後までご覧ください。
よくある副業詐欺の手口4パターン
「自分は詐欺手口に騙されない」と考えている人は多いかもしれません。しかし、年々手口は巧妙になっており、被害に遭ってからやっと気付くパターンもあります。ここでは、よくある副業詐欺の手口を4パターン紹介します。
- 報酬未払いのまま音信不通になる
- 絶対もうかると誘って投資させる
- 高収入を得られるからと謳って高額商材を購入させる
- 会員登録を促して料金を搾取する
それぞれ詳しく解説します。
報酬未払いのまま音信不通になる
最近多くみられるのが、報酬未払いのまま音信不通になるパターンです。作業するまでは丁寧なやりとりで信用させ、成果物が納品された途端に連絡が取れなくなってしまうケースが増えています。
クラウドソーシングサイト経由の場合は、このような場合にもサポートがありますが、TwitterやInstagramのSNSを使って個人間で取引する場合は注意が必要です。相手側が信頼できる相手かどうかを見極めないと、納品した直後にアカウントをブロックされてしまう、もしくは、相手がアカウントを閉鎖してしまうこともあるでしょう。こうなると連絡を取る手段がなくなってしまうため、泣き寝入りせざるを得ないことも。
絶対儲かると誘って投資させる
昔からある手口の一つが「必ず増やして返すから、出資してくれ」とお金を出させる詐欺です。お金が増えるどころか出資したお金すら戻ってこないことも多く、たくさんの被害者がいます。お金が増えることを期待して多額の資産を出資する人も多いため、被害額も大きくなりやすい手口です。
最近では直接出資させるのではなく「確実に儲かる方法を教えます」と、誘ってくる手口も増えています。この場合はレクチャー後に「儲けるために、このツールを使った」と誘い、数十万円する投資ツールを売りつけてくるケースが多いようです。もちろん実際にツールを使っても増えず、そこで詐欺に遭ったと気づきます。
投資に「確実」はありません。投資を始めようと考える場合は「簡単に増える」「確実に儲かる」などの言葉に踊らされず、基礎的な知識を学んでから始めるようにしましょう。
高収入を得られるからと謳って高額商材を購入させる
コンテンツ販売を副業にしている人も増えてきました。クオリティの高い商材を提供して結果を出している人もいますが、なかには中身のない商材を高額で売りつける人もいるので注意が必要です。
「このノウハウに沿って行動すれば高収入を得られる」「まだほとんどの人が知らない稼ぎ方」など、副業したい人が興味を持つような謳い文句で誘い、高額の商材を購入させます。
しかし、実際にはインターネットで検索すれば無料で得られるような知識ばかりを並べた薄い内容のことも多く、購入後に詐欺だと感じる人は多いようです。「返金保証つき」とサポートを充実させているように見せて勧誘してくる人もいますが、結局は連絡が取れなかったり、何かと言い訳されたりして返金されないパターンもたくさんあります。
会員登録を促して料金を搾取する
「他にはない高収入の求人を紹介できる」と誘って、有料サイトへ登録させる手口にもあります。この場合、実際にサイトに登録しても求人を紹介してもらえず、余計な登録料だけを支払って終わってしまうことがほとんど。その後、おかしいと思って問い合わせしても返信してもらえず詐欺だと気づくのです。
サイトデザインのクオリティが高いと、安全だと思ってしまうかもしれません。しかし、スキルなく高収入の求人を紹介してもらえることは現実的に難しいと覚えておきましょう。副業で稼ぎたいなら、自分のスキルを磨くのが一番の近道です。
副業詐欺の特徴とは?
インターネットで副業を探していると、さまざまな内容の案件が見つかります。どの案件が詐欺なのか見極めが難しいと感じているかもしれません。ここでは副業詐欺に共通する特徴を4つにまとめました。
- 条件が良すぎる
- 仕事内容が不明瞭
- 初期費用を請求される
- 最初に利益を出させて信用を得る
知っているかどうかで詐欺被害に遭うリスクを大きく減らせます。興味を持った副業案件のなかで、これらの特徴にあてはまっているものがあれば慎重に検討しましょう。
条件が良すぎる
副業を探しているときに、以下のような謳い文句を目にしたことがある人は多いのではないでしょうか。
- 誰でも簡単に月収30万円稼げる
- 1日30分!スマホだけで必ず月10万円
- 時給換算したら1時間あたり5,000円も可能
このように、一般的な報酬相場からかけ離れた条件を謳っている場合は注意が必要です。誰でも簡単に稼げるビジネスはこの世に存在しないと言っても過言ではありません。「絶対」「必ず」などの過剰な表現で売り込みをすることは法律で禁止されています。
特に、見ず知らずの人からTwitterやFacebookで加入された場合には詐欺を疑いましょう。本当に儲かる美味しい話を赤の他人に話す人は、まずいませんよね。
普段は引っかからない自信があっても、生活に困っているときや仕事で心が弱っているときは、判断能力が低下してしまうケースもあります。副業を選ぶときは、勢いで決めず慎重に判断しましょう。
仕事内容が不明瞭
仕事内容が不明瞭な場合も、詐欺を疑いましょう。「話を聞いても仕組みが理解できない」「詳細を聞いても曖昧にされてしまう」場合は、避けたほうが無難です。「商品を紹介する仕事と言われ、始めたら実はマルチまがい商法だった」というケースもあります。
また荷物を運ぶだけの簡単な仕事と思って始めたら、犯罪に加担してしまったということもあるかもしれません。疑問点があれば、事前に解消しておくことが大切です。少しでも怪しいと感じたら、手を出さないようにしましょう。
初期費用を請求される
「オリジナルの資格を取得したあとに仕事を紹介する」「始める前にツールを購入する必要がある」など、最初に費用を請求してくるのも詐欺集団が使う手口の一つです。
スキルを向上させて仕事を獲得したいのであれば、有名な講座や書店で販売されている信頼できる教材を使うようにしましょう。前述しましたが、投資もある程度の知識を学んでから始めるのがおすすめです。
特に最近の投資詐欺は、儲かる方法をまとめた教材やツールを販売する手口が増えています。実際に役立つ教材やツールもありますが、初心者の場合は見極めが難しくハードルが高いでしょう。検討する際は、信頼できる業者かどうかを確認するようにしてください。インターネットで評判が見つからない業者の副業は、初心者には見極めが難しいので避けたほうがよいでしょう。
最初に利益を出させて信用を得る
最初に1万円程度の儲けを与えて信用させ、さらに稼ぐために高額の教材やプランに加入させる手口もあります。実際に利益を獲得するので信用してしまいがちですが、あとから追加料金を促されるようなら注意しましょう。
最初に費用発生についての説明を受けていないのであれば、詐欺の可能性があります。追加で支払ったあとに音信不通になったり、元金がマイナスになったりするケースが多いので請求されても支払わないようにしましょう。
もし副業詐欺に遭ってしまったら?4つの対処法
詐欺は時代に合った手口で巧みに、お金をだまし取ろうとしています。被害に遭ってから気づいたらどのようにすればよいのでしょうか。ここでは対処法を4つ解説します。
- 警察に通報する
- 消費生活センターに相談する
- クレジットカードを停止する
- 集団訴訟に参加する
それぞれ具体的に解説します。
警察に通報する
多額の金額を振り込んでしまった場合や、個人情報を知られて脅されているような場合など、被害額が大きい場合は緊急性を要する場合は警察に通報しましょう。しかし、110番に電話するのは気が引けると感じている人もいるかもしれません。
警察相談専用電話の「#9110」へ電話しましょう。全国どこからでも適切な窓口へつなげてくれます。あきらめて泣き寝入りを考える人もいるかもしれませんが、そうなれば被害者が増えてしまうことも。被害件数が多ければ警察も早く動くため、スピーディーな解決につながります。あきらめずに気づいた時点で相談するようにしてください。
消費生活センターに相談する
消費生活センターにも相談しましょう。消費生活センターとは、商品やサービスなど消費生活全般に対する問い合わせや苦情を受け付けている窓口です。全国に設置されていますが、どこにかけてよいかわからない場合は、消費生活ホットライン「118(いやや)」にかけましょう。
専門の相談員が解決のための助言や交渉方法などについてサポートしてくれます。詐欺かどうか疑わしい場合も、そのままにせず相談してみましょう。
クレジットカードを停止する
クレジットカードを登録してしまった場合は、被害額を増やさないためにも速やかにカード会社に連絡して停止の手続きをしてもらってください。詐欺で商材を購入させられてしまったなど、すでにクレジットカードで決済していた場合は「支払い停止の抗弁権」を主張できる可能性があります。
これは、購入した商品が届かなかった、または不良品だったりトラブルが発生したりした場合に支払いを拒める権利です。権利を主張するためには抗弁書の作成が必要になります。詳細は、日本クレジット協会に問い合わせてみましょう。
集団訴訟に参加する
詐欺を訴えるために弁護士への依頼を考える人も多いと思います。しかし、個人で依頼するとなると高額になるため、ハードルが高いといえるでしょう。少しでも費用を抑えたいならば、集団訴訟に参加するのも一つの手段です。
同じ被害に遭った人が協力して集団で訴訟を起こす方法で、個人で裁判するよりも費用が安くなる、参加者全員の証拠を共有できるなどのメリットがあります。
集団訴訟を検討したら、インターネットで被害者の会や弁護団がないか探してみてください。MatoMa(マトマ)など、集団訴訟に特化したプラットフォームもあります。訴訟を起こしたい人たちが同じ被害に遭った人を募集しているので、調べてみるのもよいでしょう。
まとめ
副業詐欺の手口や特徴、対処法を解説しました。副業に挑戦する人が増えるに伴い、詐欺も横行しています。正しい知識を身に付けておかないと、知らないうちに被害に遭ってしまうかもしれません。
自分だけは大丈夫と思っていても、詐欺の手口は年々巧妙化しています。警戒心を怠らず、信頼できる業者やサイトを使うようにしましょう。