政府が推進する「働き方改革」の影響により、副業を許可する企業が増えてきました。働き方も多様化しており、リモート可能な仕事も増加傾向にあります。この流れに乗って、持っているエンジニアのスキルを活かし、副業で収入を増やしたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
しかし、いざ副業を始めようとしても「どのように案件を探せばよいのか」「週1〜2日稼でも可能なのか」「報酬相場はどのくらいなのか」など、多くの疑問が浮かんでくる人もいると思います。
そこで本記事では、リモート可能な副業案件の探し方や報酬相場、求められるスキルをまとめました。最後に本業と副業を両立するポイントにも触れているので、ぜひ参考にしてください。
【エンジニア】リモート可能な副業案件の探し方
ここでは、リモート可能なエンジニア案件を探す方法を3つ紹介します。
- CXO Worksでリモート勤務可能な経営に近い副業を探す
- ママワークスで在宅可能な副業案件を探す
- ReWorksで正社員特化型のリモートワークを探す
それぞれ特徴を解説します。
CXO worksでリモート勤務可能な経営に近い副業を探す
公式サイト:CXO works
「CXO works(シーエックスオーワークス)」は、副業かつフルリモートで経営に近い業務に挑戦できる案件を中心に集めた求人サイトです。COO(最高経営責任者)やCFO(最高財務責任者)など多くの求人が掲載されています。エンジニアのスキルを活かした高報酬の開発案件も多数。これまでのスキルを活かしてステップアップしたい人におすすめのサイトです。
ママワークスで在宅可能な副業案件を探す
公式サイト:mama works
「mama works(ママワークス)」は、その名の通り主婦向けの求人サイトです。働く時間や場所を自由に選べ、臨機応変に対応可能な案件が中心のため、幼い子どもを持つママも安心して挑戦できるでしょう。在宅可能な業務委託の案件が豊富なため、スキマ時間を使って副業に挑戦したい人にも最適なサイトです。
ReWorksで正社員特化型のリモートワークを探す
公式サイト:ReWorks
「ReWorks(リワークス)」は、副業ではなく正社員の案件を探している人におすすめのサイトです。フルリモート求人に特化しており、知識豊富なキャリアカウンセラーが転職をサポートしてくれます。オンライン講座や有償トレーニングも用意しているので、初めての在宅ワークでも安心。1人での転職活動が不安な人におすすめのサイトです。
エンジニアの平均給与や労働時間
エンジニアの平均給与や、労働時間がどのくらいかリサーチしました。
- 平均年収と月収
- 平均年齢
- 平均労働時間
それぞれ見ていきましょう。
エンジニアの平均年収と月収
エンジニアの年収や月収はスキルや業務内容、契約形態によって異なります。求人ボックスで確認すると、ITエンジニアの平均年収は481万円でした。
厚生労働省が公開しているデータで月収を確認すると、月収20万円台が一番多い結果となっています。少数ではありますが、月収100万円を超えている人もいるようです。
出典: job tag - 厚生労働省
なお年齢別の年収グラフを確認すると、年齢が上がると共に年収も増加傾向にあり、50〜54歳の平均年収は700万円を超えていることがわかりました。
出典: job tag - 厚生労働省
ただし、上記データは正社員で働く人の場合です。副業でエンジニアに挑戦する場合は、稼働日数や携わるプロジェクトによるでしょう。上記のデータは、目安として参考にしてください。より高度なスキルを身に付けることで、高収入を目指せるでしょう。
エンジニアの平均年齢
厚生労働省が公開しているデータを確認すると、エンジニアの平均年齢は、38.1歳であることがわかりました。IT業界は20代・30代が多いというイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、40代・50代の人も多く活躍しています。なかには、70歳を超えても現役エンジニアとして活躍している人もいるようです。スキルを磨けば、年齢関係なく活躍できる業界といえるでしょう。
エンジニアの平均労働時間
エンジニアの平均労働時間は、約167時間でした。正社員として1日8時間、月20日稼働した場合の労働時間が160時間のため、残業時間は月10時間程度という計算になります。
ただし、エンジニアは常に人手不足で業務内容によっては負担が重くなるケースも。そのため企業や現場の稼働状況、スケジュールによっては算出されているデータよりも残業時間が多くなるケースもあるかもしれません。なかには夜勤が必要な仕事もあります。
副業案件の場合は週1日から可能な求人も多いため、無理のないスケジュールで稼働しましょう。
参考文献
ITエンジニアの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)|求人ボックス
令和3年分 民間給与実態統計調査|国税庁長官官房企画課
令和4年職種別民間給与実態調査の結果|人事院
エンジニアに求められるスキルやおすすめの資格
ここでは、エンジニアとして活躍するために求められるスキルや、おすすめの資格を紹介します。
- エンジニアに必要な能力
- エンジニアにおすすめの資格
それぞれ見ていきましょう。
エンジニアに求められるスキル
エンジニアに求められるスキルは、大きく分けて以下の5つです。
- 技術スキル
- コミュニケーションスキル
- 問題解決スキル
- 論理的思考スキル
- プロジェクト管理能力
1.技術スキル
エンジニアはプログラミングやシステム設計、ネットワークなど、ITに関する技術スキルを身に付ける必要があります。どのような業務に従事するかにもよりますが、以下を身に付けるとよいでしょう。
- プログラミングスキル(Java、Python、C++など)
- システム設計スキル
- ネットワークスキル
- データベーススキル
- セキュリティスキル
技術スキルは、エンジニアとして仕事をするために必須のスキルです。特にIT技術の進化スピードは早いため、常にスキル向上の姿勢が必要となるでしょう。
2.コミュニケーションスキル
複数の人と関わりながら業務を進めるエンジニアには、コミュニケーションスキルも求められます。具体的には、以下の力が必要です。
- 相手にわかりやすく伝える力
- 相手の意図を正しく理解する力
- チームで協力する力
【相手にわかりやすく伝える力】
エンジニアは、クライアントや他のエンジニアとコミュニケーションをとる機会が多くあります。そのため、自分の考えや意図を相手にわかりやすく伝える力が必要です。わかりやすく伝えるためには、以下のポイントを意識しましょう。
- 相手の立場に立って考え、わかりやすい言葉や表現を使う
- 要点をまとめ、簡潔に伝える
- 相手の表情や反応をよく見て、コミュニケーションを調整する
【相手の意図を正しく理解する力】
エンジニアはクライアントの要望を正しく理解し、実現する必要があります。そのため、相手の意図を正しく理解する力が必要です。相手の意図を正しく理解するためには、以下のポイントを意識しましょう。
- 相手の言葉や表情から、意図を読み取る
- 相手の質問や疑問に丁寧に答える
- 相手の立場に立って考え、相手の考えや気持ちを想像する
【チームで協力する力】
エンジニアは、チームでプロジェクトを進めることが一般的です。そのため、チームで協力する力も必要です。チームで協力するためには、以下のポイントを意識しましょう。
- 自分の考えやアイデアを積極的に共有する
- 相手の意見を尊重し、協調する
- 自分の役割や責任を果たす
エンジニアは技術スキルだけでなく、コミュニケーションスキルも大切です。クライアントや他のエンジニアと円滑にコミュニケーションできれば、プロジェクトを成功に導くことができるでしょう。
3.問題解決スキル
エンジニアに必要な問題解決スキルは、大きく分けて以下の3つです。
- 問題を正しく理解する力
- 解決策を立案する力
- 解決策を実行する力
【問題を正しく理解する力】
エンジニアは、トラブルやエラーが発生した際に原因を突き止め、解決しなければなりません。そのため、問題を正しく理解する力が必要です。以下のポイントを意識しましょう。
- 問題の原因を探るために、必要な情報を収集する
- 問題を分解して、小さな問題にしていく
- 問題の全体像を把握する
【解決策を立案する力】
問題を正しく理解したら、解決策を立案する必要があります。そのため、解決策を立案する力が必要です。以下のポイントを意識しましょう。
- さまざまな解決策を検討する
- 解決策のメリットとデメリットを比較検討する
- 最適な解決策を選ぶ
【解決策を実行する力】
解決策を立案したら、実行する必要があります。解決策を実行するためには、以下のポイントを意識しましょう。
- 実行するための計画を立てる
- 必要なリソースを確保する
- トラブルやエラーが発生した場合に備える
問題解決スキルを身に付けることで、トラブルやエラーが発生した際に迅速かつ適切に対応できるようになります。
4.論理的思考スキル
論理的思考力とは、物事を筋道立てて考え、矛盾や飛躍のない結論を導く能力です。ロジカルシンキングとも呼ばれます。例えばシステムの設計や開発する際、クライアントの要求や要望をヒアリングして指示通りに作成すればよいわけではありません。
コスト面や性能面など、あらゆる視点から検討し考えていく必要があります。進めていく過程で問題点が出てくるケースもあるでしょう。そのようなときに、思い付きや直感で開発を進めるわけにはいきません。原因を整理し、どのように解決していくかを順序立てて考える必要があるのです。
また、開発したシステムを運用していくうえで障害やトラブルは避けられません。大切なのは、同じ障害・トラブルを再発させないことです。なぜ発生したのか原因を細かく分析し、適切に対応していく必要があります。このようなときにも、論理的思考力が欠かせません。
5.プロジェクト管理能力
エンジニアに必要なプロジェクト管理能力とは、プロジェクトを計画・実行・完了させるためのスキルです。具体的には、以下の能力が含まれます。
- プロジェクトの目標を定める力
- スケジュールを立てる力
- 予算を立てる力
- チームを組成する力
- コミュニケーションを円滑にする力
- リスク・品質を管理する力
エンジニアはシステムの設計や開発、運用などにおいてプロジェクトを担当する機会が多くあります。プロジェクトを成功させるためには、プロジェクト管理能力を身に付けることが大切です。
エンジニアにおすすめの資格
エンジニアにおすすめの資格は、以下のとおりです。
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
- プロジェクトマネージャ試験
- AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト
- LPIC-1
これらの資格は必須ではありませんが、取得によって客観的にスキルを証明できるため、案件を獲得する際に役立つでしょう。
1.基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITに関する基礎的な知識やスキルを問われる国家資格です。IT業界で働くエンジニアの登竜門として知られており、取得しておくと就職や転職に有利になります。
2.応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の上位資格です。ITに関する応用的な知識やスキルを問われます。基本情報技術者試験を取得したあと、さらなるスキルアップを目指したい人におすすめの資格です。
3.プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験は、プロジェクトマネジメントに関する知識やスキルを問われる国家資格です。情報処理推進機構(IPA)が主催しており、ITプロジェクトを成功に導くためのスキルを身に付けられます。
4.AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト
AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイトは、Amazon Web Services(AWS)に関するスキルを問われるAWSの認定資格です。クラウドエンジニアとして活躍したい人におすすめです。
5.LPIC-1
LPIC-1は、NPO法人Linux技術者認定機関のLPIが実施する資格です。Linuxに関するスキルを問われる内容で、Linuxエンジニアとして活躍したい人におすすめです。
エンジニアにおすすめの資格は、自分の目指すキャリアやスキルによって異なります。例えば、システムエンジニアを目指す場合は、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験の取得がおすすめです。プロジェクトマネージャーを目指す場合は、プロジェクトマネージャ試験の取得を目指すとよいでしょう。
クラウドエンジニアやLinuxエンジニアを目指す場合は、AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイトやLPIC-1の取得がおすすめです。多くのスキルを身に付けることで、エンジニアとして活躍の幅が広がるでしょう。
エンジニアの将来性とキャリアパス
エンジニアの将来性が気になる人も多いのではないでしょうか。ここでは、キャリアパスと併せて解説します。
エンジニアの市場規模と将来性
エンジニアの市場規模は、年々拡大しています。矢野経済研究所の調査によると、国内民間IT市場規模は2020年で12兆9700億円、2022年では14兆1600億円に上ることがわかりました。さらに2025年には、15兆5300億円になると予測されています。
引用:矢野経済研究所「国内民間IT市場規模推移と予測」
しかしエンジニア人材は、規模に反して常に不足しているといわれています。今後も伸びると予想されるIT業界で、エンジニアの需要も増加していくと予想されるでしょう。そのため、将来性も高いといえます。
参考文献
システム受注・ソフト開発(一般)|NIKKEI COMPASS
IT業界の動向や現状、ランキングなど|業界動向サーチ
国内民間IT市場規模推移と予測|矢野経済研究所
リモートワーク可能なエンジニアのキャリアパス
エンジニアのキャリアパスは、大きく分けて以下の4つに分けられます。
- スペシャリスト
- マネージャー
- フリーランス
- 起業家
1.スペシャリスト
スペシャリストとは、特定の技術分野やスキルを極めたエンジニアです。例えば、JavaやPythonなどのプログラミング言語に特化したエンジニア、クラウドやネットワークなどのインフラに特化したエンジニアなどがいます。
スペシャリストを目指すためには、特定の技術分野やスキルを深く掘り下げ、専門的な知識やスキルを身に付ける必要があります。また、常に新しい技術やトレンドをキャッチアップしていくことも大切です。
2.マネージャー
マネージャーは、エンジニアチームを率いてプロジェクトを成功に導くエンジニアです。例えばプロジェクトマネージャー、アーキテクト、コンサルタントなどがいます。
マネージャーを目指すためにはエンジニアとしての実務経験の他、プロジェクト管理やリーダーシップなどのスキルを身に付ける必要があります。
3.フリーランス
フリーランスは、特定の企業に所属せず独立して働くエンジニアです。自分のスキルや経験を活かして、さまざまなプロジェクトに挑戦できます。
フリーランスを目指すためには、自分のスキルや経験をアピールできるポートフォリオや実績を積み重ねることが大切です。また、営業やマーケティングなどのスキルも身に付ける必要があります。
4.起業家
起業家は、自分で事業を立ち上げてITビジネスを展開するエンジニアです。自分のアイデアを形にして、世の中に新しい価値を提供できます。
起業家を目指すためには、ビジネスやマネジメントなどのスキルの他、リスクを恐れずにチャレンジする精神も必要です。
エンジニアのキャリアパスは興味やスキル、目標によって異なります。目指すキャリアを明確に決めることで、よりキャリアアップしやすくなるでしょう。
副業で働く場合の両立方法と成功ポイント6つ
最後に副業でエンジニアとして働く場合の両立方法と成功ポイントを6つ紹介します。
- 家族の了承を得る
- 税金に関する知識を学ぶ
- 本業に支障が出ないようにする
- 新しい知識を常に学ぶ
- 稼ぐ以外の目標を持つ
- 自己管理を徹底する
それぞれ見ていきましょう。
1.家族の了承を得る
副業に挑戦する場合、これまで以上にプライベートの時間が減ることになります。これまではこなせていた家事をこなすことも難しくなるかもしれません。副業を始めたことによって関係がギスギスしないためにも、事前に家族の了承を得ることが大切です。
2.税金に関する知識を学ぶ
副業で一定の収入を得た場合、確定申告が必要になります。そのため、経費や申告の方法など、税金に関する知識を学んでおきましょう。面倒だからと確定申告しなかった場合、ペナルティを受けるリスクもあります。
また本業に内緒で副業に取り組む人は要注意。申告時の選択によって、副業している事実がバレるケースもあります。余計なトラブルを発生させないためにも、基本的には本業に許可を得て取り組むのがおすすめです。本業からの理解を得ておくと、副業もスムーズに進めやすいでしょう。
3.本業に支障が出ないようにする
副業に集中するあまり、本業がおろそかになる人もいます。睡眠不足で遅刻や欠勤が増えたりミスが増えたりすれば、上司や同僚など周囲からの理解を得にくくなるでしょう。そのようなことを防ぐために、本業に支障が出ない工夫を考えることが大切です。
4.新しい知識を常に学ぶ
IT業界は、常に新しい技術やノウハウが生まれています。エンジニアとして活躍していくなら、新しい知識を常に学ぶ姿勢が必要となるでしょう。業界の動向を知り、インプットした知識を適切にアウトプットしていくことで、エンジニアとして活躍できるチャンスが広がります。
5.稼ぐ以外の目標を持つ
副業に挑戦する動機として、収入を増やしたいと考えている人が多いのではないでしょうか。しかし稼ぐことだけが目標になると、続けるのがしんどいと感じてしまうかもしれません。なぜなら、最初から理想の収入が得られるとは限らないからです。
思うように稼げない期間が続くと、副業に対するモチベーションも下がってしまうでしょう。「関連する資格を取得する」「横のつながりを増やす」「本業に活かせるスキルを学ぶ」など、別の目標をつくることでモチベーションを維持しやすくなります。結果的に収入にも結び付きやすくなるでしょう。
6.自己管理を徹底する
副業は実際の業務に加え、案件の獲得からスケジュール・収入の管理など自分でこなさなければなりません。誰かに強制されるわけでもないため、取り組むのも辞めるのも自由です。そのため、自己管理ができないと理想の働き方や収入を実現するのは難しいでしょう。なかには働きすぎて体調を崩してしまう人もいます。
効率的に業務をこなすためにも、自己管理能力を磨きましょう。自己管理能力を高めるためには、以下の方法が有効です。
- ToDoリストを作成して予定を管理する
- 規則正しい生活リズムを心がける
- 副業に取り組む目的を明確にする
- 小さな成功体験を積み重ねる
- タスクに優先順位を決める
できることから取り組んでみましょう。
市場規模が年々拡大しているIT業界では、エンジニアの需要も増加傾向にあります。副業OKの案件も増えているため、スキルを活かして副収入を得たい人にとって追い風といえるでしょう。ぜひ挑戦してみてくださいね。
「CXO works」では、リモートワークで働ける求人を多数掲載しています。エンジニア案件もあるので、興味のある人はぜひ一度サイトをご確認ください。