事情により通勤や出社が難しい人にとって、在宅ワーク・在宅勤務は嬉しい制度です。将来のことを考え、在宅勤務で働ける会社に転職したいと考えている人も多いことでしょう。
在宅ワークに転職するためにはどのように求人情報を探したらいいのか、そして転職に際して注意すべきことはあるのか。
本記事では、在宅ワークへの転職に関わるさまざまな疑問にお答えします。
在宅ワークへの転職は狭き門
在宅勤務・在宅ワークを採用している企業は少なくありませんが、在宅勤務が可能な職種や仕事内容が限られていたり、「週2日のみ在宅勤務可」といった条件を付けていたりすることもあり、最初から在宅で働けると決まっているわけではありません。
在宅ワークへ転職したい人は、狭き門であることを念頭に置いて転職活動を行いましょう。
在宅勤務制度が整っている会社はまだまだ少ない
東京都が2021年1月に発表したデータによると、都内の企業(従業員30名以上)のうちテレワークを導入している企業の割合は57.1%で半数を超えました。
しかし、このデータは東京都に限ったデータであり、全国に視野を広げるとさらに低い数値です。
パーソル総研が2020年12月に公開したデータによると、全国の正社員のうちテレワーク実施者は25.7%、非正規社員では18.7%という結果が出ており、非正規雇用ほどテレワークができない現状が明らかになっています。
このように全国的には「在宅勤務制度が整っている」と言える状況ではなく、地方に行くほど「在宅勤務で働きたくても転職先がない」という事態になってしまいます。
競争倍率が高い
在宅ワーク・在宅勤務の求人情報はゼロではありません。正社員だけでなく、パートタイマーや業務委託などで在宅ワークの従業員を募集している企業もあります。
しかし働き方の多様化や感染症対策の観点から在宅ワークのニーズが高まっており、在宅ワークの求人情報には多くの応募者が集まることも事実です。
多数の応募者の中から内定を勝ち取るためには、他の応募者より秀でたスキルや経験が必要となります。
従業員の教育が難しい
在宅ワーク・在宅勤務では、オフィス勤務のように顔を合わせたコミュニケーションができず、従業員が何の仕事をどのように進めているのかを把握しにくいという課題があります。
またフィードバックやミーティングもオンラインになるため、伝え方によっては認識のズレが生じてしまうこともあるのです。
そのため在宅ワーク・在宅勤務は社員教育が難しく、仕事に慣れてから在宅勤務を可能にしている会社も少なくありません。
在宅ワークに転職したいならやるべきこと3つ
在宅ワークへの転職を考えているならば、まずは以下の3つの項目を行いましょう。
在宅ワークを希望する理由を明確にする
在宅で働きたいのであれば、在宅ワークの必要性を面接で話せるようにしておきましょう。どうしても在宅ワークでなければいけない理由を事前に伝えることで、入社後のギャップやミスマッチを回避できます。
在宅ワークを希望する人は多いですが「通勤が面倒だから」という理由の人よりも「家族の介護があるから」という人のほうが面接官も納得できます。
自分のスキルをリストアップする
在宅ワークへの転職は狭き門なので、他の応募者より有利になるためには自分のスキルや実績を棚卸ししてアピールできるようにしておきましょう。
高いスキルをもつ人材であれば「在宅勤務でも採用したい」と思ってもらえるはずです。
最初から在宅ワークでないことを覚悟する
入社日から在宅ワークが適用されるとは限りません。むしろ、仕事に慣れるまでの期間はオフィス出社を義務付けている会社のほうが多いかもしれません。
しかし在宅ワークになれば他の社員と接点を持ちにくく、業務上のコミュニケーションを取りにくくなります。これから始まる在宅勤務を円滑に行うために、オフィス勤務の期間は仕事に慣れるだけでなく、他の社員との信頼関係を築く期間と捉えて取り組みましょう。
在宅ワーク求人を扱っているサイト
在宅ワークの求人情報は、実はさまざまな求人媒体で扱っています。転職先を探すために活用できるWEBサイトやそれ以外の方法をご紹介します。
転職サイト
複数の企業の転職求人情報が掲載されている転職サイトにも、在宅ワーク可能な求人が掲載されていることがあります。
検索の際に「在宅勤務制度」をチェックしたり、「在宅勤務」というキーワードで検索したりすると、在宅ワークの求人情報を確認できます。
転職エージェント
キャリアアドバイザーが求人情報をマッチングしてくれる転職エージェントサイトでも、在宅ワークの求人を扱っています。
アドバイザーへ在宅ワークを希望している旨を伝えれば、アドバイザーが最適な求人情報を紹介してくれるでしょう。
アルバイトサイト
アルバイト求人サイトでは、パートタイマーやアルバイトなど非正規雇用の在宅ワークが掲載されていることがあります。
「在宅」などの条件で検索すると求人情報がヒットするので、希望の職種や仕事内容を見つけましょう。
ハローワーク
ハローワークでも在宅ワークの求人情報を取り扱っていることがあります。
転職サイトなどに比べて件数は多いわけではありませんが、相談員に直接相談できるという点はメリットです。相談員が企業に直接問い合わせてくれるので、もともとオフィス勤務で求人情報を出している企業でも、相談員の交渉次第では在宅ワークが認められる可能性もあります。
クラウドソーシングサイト
クラウドソーシングサイトにも、在宅ワークの案件が多数掲載されています。
クラウドソーシングサイトを利用する場合は、企業との直接雇用にはならず、クラウドソーシングサイトが仲介する場合がほとんどです。
企業の公式採用HP
企業の公式採用HPでも在宅ワークの求人を募集していることがあります。
働いてみたい会社があるならば、公式採用HPをチェックして在宅勤務可能な求人情報があるかチェックしてみましょう。
人からの紹介
WEB媒体だけでなく、友人や知人からの紹介でも在宅ワークが見つかることがあります。
すでに在宅勤務で働いている知り合いがいるのであれば、紹介してもらえるか相談してみましょう。
在宅ワーク転職する際の注意点
雇用形態に注意!
在宅ワークで働くのは、企業と直接雇用契約を結ぶケースと、個人事業主として企業から業務委託されるケースがあります。
直接雇用契約の場合は、正社員なのか非正規社員なのかで報酬体系や社会保険加入なども異なるので、雇用形態を必ずチェックしましょう。
また業務委託契約の場合は、国保や国民年金には自分で加入する必要がありますし、確定申告も自身で行わなければいけません。
働き始めてから「パートとして働いているつもりだったが、実は業務委託だった」というトラブルにならないよう、事前に雇用形態をチェックする必要があります。
税金の申告方法も確認しよう
会社に勤めていれば年末調整は会社側で処理してくれますが、フリーランスとして業務委託契約を結ぶ場合は、毎年の確定申告は自分で対応しなければいけません。
申告書の記入や計算は非常に難しく、初めてだとどのように書けばいいのか悩んでしまうでしょう。
会計ソフトや確定申告ツールなどを活用すると、スムーズな税の申告が可能です。
信頼できる会社か見極める
以前は在宅ワーカーを狙った悪質な詐欺会社も多く、会員登録費用や備品購入費として高額な請求をされた被害者も多くいました。
現在ではそのような事例はほとんどなくなりましたが、まれに報酬を支払わなかったりカード情報を盗み取ろうとしたりするケースもあるようです。
在宅ワークを募集している会社は、公式HPだけでなくSNSや口コミサイトなどで評判を確認して信頼できる会社かどうか判断しましょう。
だらだら残業の有無もチェック!
在宅ワークだとオンオフの切り替えがしにくく、だらだらと残業してしまうケースも少なくありません。すぐに仕事用のパソコンをチェックできる環境なので、業務時間外に仕事をしてしまう人も多いようです。
在宅ワークでは時給制よりも成果報酬制のケースが多いため、だらだらと仕事をしていると時給換算したときに非常に安いということにもなりかねません。
決められた時間で完了できる仕事かどうかを見極める必要があります。
在宅ワークは狭き門なので、自分にマッチした求人情報を見つけたらすぐにチェックしましょう。その際には、雇用形態や信頼できるかどうかなどのポイントに注意して見極めてくださいね。
また他の応募者より有利になるには、自身のスキルアップも欠かせません。
在宅ワークに転職して活躍するためにも、日々の努力を積み重ねていきましょう。