生活習慣病や高齢者社会を背景に、食事面から健康をサポートする「管理栄養士」の職種が注目されています。
実は管理栄養士は在宅ワークにも向いている職種で、多様な働き方が実現できる仕事です。
今回は管理栄養士におすすめの在宅ワークを紹介。自分のライフスタイルに合わせて、管理栄養士として活躍しましょう。
管理栄養士の資格を活かして在宅ワークできるってホント?
管理栄養士とは
管理栄養士とは栄養学についての高度な専門知識をもっている人材で、栄養指導や栄養管理を主な仕事とする職種です。
管理栄養士が活躍できる場面は多岐にわたり、働く業界や業種によっても求められる仕事内容が変わります。たとえば病院で働く管理栄養士は、栄養バランスの良い献立を作ったり患者に対する栄養指導を行ったりします。また高齢者施設で働く場合は、利用者それぞれの体調を考慮した食事の提供や、低栄養にならないためのケアを行います。ほかにも保育園・幼稚園、小・中学校、自治体や企業など、さまざまな場面で活躍できる仕事です。
生活習慣病やメタボリックシンドローム、高齢化社会の到来などの背景から食事面での栄養が注目されている今、管理栄養士はさらにニーズが高まる仕事となるでしょう。
ちなみに管理栄養士は国家資格のため、管理栄養士になるには専門の学校を卒業してから国家試験に合格しなければいけません。2021年2月に実施された第35回管理栄養士国家試験では、16,019名が受験し10,292名が合格しており、合格率は64.2%となっています。
管理栄養士資格を活かした在宅ワーク
管理栄養士は施設などで働くだけでなく、資格を活かして在宅ワーク・副業をすることもできます。管理栄養士の資格をもっていることで有利な在宅ワークを7つ紹介します。
コラム執筆
管理栄養士の専門的な視点からのコラム執筆・記事ライティングの仕事は、手軽に始めやすい在宅ワークのひとつです。
レシピの紹介、栄養に関する雑学、資格取得のコツなど、さまざまな切り口から記事を書けることが強みになるでしょう。オンラインでの情報収集が主流になっている現代では、特にWEBメディアでの専門的な知見からの記事執筆はニーズが高まっています。
オンライン特定保健指導
40歳から74歳までの人を対象にメタボリックシンドロームについての検診「特定健診」の結果から指導が必要な人に対して「特定保健指導」が実施されます。特定保健指導は生活習慣病の発症を防止する目的で、管理栄養士をはじめとする専門スタッフがサポートをしてくれます。
特定保健指導を実施する際にはオンライン面談を取り入れている医療機関も多く、インターネット環境とパソコンさえあれば自宅で該当者に対する特定保健指導を行えるのです。
レシピ作成
管理栄養士の知見を活かしたレシピ作成も、ニーズの高い在宅ワークです。献立作成や食事提供の経験がある人ならば、レシピ作成も苦にならないでしょう。施設や企業内食堂の献立作成、病気をもっている人に向けたレシピ作成、宿泊施設のメニュー開発など、さまざまな活躍の場があります。
サイトやアプリの監修
WEBサイトやスマホアプリなどの監修者として参画し、管理栄養士の立場からアドバイスを行うこともできます。
健康や料理に関するWEBサイトのコンテンツの校正・校閲、ヘルスケアアプリの開発サポートなど、管理栄養士としての専門的な視点を必要とする案件は少なくありません。
モニターやインタビュー調査
商品やサービスのモニターをしたり、インタビューやアンケートなどの調査に回答したりする仕事も、手軽に始められる在宅ワークです。
管理栄養士の視点からの商品レビューやインタビュー回答は、ユーザーの高い関心を得られるでしょう。
食事トレーナー
ダイエットをしている人やトレーニングで身体を鍛えている人の食事面をサポートする食事トレーナーの仕事もあります。
ダイエットをしている人に向けた献立やレシピを考案したり、ユーザーから送られてきた食事の写真を見てアドバイスをしたりする仕事です。
栄養指導
栄養指導でもオンラインを導入している医療機関が増えているため、オンライン栄養指導を在宅ワークとして行えることもあります。
生活習慣病患者や高齢者を診療している機関では栄養指導を積極的に実施していることが多く、患者の来院負担を軽減する目的でもオンライン指導が活用されています。管理栄養士としての高度な栄養指導が、自宅で気軽にできるためおすすめの在宅ワークです。
どんな会社からの需要が多い?
管理栄養士は栄養指導・栄養管理だけでなく、さまざまな仕事を担えます。そのため活躍できるフィールドも多様で、自分のライフスタイルや特性に合った会社を選ぶことができるでしょう。
病院
病院は、管理栄養士のニーズが高い職場のひとつです。
病院ではさまざまな病気を抱えた人がいるため、一人ひとりに合った食生活をサポートする必要があります。患者に合わせた食事提供や栄養サポートを行い、食事の面から病気の改善を助けていくのです。
厚生労働省の規定では、高度な先端医療を行う特定機能病院では管理栄養士1名以上を配置しなければいけないと定められているため、管理栄養士の役割の重要性がわかります。最近ではNST(栄養サポートチーム)を構成する病院も増えており、管理栄養士は医師・看護師・薬剤師などと連携して栄養面のサポートを行います。
介護施設
高齢者が入居する介護施設も、管理栄養士が活躍できる職場です。
年を重ねると飲み込みにくくなったり手を動かしにくくなったりして、うまく食事を摂れないこともあります。そのためミキサー食や流動食など、入居者一人ひとりに合わせた調理の工夫が求められます。管理栄養士は入居者の状態に合わせた食事を考え、栄養が不足しないようサポートしていくのです。また栄養ケア・マネジメントに力を入れている介護施設も増加しており、管理栄養士は入居者の食事状況や栄養状態を管理してサポートしています。
私立保育園・幼稚園・学校
子どもの食に関わりたい人には、私立保育園・幼稚園・学校がおすすめです。
メインの仕事は年齢や学年に合わせた給食の献立を考えることですが、食物アレルギー児の対応も重要。大きなトラブルにならないために、管理栄養士が最新の注意を払ってアレルギー児の食事管理を行います。
また学校で働く管理栄養士は「学校栄養職員」と「栄養教諭」の2種類があり、給食だけでなく食生活の指導も仕事です。食育が重視されている今、教育機関で働く管理栄養士のニーズは高まってきていると言えるでしょう。
アスリート育成団体
スポーツ栄養学の知識・経験を積みたいのであれば、アスリート育成団体で働きましょう。競技団体・スポーツチームに所属し、アスリートたちの栄養面をサポートします。
管理栄養士の資格を持っていれば、スポーツ栄養に特化した「公認スポーツ栄養士」に申請することが可能です。管理栄養士としての仕事の幅を広げたい人は、スポーツ栄養学にチャレンジしてみるのも良いですね。
フィットネスクラブ
フィットネスクラブに勤めて、利用者の食事にアドバイスすることも可能です。
ダイエットや筋トレなどをしている利用者一人ひとりに、目指している身体に近づけるよう栄養面で指導を行います。職場によっては、利用者から食事の写真が送られてきてその内容に返信をしなければいけない場合もあります。
食品メーカー
食品メーカーも管理栄養士のスキルを活かせる職場です。
新商品やレシピの開発が主な仕事で、自分の関わった商品やレシピがたくさんの消費者に食べてもらえるやりがいを感じられるでしょう。
製薬会社
管理栄養士の資格は、製薬会社でも活かすことができます。
ドリンク剤やサプリメント、機能性食品などの商品研究や開発に、管理栄養士の専門的な知見を活かして参加します。
大手外食チェーン
飲食店などの大手外食チェーンでも管理栄養士を募集しています。
メニュー開発、レシピ改良、コンサルティングなど幅広い仕事を担当でき、管理栄養士として経験を積むことができるでしょう。
ブロガー
管理栄養士の専門性を活かし、ブロガーとして活躍するのも一つの手段。
管理栄養士の資格を活かした料理研究家やフードコーディネーターとして人気ブロガーになれれば、アフィリエイトで高額な収入を得られる可能性。企業とのコラボ案件も舞い込めば、大きな収入源になるでしょう。
まとめ
管理栄養士は大きな活躍の可能性を秘めている魅力的な職種です。管理栄養士の専門的な知見はさまざまな会社にとって高いニーズがあるため、仕事の幅を広げていくことでキャリアアップしていけます。
多様な在宅ワークにも向いている職種のため、ワークライフバランスを充実させながら自分らしく働きましょう。