申告必須!副業で稼いだら住民税はいくらになる?計算方法を解説

国が推進する働き方改革により、多様な働き方を選択できる風潮が広がってきました。そのため本業の他に副業を始める人が増加しています。

本業の場合、税金等の支払いは企業がしてくれますが、副業の場合は自分で手続きしなければなりません。税金の種類や、支払い方法、計算方法などを事前に把握しておくことが大切です。今回は副業で稼いだ場合の住民税に焦点を当てて解説します。副業を始めたばかりの人にありがちな、勘違いも把握しておきましょう。

フルリモートで経営に近い副業を探せる求人サイト

\かんたん登録/

求人を閲覧

住民税とは?

住民税とは?

一定の収入を得たら税金を支払う必要があります。税金にもさまざまな種類があり、支払い先や計算方法も異なります。では住民税とは一体どのような税金なのでしょうか?副業を始める場合に関係してくるものなのでしょうか?住民税の詳細を解説します。

市区町村に対して支払う地方税のこと

税金は大きく分けると「国税」という国に支払う税金と、地方公共団体に支払う「地方税」があります。所得税・相続税・法人税・贈与税・酒税・たばこ税・自動車重量税などは「国税」、住民税・固定資産税・事業税・地方消費税・自動車税などは「地方税」です。したがって、住民税は地方税にあたります。

住民税の支払い方法

住民税を支払う方法は「普通徴収」と「特別徴収」の2種類です。普通徴収は、自分の住所に納付書が送付され自分自身で支払います。住民税の納付書が数回に分けて送付されてくるので、支払い期限内に支払いましょう。特別徴収とは、企業から天引きされて支払う方法です。雇用主が労働者に支払う給与から住民税分を差し引き支払います。

本業の場合は、ほとんどが特別徴収です。副業分を申告する際に、普通徴収にするか、特別徴収にするかを選択できるので、もし副業を本業側に知られたくない場合は、普通徴収を選択しましょう。

しかし、税金を効率的に徴収できる特別徴収を推進する動きがあり、企業における特別徴収は義務化される傾向にあります。企業によっては普通徴収が選択できない場合もあるので、副業を始める前に確認が必要です。

副業でいくら稼いだら住民税が発生する?

「年間の収入額が20万円以下の場合は税金がかからない」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、これは正確な情報ではありません。

年間の収入額が20万円以下の場合に税金がかからないのは、所得税の話です。住民税とは取り扱いが異なるので、収入がある場合には申告が必要となります。

所得税と住民税を混同してしまい、収入があるにもかかわらず「年間20万円以下だから」と申告をしないケースは多く見られます。これらの税は別物であることを把握しておきましょう。

副業の住民税の計算方法

副業の住民税の計算方法

副業で収入を得た場合、住民税はいくらになるのでしょうか?実際の金額を算出してみましょう。計算方法や税率を解説します。

住民税の計算方法

住民税は「所得割」「均等割」「利子割」「配当割」「株式等譲渡所得割」の5つの要素から、以下の計算方法で求められます。

所得割+均等割+利子割+配当割+株式等譲渡所得割=住民税

所得割とは、給与所得から所得控除を差し引いた金額に、税率の10%(県民税4%+市民税6%)の税率をかけて算出したものです。配当控除・外国税額控除・寄付金税額控除など税額控除のある場合、算出された所得割から差し引かれるようになります。

均等割は均等に加算される税額です。所得の金額にはかかわりません。金額は都道府県や市区町村により異なりますが、3,000円〜6,000円程度です。利子割、配当割、株式等譲渡所得割は、発生した場合に加算されます。

住民税の税率

住民税の税率は「所得割」の場合、県民税が4%、市民税が6%の、合計10%です。住民税の課税対象になる所得金額(課税所得)に対しての課税割合です。例えば課税所得が100万円の場合、所得割額は10%の10万円となります。

「均等割」は均等に加算される税額です。県民税が1,000円、市民税が3,000円ですが、2014年から2023年分については防災施策財源にあてるためとして県民税、市民税のそれぞれに500円プラスされた金額が加算されています。よって合計は5,000円となります。

住民税が非課税になる場合

収入がある場合、基本的に住民税が発生しますが、非課税となるケースもあります。所得割と均等割の両方が非課税となるケースは以下の3つです。

  • 生活保護法の生活扶助を受けている
  • 未成年者、寡婦、ひとり親、障がい者のいずれかであり、前年の合計所得が135万円以下
  • 前年の合計所得が市区町村の条例で定められた額以下

東京23区の場合、単身者は45万円以下、扶養家族がいる場合は、35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の人数)+31万円、となります。次に所得割のみ非課税となるケースは、以下の2つです。

  • 単身者の場合、前年度の総所得金額等が45万円以下
  • 同一生計の配偶者や扶養家族がいる場合は定められた金額以下

東京23区の場合、35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の人数)+42万円、となります。

住民税はいつ払う?

住民税はいつ払う?

住民税は「賦課課税方式」であり、地方自治体が納税の額を算出し通知する方法で行います。個人で支払う「普通徴収」と、給与天引きで支払う「特別徴収」では支払い時期が異なるので注意しましょう。

また退職時や、海外赴任や留学で国内にいない場合、個人事業主の場合でも時期が異なります。支払いをせずに滞納した場合の注意点なども確認しておきましょう。

住民税の支払時期

企業が天引きして支払う特別徴収の場合は、給料日に差し引かれることとなります。住民税額は毎年6月に更新され、企業は給与を支給した日の翌月10日までに支払います。

普通徴収の場合、毎年5月から6月の期間に市区町村から納付書が届きます。4期に分けた支払通知書が届きますが、一括で支払うことも可能です。退職した場合、すでに転職先が決まっていれば、転職先で引き続き特別徴収が可能となります。

転職先が決まっておらず、6月1日から12月31日の期間に退職した場合、原則として普通徴収となりますが、退職する企業へ申請すれば翌年5月までの住民税を一括徴収してもらうことも可能です。1月1日から5月31日に退職した場合、5月までの住民税を一括徴収が原則となります。

海外赴任や留学などで1年以上海外へ行く場合、1月1日時点で住民のある市区町村に住民税を納付することとなります。納税書が出国前に届いた場合、普通徴収分であれば一括で全額納付するか、口座振替の手続きをするか、納税を委託する納税管理人を指定するなどして、出国する必要があります。

住民税を滞納した場合

決められた期日に住民税を納付しなかった場合、市区町村から督促状が届きます。期日内に納付されない場合延滞金が加算されるので、早めに納付しましょう。督促状が届いても納付しない状態が続くと、市区町村から電話連絡や催告書が届き、財産を差し押さえられる可能性があります。何らかの理由で納付できない場合には猶予してもらえる場合もあるので、必ず市区町村へ連絡をしましょう。

住民税の確認方法

住民税の納税額を知りたい場合は、納税通知書で確認しましょう。特別徴収の場合は、企業へ5月に住民税決定通知書が届きます。普通徴収の場合は、6月に個人の元へ納税通知書が届くので、そこで確認可能です。

市区町村によって内容が異なる場合もありますが、基本的に総所得・所得控除・課税所得・扶養親族の人数・所得割の算出金額・均等割の算出金額・月々の納付額が記載されています。

まとめ

副業を検討している人は、税金の納付方法を把握しておきましょう。年間20万円以下の副収入なら税金は不要という話は、所得税の話です。市区町村へ納付する住民税とは別になります。住民税に関しては、年間20万円以下であっても市区町村への申告が必要です。

支払い方法は特別徴収と、普通徴収があります。副業を本職に知られたくない場合は普通徴収がおすすめですが、企業によっては認められない場合もあるので、事前に確認が必要です。

住民税の納税額は5月から6月頃に確認できます。期限内に支払うようにしましょう。滞納してしまうと延滞金が加算されてしまううえに、最終的には財産を差し押さえられてしまうこともあります。何らかの理由で納付が難しい場合には、必ず市区町村へ連絡をしましょう。

フルリモートで経営に近い副業を探せる求人サイト

\かんたん登録/

求人を閲覧