副業がマイナンバーからばれる? マイナンバーと副業の関係について解説

働き方が多様化し、副業している人も増加しています。しかし本業の勤務先に副業がばれたくない人も少なくありません。副業がばれたくない人のうち「マイナンバーからばれるのでは?」と懸念している人も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、マイナンバーと副業の関係性について詳しく解説します。また副業がばれない方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。

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マイナンバーとは

マイナンバーとは

そもそもマイナンバーとは、どのようなものなのでしょうか。副業との関係性を知る前に、マイナンバーについて理解しましょう。マイナンバーとは、住民票をもつ全国民に対して付与された、個人を識別する番号です。12桁の数字で構成されており、一人ひとり異なる番号が付与されています。また総務省は、マイナンバーは当面「社会保障」「税」「災害対策」の分野でのみ利用されるとしています。

マイナンバー制度は2013年5月に法律が成立し、2016年1月より導入されました。同時期からマイナンバーカードの交付も開始され、本人が申請することでマイナンバーカードが交付されます。

マイナンバーは主に行政手続きにおいて利用されます。そのため企業に雇用されている場合は、税や社会保障などの手続きをする際にマイナンバーが必要になるため、勤務先に提出しなければいけません。

よくある質問:マイナンバー制度について(総論)|デジタル庁

マイナンバーにはどのような目的がある?

マイナンバー制度は「国民の利便性の向上」「行政の効率化」「公平・公正な社会の実現」を目的として導入されました。それぞれ詳しく解説します。

書類上の手続きの手間が一部削減

これまで国民には、納税者番号や基礎年金番号、健康保険被保険者番号などの番号が付与されていました。そのため行政手続きをする際、役所や税務署などさまざまな機関で書類を入手・記入・提出しなければならないことがあり、手続きに手間も時間もかかっていました。

しかしマイナンバー制度導入後は、課税証明書などの添付書類が削減されたり、確定申告をオンラインのe-Taxで完了できたりするなど、手続きの一部が削減されます。今まで手間も時間もかかっていた書類の入手・記入・提出などが簡便化することで、国民の利便性が向上するメリットがあります。

行政関連の手続きが正確でスムーズに

行政機関や地方公共団体によって、保有している住民情報が異なります。そのため行政関連の手続きを行う際には、複数の機関に情報の照合や転記をしなければいけませんでした。

しかしマイナンバー制度の導入により、各機関の情報がマイナンバーに集約されます。そのため各機関の情報を連携できるようになり、情報共有の手間が大幅に削減されるため効率化します。

またこれまでは、情報の転記の際に記載ミスなどが起きるリスクがありました。その点も、マイナンバーで情報が共有できれば正確なデータを引き継ぐことができるため、リスクが軽減されます。

不正の防止

マイナンバー制度により、各住民の所得状況や各制度の受給状況が一元管理できます。そのため正確な情報を基に税や各制度の支給を決定できるのです。

これにより税や社会保障の負担を不当に免れたり、生活保護を不正受給したりするなどの社会問題を防止することが可能です。また各住民の生活状況を把握できるため、本当に支援を必要としている人に対して適切に対応できます。

副業がマイナンバーからばれる可能性は低い

副業がマイナンバーからばれる可能性は低い

本業をしながら、スキルアップや収入アップのために副業している人も珍しくありません。しかし就業規則で副業が禁止されている場合や、職場が副業に対して良くないイメージを持っている場合、副業がばれたくないと思う人も少なくないのではないでしょうか。

そのため「マイナンバーの情報から副業がばれるのではないか」と懸念している人も多いことでしょう。マイナンバーは所得状況が一元管理されているため、副業の所得が会社にばれてしまうのではないかという心配につながります。しかしマイナンバーから副業がばれる可能性は、低いといえるでしょう。その理由を以下で解説します。

決められた目的以外に利用できない

そもそもマイナンバーは、利用する用途が「社会保障」「税」「災害対策」の3分野のみと定められています。したがって、たとえ勤務先が副業先に対して「このマイナンバーの人が働いていますか?」などとマイナンバーの照合などを求めても、法律違反となるため副業先は答えてはいけません。

また勤務先が従業員のマイナンバーから副業での収入を調べる行為も、当然ながら法律違反になります。そのため勤務先が従業員のマイナンバーを使って、副業しているかどうかを知るリスクは低いといえます。

行政から勤務先に通知などはない

勤務先はマイナンバーを使って従業員の副業を調べることはできませんが、行政はその人が副業しているかどうかを把握できます。なぜならマイナンバーを使って確定申告するため、本業と副業の収入を申告しなければいけないからです。

また副業先は、マイナンバーが記載された源泉徴収票や支払調書などを税務署に提出する必要があるため、行政はその人がどの企業から収入を得ているか把握できます。

ただし行政は本業の勤務先に対し「そちらの従業員が、副業で収入を得ています」といった通知はしません。本来の利用目的である「社会保障」「税」「災害対策」には該当しないからです。つまり行政からの連絡で、勤務先に副業がばれるリスクもないといえます。

勤務先から行政に照会できない

一方、逆のパターンを懸念している人も多いことでしょう。従業員の副業を怪しんだ勤務先が、行政に対して「このマイナンバーの人は、どの企業から収入を得ていますか」といった照会を求めるケースです。

しかし、こちらのケースも「社会保障」「税」「災害対策」の3分野には当てはまりません。そのため、もし勤務先から行政に照会を求めても、行政は答えることはないのです。勤務先から行政に連絡し、マイナンバーを基に副業の事実を調べることはできないため、このケースでも副業がばれることはないでしょう。

副業がばれる主な理由

副業がばれる主な理由

マイナンバーから副業がばれる可能性はきわめて低い数値です。ただし勤務先に黙って副業を続けている限り、副業がばれるリスクはあります。副業がばれる主な原因としては、税や社会保障などが挙げられます。それぞれ詳しく解説します。

住民税から

副業がばれる1つめのケースとして、住民税の金額が挙げられます。企業は前年の給与支払報告書を当年1月末までに行政に提出し、行政はその金額から当年の住民税の金額を決定します。住民税の金額は企業へ報告され、企業は給与から住民税を天引きするかたちで行政へと納付します。

複数の企業から収入を得ている場合は、副業で得た所得が年20万円以上になると確定申告しなければいけません。そして合算された所得から住民税額が決まり、給与が多いほうの企業に住民税の金額が通知されます。

つまり本業の勤務先へ、本業と副業を合算した所得金額から算出された住民税額が報告されることになります。前年よりも住民税額が増えていたり、他の従業員と住民税額が大きくずれていたりする場合、勤務先は副業していることに気づいてしまうでしょう。

身近な税>住民税について教えてください。|財務省

社会保険の変化から

パートやアルバイトで副業している場合、社会保障の変化から本業の勤務先に副業がばれる可能性もあります。医療保険や雇用保険などの社会保険は、パートやアルバイトでも一定の条件を満たせば被保険者として加入可能です。具体的には「週の所定労働時間が20時間以上」や「月額賃金8.8万円以上」などの条件があります。

ただし社会保険は複数の勤務先で加入できません。そのため副業先でも加入条件を満たす場合には「健康保険・厚生年金保険 所属選択・二以上事業所勤務届」を提出し、どの勤務先で加入するかを選択します。この際、複数の勤務先での給与合計額から社会保険料が決定するため、本業の勤務先に副業での給与を知られることになります。

年末調整の給与所得欄から

勤務先での年末調整の際に、副業がばれる事例も見受けられます。年末調整の書類のなかに「給与所得者の基礎控除申告書」があり、給与所得を記載する欄があります。複数の勤務先がある場合には、その欄に給与を合算した金額を記載しなければいけません。

個人事業主などで副業している場合は、副業先から給与として支払われませんが、「給与所得以外の所得の合計額」欄に収入の合計額を記載する必要があります。そのため本業の勤務先がそれらの欄を確認すると、副業での収入があるかどうか明らかになるのです。

関連記事:ダブルワーク(副業)がバレる理由とは?対処法も解説

なぜ副業でもマイナンバーの提出は必要なのか

本業の勤務先だけでなく、副業でもマイナンバーの提出は必要となります。提出先は、パートやアルバイトの場合は勤務先に、フリーランスや内職の場合は発注元の企業です。しかし、なぜマイナンバーを提出しなければいけないのか疑問に感じる人も多いでしょう。その理由を以下で説明します。

勤務先が源泉徴収票を発行する際に必要

パートやアルバイトなど副業の勤務先と雇用関係にある場合、企業は源泉徴収票を発行しなければいけません。源泉徴収票は年間の給与支給額や納税額などが記載された書類です。源泉徴収票は本人に渡される分と、税務署に提出する分があります。税務署へ提出する際にはマイナンバーを記載するため、本人のマイナンバーを入手する必要があるのです。

マイナンバーの利用目的である「社会保障」や「税」に関係するため、パートやアルバイトなどの非正規雇用の形態でもマイナンバーの提出を要します。

フリーランスの場合は支払調書に必要

フリーランスや内職など、業務を発注してくれる企業と雇用契約を結んでいない場合にも、マイナンバーの提出を求められます。フリーランスの場合、発注元の企業は源泉徴収票を発行することはありません。その代わり、年間でどのような内容の支払いをしたかという内容を証明する支払調書を作成します。

支払調書は源泉徴収票と同様に税務署への提出が必要なので、マイナンバーを記載しなければいけません。そのためフリーランスや内職などで業務を発注して報酬を支払っている場合、マイナンバーを入手する必要があるのです。

副業がばれないための対策

副業がばれないための対策

さまざまな理由から、本業の勤務先に副業がばれたくない場合もあるでしょう。勤務先に副業がばれないようにするには、以下のポイントを意識してください。

住民税を普通徴収にする

住民税の金額により、副業がばれてしまうケースがあります。そこで住民税の納付を普通徴収にすると、ばれるリスクが軽減します。企業に勤めている場合、住民税の納付は特別徴収となり、企業の給与から天引きする方法です。この方法では副業の収入も合算されて算出された住民税が勤務先に通知されるため、副業がばれてしまいます。

一方、普通徴収は納税通知書という納付書を使い、自分で住民税を納付する方法です。確定申告する際に普通徴収を選択することで、副業分の住民税が勤務先に知られることはありません。

ただしパートやアルバイトなどの給与所得では、この方法が使えないケースがあります。給与として収入を得ないフリーランスや内職などでは利用できる方法なので、覚えておきましょう。

外注扱いにする

パートやアルバイトのように収入が給与所得となる場合、企業は税務署へ給与支払報告書を提出するため、そこから本業の勤務先にばれる可能性が高いです。しかし収入が給与所得ではなく事業所得または雑所得などの場合は、源泉徴収義務がないので副業がばれるリスクが軽減します。

事業所得や雑所得とするためには「外注」として業務を発注してもらうとよいでしょう。具体的には、フリーランスや内職など個人事業主として副業する方法です。また単発の日雇いアルバイトについては、企業は給与支払報告書の報告義務がないため副業がばれにくいといえます。

副業していることを口外しない

副業がばれるリスクを最小限に抑えるために、自分から副業を口外しないようにしましょう。つい「副業でこんなに稼いだ」などと話したくなることがあるかもしれませんが、そこから噂話が広がって勤務先に副業がばれる可能性があります。

またSNSやブログなどで副業していることを発信し、そこからばれるケースもあります。いつ・どこで・誰が見ているか、聞いているかわからないという意識を持ち、自分自身で副業がばれないよう気を付けましょう。

まとめ

マイナンバーは利用目的が限られているため、マイナンバーから副業がばれる可能性は低いといえます。しかしマイナンバー以外のきっかけで副業がばれる可能性はあるため、ばれたくない人は気を付けましょう。

また企業と雇用関係にある場合もない場合も、副業先へのマイナンバーの提出は必要です。重要な個人情報のため、副業先からマイナンバー提出を求められた際には、取り扱いに充分注意したうえで対応しましょう。

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