今、副業を始める人が増えています。インターネットの普及により、パソコンやスマホ1つでお金を稼げるようになりました。会社勤めのかたわら、新しく好きな仕事に取り組み、副収入を得ることも可能です。
一方で、SNSなどでは「副業に取り組んだけれど長く続かなかった」「思ったように稼げない」といった失敗談も多く見られます。副業で成功する人とそうでない人は何が違うのでしょうか。
今回は副業初心者の人向けに、副業の始め方や知っておくべきポイントを丁寧に解説します。せっかく副業に挑戦したのにすぐ挫折してしまったという事態にならないよう、ぜひご一読ください。
挫折しない副業の始め方4ステップ
まずは、副業を始めるときに意識したい4つのステップを解説します。求人サイトやクラウドソーシングサイトを開く前に、以下の手順を確認しておきましょう。
1.目標を決める
2.自分の強みや好きを洗い出す
3.副業に費やせる時間を考える
4.副業を探す
それぞれのポイントを解説します。
目標を決める
副業を始める前に、目指すべき目標を定めましょう。明確な目標があれば、漠然とした気持ちで副業に取り組むよりも、日々のモチベーションを維持しやすくなります。
「副業の収入でハワイに行く」「毎月プラス5万円稼げるようになって、おしゃれな部屋に引っ越す」など、目標を達成したときの楽しいイメージがあれば、疲れたときもがんばれるでしょう。
ただし、副業で思うような収入が得られるようになるには、多くの場合時間がかかります。あまりに高すぎる目標を掲げると、かえってモチベーションが下がる要因になりかねません。将来の夢を持ちつつ「まずは副業で月1万円稼ぐ」といった、達成しやすい目標も設定して、少しずつ成功体験を積み重ねていきましょう。
自分の強みや好きを洗い出す
次に持っているスキルや知識、興味のあるジャンルを洗い出してみましょう。さまざまな種類の副業が溢れているなかで、自身に合ったものを選ぶための基準になります。
本業で培ったビジネススキルはもちろん、趣味の範囲の特技も書き出しましょう。現在ではさまざまな副業があり、スキル販売サイトでは悩み相談や恋愛アドバイスも、立派なスキルとして出品されています。人の役に立つことであれば、どんなスキルもお金に変わる可能性があるのです。
本業で忙しいのに、さらに副業をこなすのは大変です。少しでも疲労やストレスを和らげるためにも、自分の特技や趣味を活かして楽しく取り組めるよう工夫しましょう。
副業に費やせる時間を考える
現在の就業時間を念頭に置いて、副業にどれだけの時間を費やせるか計算しておきましょう。仕事選びをするうえで、本業と無理なく両立できるか判断するための基準になります。
ここで意識したいのは、週に1日は副業をしない休日を設定して、休息と気分転換の時間を確保することです。早く収入を上げたいと考えて、仕事の予定を目一杯詰め込むと、疲労やストレスが蓄積してしまいます。そうなればいずれ体調不良を引き起こし、結果的に本業も副業も休まざるを得ない事態になるので、早めの休息が大切です。自分のなかで副業に充てる時間を決めておき、その範囲に収まる仕事を選ぶようにしましょう。
副業を探す
目標の決定とスキルの棚卸し、そして作業時間の割り出しができたら、いよいよ副業を探し始めます。副業は大まかに分けて、時間労働型と成果報酬型の2種類があります。時間労働型は時間単価制のアルバイトのような仕事で、働いた時間だけ確実に収入が得られるのが魅力です。しかし、就業時間は拘束されるので、時間の融通が利かないのは会社員にとって大きなデメリットでしょう。
一方で成果報酬型の副業は、作業時間に関わらず成果に応じて報酬が支払われます。スキルが低いうちは長い時間をかけても少しの報酬しか得られませんが、スキルが上がれば短い作業時間で高収入が得られるようになります。
時間労働型か成果報酬型かは、自身が希望する働き方に合わせて選びましょう。ただし、本業に副業していることを知られたくない人は、時間労働型の仕事のほうがバレやすい傾向にあるので要注意です。
副業を始めるなら覚えておこう!4つのポイント
次に副業を始めてからトラブルに遭ったり、挫折したりしないために、知っておきたいポイントを解説します。副業では以下の4つを忘れないようにしましょう。
- 就業規則は必ず確認
- 年間で20万円稼いだら確定申告が必要
- 甘い言葉の副業は詐欺の可能性も
- 無理はしない
それぞれ詳しく解説します。
就業規則は必ず確認
副業を始める前には、必ず本業の就業規則を確認しましょう。大企業を筆頭として副業を解禁する企業は増えていますが、いまだに国内の企業の多くは従業員の副業に対しては消極的です。本業への悪影響や、労働時間の管理の問題、優秀な人材が退社して独立してしまうリスクなどが理由でしょう。もし隠れて副業してることがバレてしまうと、上司や同僚との関係性が悪化したり、ペナルティを受ける恐れもあります。
一方で、正直に副業したい旨を伝えて上司に相談すれば、仕事内容によっては許可されるケースもあります。副業で得た経験やスキルを本業に活かしてほしいと考える会社もあるでしょう。まずは就業規則を確認して、会社の副業に対する考え方を知っておきましょう。
年間で20万円稼いだら確定申告が必要
副業で20万円を超える所得を得ると、会社員でも確定申告が必要になります。通常、収入の申告は会社が年末調整で従業員の代わりにしてくれます。しかし副業分の収入は自身で申告しなくてはなりません。毎年2月16日から3月15日の間の確定申告の期間中に手続きをしないと、最悪の場合は脱税行為とみなされて、ペナルティを受けます。きっちりと期間内に確定申告書を提出しましょう。
また、年間の所得が20万円以下の場合でも、副業分の住民税の支払いが必要です。通常の手続きでは副業分を併せた住民税の額が会社に通知されてしまいます。会社に知られないようにするために、自身で各自治体に直接納税しましょう。
甘い言葉の副業は詐欺の可能性も
副業に興味を持つ人をターゲットにして、詐欺や悪質なビジネスも増えています。副業を始めるときには、甘い言葉に騙されないようにしましょう。
「誰でも簡単に高収入が得られる」などのキャッチコピーで誘い、高額なマニュアルを買わせたり、サイトの登録料を払わせたりするケースがあります。当然ながら、お金を払っただけで儲かるはずがなく、最悪の場合はそのまま連絡がつかなくなってしまうことも。
誰でも挑戦できる仕事は十分な収入を得られるようになるまで時間がかかったり、すぐに高収入が得られる仕事には難易度の高い資格が必要だったりと、どんな副業にも努力が必要です。お金を払っただけで稼げるようになる副業はないと、心得ておきましょう。
無理はしない
副業で成功するためには努力が必要ですが、無理を続けるのは良くありません。適度に休息をとるように心がけましょう。副業で疲労やストレスを溜めてしまうと、本業で十分なパフォーマンスを発揮できない恐れがあります。たとえ副業を禁止していない会社であっても、疲れてミスを繰り返せば副業を咎められる場合もあるでしょう。
さらにストレスのせいで、同僚や家族とのコミュニケーションがうまくとれなくなる人もいます。副業は継続が大切であり、そのためには同僚や家族が自分を支えてくれる環境が必要です。副業の収入が増えてくると嬉しくてつい無理をしがちですが、リフレッシュのための時間は確保しましょう。
副業で稼げる人の特徴とは?
同じように副業を始めても、望んだとおりの収入が得られる人と、挫折してしまう人がいます。副業で成功する人には、主に以下の3つの共通点が見られます。
- 継続力がある人
- 好きや得意を副業にしている人
- 自分の行動に責任を持てる人
それぞれの特徴を詳しく解説します。
継続力がある人
副業で成功するのは、すぐに結果が出なくても焦らず、地道に継続的な努力ができる人です。副業の多くは、期待している収入が得られるようになるまで時間がかかります。例えばブログ運営の場合、一生懸命記事を書いても、始めのうちは読者がつかず広告収入が入ってきません。半年続けても収入はゼロというケースもあります。どれだけ努力しても成果が得られず、多くの人が十分な収入が得られるようになる前に諦めてしまいます。
しかし、書き溜めた記事は無駄にはなりません。ユーザーの興味を惹く記事は資産となり、十分な数に達すれば、将来的には半自動的に広告収入を上げてくれるようになる可能性があります。思ったように稼げなくても、自分が目標に確実に近づいていると信じられる人だけが、努力し続けられるのです。
好きや得意を副業にしている人
副業を成功させるには継続が大切ですが、苦手なことや嫌いなことであれば、がんばってもなかなか長続きはしません。自分の特技を活かすか、趣味の一環として楽しんでいる人ほど、副業で成功しやすいのです。
すでに身に付いたスキルや資格を活かせば、副業を始めたばかりでも高い収入が得られる可能性があります。目に見えて収入が増えればやる気が出て、副業を継続するモチベーションに繋がるでしょう。
また、仕事そのものを楽しんでいる人ほど、副業を長く続けられる傾向にあります。今はスキル販売サイトなどを通じて、イラスト作成・カメラ・占い・ヨガのレッスンなどの趣味の延長線上のような副業に取り組めます。たとえ金額が多くなくとも、対価を得ることで人から評価され、人の役に立つやりがいが感じられるでしょう。
自分の行動に責任を持てる人
副業は、面倒なことや辛いことからすぐに逃げ出そうとする人には向きません。自分の行動に責任を持てる人が、クライアントの信頼を得て長く活躍します。
会社員が本業を抱えながら、他に仕事をするのは決して楽ではありません。平日夜や休日に仕事をするのは、気が乗らないこともあるでしょう。そんなときに何かと言い訳をして、やるべきことを先延ばしにすると、作業が溜まっていきます。それが精神的な負担となって、やがて副業そのものを断念してしまうのです。
副業は本業と違い、自分の気持ち次第でいつでも止めてしまうことができます。だからこそ、一度目標を立てて始めたことは最後まで責任を持ってやり抜く覚悟が必要です。できないことを決して環境や他人のせいにせず、目標に対して主体性を持って取り組むようにしましょう。
挑戦してみよう!スキルなしでできる副業3選
最後に「副業をやってみたいけど特に活かせるスキルがない」と不安な人向けに、スキルなしでも挑戦できる副業を紹介します。誰でも手軽に取り組める副業のなかで、代表的なものは以下の3つです。
- ポイントサイト
- フリマアプリ
- データ入力
「これなら自分でもできそう」と思える副業があれば、ぜひ挑戦してみてください。
ポイントサイト
スマホさえあれば、いつでもどこでも副業に取り組めるのが、ポイントサイトの魅力です。スキルも資格も必要なく、誰でもすぐに始められます。
ポイントサイトとは、サイト上のアンケートやモニターのタスクをこなし、報酬としてポイントを受け取れるサービスです。1件あたりにかかる時間が短く、数十秒の広告動画を視聴するだけでポイントが受け取れる場合もあります。忙しい人でも、駅やレストランの待ち時間で取り組めるでしょう。
手軽な分、他の副業に比べて報酬の額は少なめです。しっかり稼ぐよりも、スキマ時間の有効活用がしたい人におすすめの副業といえます。ポイントサイトを始めて、お金を得ることが楽しくなれば、もっと報酬の高い仕事にステップアップしてもよいでしょう。
フリマアプリ
すぐに収入を得たい人には、フリマアプリで自宅の不用品を売るという選択肢もあります。収入を得ると同時に、家の中も片付いて一石二鳥です。
フリマアプリで物を売るには、同じ商品の相場をチェックし、相場と同じか少し安いくらいの価格をつけるのがポイントです。トレンドのものや定番で人気のある商品は売れやすいので、始めのうちは少し高めの価格設定にしてみてもよいでしょう。ユーザーとコミュニケーションをとりつつ、必要であれば値下げにも応じて交渉します。
不用品の販売でフリマアプリのコツを掴めば、次は仕入れた商品に利益の分を上乗せした価格で販売する、転売にステップアップも可能です。商品を安く仕入れれば、まとまった収入が得られます。ただしアプリ内での悪質な転売行為は、ユーザーからの評価を下げてしまうので気をつけましょう。
データ入力
スキル不要でも本格的な副業に取り組めるのが、データ入力です。クラウドソーシングサイトなどには、データ入力の案件が多く掲載されています。
データ入力は、渡された資料の文字や数値をExcelなどのファイルに入力していく仕事です。音声データを渡されて、それを聞きながらWordなどに文字として入力していくパターンもあります。タイピングさえできれば、特に難しいこともありません。黙々と作業したい人にはぴったりの副業です。
データ入力の仕事に物足りなさを感じるようになれば、次は簡単なWebライターの案件に挑戦してみるのもよいでしょう。自分で文章を考える必要があるのでデータ入力より難易度は高めですが、その分報酬単価も上がります。文字数の少ない仕事から始めて、少しずつスキルと実績を積み上げていきましょう。
まとめ
副業で理想の収入が得られるようになるには、思った以上に長い時間がかかるものです。大切なのは途中であきらめず、成果が出るまで粘り強く続けること。そのためには無理なく続けられて、自分の特技や興味が活かせる面白い仕事を選ぶのがおすすめです。
始めのうちは収入が上がらなくても、一つひとつの仕事を誠実にこなしていけば、確実に評価と実績は上がっていきます。副業の成功に近道はありませんが、自分の努力が無駄にはならないと信じて、目の前の仕事に取り組みましょう。