現役CXOワーカーの体験談・お役立ち情報

CxO（Chief x Officer）は、企業の最高責任者であるCEO、CFO、COOなど役職の総称です。読み方は、シーエックスオーです。これらの役職は企業経営において重要な役割を担っており、高いスキルと経験が求められます。

近年、副業でCxOの仕事に挑戦する人も増えてきました。CxOを経験することで、経営を学びキャリアアップにつなげられるでしょう。本記事では、CxOの役割や仕事内容を詳しく解説します。副業でCxOの仕事をしたいと考えている人は、ぜひ最後までご覧ください。

CxOの代表的な職種には、次のとおりです。（CxO一覧）

• CEO：企業の最高経営責任者。企業全体の経営戦略の立案と実行を担う。
• CFO：最高財務責任者。企業の財務・会計・税務を統括する。
• COO：最高執行責任者。企業の日常業務の運営と管理を担う。
• CMO：最高マーケティング責任者。企業のマーケティング戦略の立案と実行を担う。
• CCO：最高顧客責任者。企業の顧客満足度を高める戦略に責任を負う。
• CHRO：最高人事責任者。経営戦略と連動した人材戦略を実行する。
• CTO：最高技術責任者。研究開発・技術開発の立案、開発の方向性を定める。

ただし、CxOは権限や責任に法的な裏付けがなく、企業が組織内での職制を示す役職名です。そのため、同じ役職名でも企業によって役割や意味が異なるケースがあります。

副業CxOとしての主要な業務内容

CxOと一口に言っても、業務内容は企業によってさまざまです。役職ごとの主な業務内容は以下のとおりです。

【CEO（Chief Executive Officer）】

• 企業のビジョン・ミッションの策定
• 経営戦略の立案・実行
• 社内外のステークホルダーとのコミュニケーション
• 経営資源の配分
• リスクマネジメント

【CFO（Chief Financial Officer）】

• 財務・会計・税務の管理
• 資金調達・運用
• 投資の意思決定
• 内部統制の構築・運用
  関連記事：副業で経営を学べるCFOの仕事内容や役割とは？

【COO（Chief Operating Officer）】

• 事業の運営・管理
• 生産・販売・物流の管理
• 人事・労務管理
  関連記事：副業でCOOは可能？業務内容や求められるスキルを解説
  

【CMO（Chief Marketing Officer）】

• マーケティング戦略の立案・実行
• ブランディング・プロモーション
• 顧客分析
  関連記事：副業でCMOは可能？業務内容や求められるスキルを解説

【CCO（Chief Customer Officer）】

• 顧客体験の設計と実行
• 顧客満足度の分析
• 顧客に対する課題の改善案策定
  関連記事：副業で経営を学べるCCOの仕事内容や役割とは？

【CHRO（Chief Human Resource Officer）】

• 人材戦略の計画と進行
• 組織体制の改革や評価体系の見直し
• 従業員満足度向上への取り組み
  関連記事：副業で学べる！CHROの仕事と3つの役割
  

【CTO（Chief Technical Officer）】

• 技術戦略の意思決定
• 研究開発・技術開発部門の監督
• 技術を利益に結び付ける技術経営の実行
  

本業でも副業でも業務内容に大きな差はありません。たとえ副業だとしても、本業と同等のスキルが求められます。

CxOと執行役員との違い

CxOと執行役員の違いは、執行役員が事業を統括する業務執行の責任者であるのと比較して、CxOは企業戦略や経営の視点を持って企業活動を行う責任者です。

CxOと取締役との違い

取締役は会社法により、株式会社に設置が必要な機関であるのに対し、CxOは特定分野の企業活動を担う経営者の目線で担う責任者です。

取締役とは、株式会社を設立する際に必要な機関です。取締役会非設置会社については、原則として、取締役それぞれに業務執行権と会社の代表権があり、取締役設置会社（指名委員会等設置会社を除く）では、会社の代表権を代表取締役が有し、他の取締役は有しない。また、業務執行権は、代表取締役と業務執行取締役に選定された取締役のみが有し、その他の取締役は有しません。

CxOに求められる主なスキルを7つ解説します。以下のスキルを持っている人は、CxOに向いているといえるでしょう。

1. 経営的視点
2. リーダーシップ
3. コミュニケーション能力
4. 問題解決能力
5. リスクマネジメント能力
6. 専門知識
7. 時間管理能力

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.経営的視点

経営的視点とは、企業全体の視点で物事を考え判断する力です。CxOは、企業の経営を進めるにあたって重要な役割を担っています。そのため企業の全体像を把握し、各部門や部署の活動が連携し、企業全体の目標を達成できるように考え、判断する力が欠かせません。経営的視点を身に付けるためには、以下のことに取り組むとよいでしょう。

• 企業の経営戦略や財務状況を理解する
• 各部門や部署の活動を把握する
• 経営に関する書籍やセミナーを受講する

2.リーダーシップ

リーダーシップとは、チームをまとめ目標達成に導く力です。CxOは社員や取引先などさまざまなステークホルダーをまとめ、企業の目標を達成に導く力が求められます。リーダーシップを身に付けるためには、以下のことに取り組むとよいでしょう。

• 部下やチームメンバーの信頼を獲得する
• 目標を明確に設定し、チームメンバーに共有する
• チームメンバーの強みを活かして目標達成に取り組む

3.コミュニケーション力

さまざまなステークホルダーと、円滑にコミュニケーションを取る力も重要です。CxOは従業員や取引先、顧客などさまざまなステークホルダーとやりとりしなければなりません。そのため、相手の立場に立って考えたスムーズなコミュニケーションが求められます。コミュニケーション力を身に付けるためには、以下のことに取り組むとよいでしょう。

• 相手の話をしっかり聞く
• 自分の考えをわかりやすく相手に伝える
• 相手の気持ちに寄り添う

4.問題解決能力

問題解決能力とは、複雑な課題を解決する力です。CxOは、企業経営においてさまざまな課題に直面するでしょう。そのため、複雑な課題を分析して解決策を導き出す力が求められます。問題解決能力を身に付けるためには、以下のことに取り組むとよいでしょう。

• 課題を正しく理解する
• 課題の原因を分析する
• 複数の解決策を検討する
• 最適な解決策を実行する

5.リスクマネジメント力

リスクマネジメント力とは、リスクを予測し対処する力です。CxOは、企業経営においてさまざまなリスクに直面します。そのため、リスクを予測し適切に対処できる力が必要です。リスクマネジメント力を身に付けるためには、以下のことに取り組むとよいでしょう。

• リスクを認識する
• リスクを分析する
• リスク軽減の対策を講じる
• リスクが発生した場合の対応策を準備する

6.専門知識

CxOは企業の経営を担うため、それぞれの役職に応じた専門知識を身に付ける必要があります。そのためには、以下のことに取り組むとよいでしょう。

• 関連する書籍や論文を読んで学ぶ
• セミナーや研修を受講する
• 実務経験を積む

7.時間管理能力

CxOは多忙なスケジュールのなかで、さまざまな業務をこなさなければなりません。そのため、時間を適切に管理する力も求められます。時間管理能力を身に付けるためには、以下のことに取り組むとよいでしょう。

• タスクに優先順位をつける
• タスクを細分化する
• タスクに期限を設定する
• タスクに集中して取り組む
• 休憩を適度に取る

CxOの年収がどのくらいか、気になる人も多いのではないでしょうか。企業や職制によって異なるため一概には言えませんが、転職サイトをリサーチすると年収1,000万円以上の好待遇求人も多数掲載されています。

また新たに事業を創出した場合、収益の一部からインセンティブが支払われるケースも。これまでの経験とスキルを活かしながら、高収入を得られるチャンスがあります。

CxOとして働くことは、これまでの経験を活かしてキャリアアップを狙えますがリスクもあります。以下に主なリスクを挙げました。

• 意思決定の結果や成果へのプレッシャー
• 人間関係や相性でのトラブル

それぞれ解説します。リスクも理解したうえで検討しましょう。

意思決定の結果や成果へのプレッシャー

CxOは、企業の経営を担う責任があります。そのため、企業の業績や成長の実現に向け、プレッシャーを感じる場面も多くなるでしょう。

例えばCEOの場合、企業の経営に関するさまざまな意思決定を下さなければなりません。意思決定の結果は、企業の業績や将来に大きな影響を与えるため、従業員に比べ責任が重くなります。

CxOとして働くには、成果へのプレッシャーに耐えられるよう精神力や忍耐力を鍛える必要があります。また焦りは禁物ですが、常に高い目標を掲げ達成に向けて努力を続けることが重要です。

人間関係や相性でのトラブル

CxOは従業員や取引先、顧客など多くのステークホルダーと関わる必要があります。そのため、人間関係や相性でのトラブルが発生するリスクも高くなるでしょう。

CEOは、従業員のモチベーションを維持し社内の意思統一を図る責任があります。例えばその一環となるコミュニケーションがスムーズにいかなければ、企業の業績に悪影響を及ぼす可能性があるでしょう。

CxOとして働くには、人間関係を円滑に構築するためのスキルを身に付ける必要があります。また、多様な価値観や考え方を持つ人々とうまく付き合っていくには柔軟性も求められるでしょう。これらのリスクを認識したうえで、CxOとして働くかどうか決めることが大切です。

CxOとして活躍する場合、あると歓迎されやすい資格や経験をまとめました。将来、副業でCxOとして働きたいと考えている人は、参考にしてください。

MBAや専門的な資格の有無

特定の資格を必須とする企業は多くないようですが、以下を持っていると有利になるケースもあります。

• MBA（経営学修士）
• 経営士
• 中小企業診断士
• 公認会計士
• 企業経営アドバイザー
• ビジネスマネジャー検定
• マーケティング・ビジネス実務検定
• ビジネス統計スペシャリスト
• ビジネス会計検定

気になる資格があれば、取得を目指してはいかがでしょうか。

経営経験やリーダーシップ経験の重要性

CxOでは、さまざまな経験が役立ちます。特に、経営者としての経験やリーダーシップを発揮できる部門で活躍したことのある人は歓迎されやすいでしょう。CxOの仕事を通して、さらなるキャリアアップのチャンスがあります。

他にも企業戦略やビジネスプランの策定、予算管理や財務報告書作成などの経験も役立つでしょう。目指す役職にどのような経験が役立つか、リサーチしてみてはいかがでしょうか。

時代の流れが早まるなかで、多くの専門知識や経験を有するCxOの需要は今後も増えていくと予想されるでしょう。副業OKのCxO案件も募集されるようになりました。本業にプラスしてさらなるキャリアを積みたい人は、副業からCxOに挑戦してみてはいかがでしょうか。

「CxO works（シーエックスオーワークス）」は、これまでのスキルを活かし、フルリモートで経営者の右腕として貢献できるチャンスを掴める求人サイトです。CxOとしてキャリアを積みたいと考えている人は、ぜひご活用ください。

＜参考文献・サイト＞
■J-STAGE
企業家像に関する一考察― CxO活用の観点から ―
■内閣官房
企業組織の変革に関する研究会提言の論点整理 参考資料
取締役会、トップマネジメント チーム、経営者報酬の現状と課題
■経済産業省
スタートアップエコシステムの創出にむけた大企業人材の流動促進に関する調査
持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会