セキュリティエンジニアの仕事は、企業の大切な情報資産を守るために重要な役割を担っています。この仕事は業務範囲も幅広く、やりがいのある仕事です。将来性も高いといわれており、リモートワーク可能な副業案件も増えつつあります。
本記事は、セキュリティエンジニアの仕事を副業にしたいと考えている人向けの記事です。副業案件の探し方や求められるスキル、本業と両立させるためのポイントなどについて触れています。セキュリティエンジニアのスキルを活かしてキャリアアップしたい人、副業で収入を増やしたいと考えている人は、ぜひ最後までご覧ください。
リモート可能なセキュリティエンジニアの案件を探す3つの方法
ここでは、リモート可能なセキュリティエンジニアの案件を探す3つの方法を紹介します。
- CXO Worksでリモート勤務可能な経営に近い副業を探す
- ReWorksで正社員特化型のリモートワークを探す
- ママワークスで在宅可能な副業案件を探す
それぞれ特徴を見ていきましょう。
CXO worksでリモート勤務可能な経営に近い副業を探す
引用:CXO works
持っているスキルを活かし、副業で難易度の高い仕事に挑戦したいと考えている人には「CXO works(シーエックスオーワークス)」がおすすめです。経営者の右腕として貢献できる案件が掲載されており、COO(最高経営責任者)やCFO(財務担当責任者)など企業にとって重要なポジションに挑戦できます。
セキュリティエンジニアの知識や実績を活かすなら、CTO(最高技術責任者)に挑戦してみるのはいかがでしょうか。
ReWorksで正社員特化型のリモートワークを探す
引用:ReWorks
副業案件は少なめですが、フルリモート可能な正社員求人の案件に特化している転職サイトが「ReWorks(リワークス)」です。完全在宅勤務の正社員を目指したいと考えている人は、こちらがおすすめ。知識豊富なキャリアカウンセラーが徹底的にサポートしてくれるため、安心して転職活動を進められます。
ママワークスで在宅可能な副業案件を探す
引用:mama works
「無理のない範囲で副業に取り組みたい」「スキマ時間を有効活用したい」と考えている人に最適なサイトが「mama works(ママワークス)」です。働く場所も時間も融通がききやすい業務委託の案件が豊富なので、本業に支障をきたすことなく副業に取り組めるでしょう。主婦向けのサイトですが、年齢や性別を問わず利用できます。
セキュリティエンジニアの平均給与や労働時間
セキュリティエンジニアとして働いた場合、どのくらいの給与や労働時間になるのか気になる人も多いでしょう。ここでは、セキュリティエンジニアとして働いている人のさまざまな平均データをリサーチしました。
- 平均年収と月収
- 平均労働時間
- 平均年齢
それぞれ解説します。ただし正社員やパートなど複数の労働条件が混在しているため、一つの目安として参考にしてください。
セキュリティエンジニアの平均年収と月収
厚生労働省が公開しているデータを確認すると、セキュリティエンジニアの平均年収は534.6万円でした。国税庁の調査によると、日本の平均年収は458万円。比べると、高水準といえるでしょう。単純に12か月で割った場合、1か月あたりの月収は約45万円です。
なお、厚生労働省が公開しているデータには「所定内給与額別の人数割合」と「年齢別の年収」をまとめたグラフもあるので、併せて参考にしてください。
出典:セキュリティエキスパート(オペレーション) - 職業詳細 - job tag - |厚生労働省
ただし、副業でセキュリティエンジニアの仕事に取り組む場合、引き受ける案件の契約条件によって大幅に異なります。また仕事の特性上、高報酬の案件を安定して獲得し続けていくためには、常に最新の知識にアップデートしていく必要があるでしょう。
セキュリティエンジニアの平均年齢
セキュリティエンジニアとして働く人の平均年齢を確認すると、40.8歳でした。幅広い年代が活躍しており、年齢関係なく長く働ける仕事といえるでしょう。一般的にベンチャー企業は若い人材が多く、大手企業は経験豊富な中高年のエンジニアが多い傾向があるようです。
セキュリティエンジニアの平均労働時間
セキュリティエンジニアの平均労働時間は、164時間でした。ただし副業で取り組む場合は、この限りではありません。実際にはもっと少ない稼働時間となるでしょう。1日2時間、週3日など、無理のない範囲で取り組むことが大切です。
参考文献
セキュリティエンジニアの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)|求人ボックス
令和4年分 民間給与実態統計調査|国税庁長官官房企画課
令和5年職種別民間給与実態調査の結果|人事院
リモートで副業可能なセキュリティエンジニアに求められる7つのスキル
リモート可能な副業として、セキュリティエンジニアは注目を集めています。しかし、企業から重宝される存在になるためには、多くのスキルが求められます。ここでは、セキュリティエンジニアに求められる主なスキルを7つ紹介します。
- プログラミングスキル
- IT技術に関する基本的な知識
- 法律関連に関するスキル・知識
- 問題解決スキル
- コミュニケーションスキル
- マネジメントスキル
- モラル・責任感
それぞれ見ていきましょう。
1.プログラミングスキル
プログラミングスキルは、セキュリティエンジニアにとって基本的なスキルの一つです。セキュリティ対策を実装するためにはシステムの構造を理解し、それを操作する能力が必要となります。特に、Python・JavaScript・C++・PHPなどの言語は、サイバーセキュリティ分野でもよく使用される言語です。
2.IT技術に関する基本的な知識
ITの基本的な知識も、セキュリティエンジニアには必須です。ネットワークの構造・オペレーティングシステム・データベースシステム・クラウドコンピューティングなど、幅広い技術に精通していることが求められます。
3.法律関連に関するスキル・知識
法律に関する知識も、セキュリティエンジニアには不可欠。例えば、個人情報保護法・サイバーセキュリティ基本法・著作権法などです。これらの知識は情報漏洩やサイバー攻撃のリスクを防ぎ、組織の法的責任問題を回避するために重要な知識となります。
4.問題解決スキル
セキュリティエンジニアは、日々発生するセキュリティインシデントに対応する必要があります。そのため、問題解決スキルも磨くとよいでしょう。具体的には、以下が求められます。
- 論理的思考力:問題の本質を見抜き、解決策を導き出す能力
- 分析力:収集した情報を分析し、問題の原因を特定する能力
- 創造力:既存の枠にとらわれない、独創的な解決策をひらめく能力
これらのスキルは、迅速かつ的確にセキュリティインシデントを解決するために必要不可欠といえるでしょう。
5.コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルも、セキュリティエンジニアにとって重要なスキルの一つです。チーム内のメンバーや他部署、クライアントとスムーズにコミュニケーションを取る能力が求められます。具体的に磨きたいコミュニケーションスキルは、以下の3つです。
- 説明力:複雑な技術的な内容を分かりやすく説明する能力
- 傾聴力:相手の話を丁寧に聞き、理解する能力
- 折衝力:異なる意見を持つ人と交渉し、合意点を見つける能力
周囲の人々と信頼関係を築いて円滑な情報共有を実現するためにも、日々意識してみましょう。
6.マネジメントスキル
プロジェクトをスムーズに進行させ、リソースを効率的に管理するために必要なのがマネジメントスキルです。スキルを高めるためには、ロジカルシンキングやポジションチェンジ(第三者の立場になって物事を考えること)を日々意識するとよいでしょう。また、チームメンバーのパフォーマンスを最大化するためのリーダーシップも求められます。
7.モラル・責任感
セキュリティエンジニアの仕事は、技術力が高いだけでは務まりません。企業の重要な情報資産を扱う責任を担うため、高いモラルと責任感が必須です。具体的には以下が求められます。
- 倫理観:常に倫理的な判断を下し、不正行為をしない
- 責任感:自分の仕事に責任を持ち、最後までやり遂げる
- 誠実さ:情報を漏らさず、誠実に業務を遂行する
情報が漏れれば大きな損害が発生し、企業が積み上げてきた信頼を一瞬で失わせてしまうケースもあります。そのため、副業でセキュリティエンジニアの仕事をする際は、常にモラルや責任感を意識しましょう。
リモートで副業可能なセキュリティエンジニアにおすすめの資格6選
副業でセキュリティエンジニアをする際、必須の資格はありません。しかし、取得していると高度な技術と専門知識を客観的に証明でき、信頼性を高められます。ここでは、リモートワークで活躍するために役立つ6つの資格を紹介します。副業の幅を広げる効果も期待できるでしょう。
- 情報処理安全確保支援士試験(SC)
- シスコ技術者認定(CCNA)
- 情報セキュリティマネジメント試験
- 基本情報技術者試験
- CISA (Certified Information Systems Auditor)
- CISM (Certified Information Security Manager)
それぞれ解説します。
1.情報処理安全確保支援士(SC)
情報処理安全確保支援士(SC)は経済産業省が認定する国家試験であり、情報システムのセキュリティに関する知識と技能を評価するものです。合格者は「情報処理安全確保支援士」の称号を与えられ、企業や組織の情報セキュリティ対策に携わるスペシャリストとして活躍できます。
2.シスコ技術者認定(CCNA)
シスコ技術者認定は、シスコシステムズが提供するIT技術者向けの認定制度です。ネットワーク・セキュリティ・クラウド・データセンターなど、さまざまな分野の認定試験があります。
3.情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験は、組織の情報セキュリティ管理に関する専門的知識を評価する国家試験です。この試験では、情報セキュリティポリシーの策定や実施・リスク管理・事故対応のプロセスなど、セキュリティマネジメント全般にわたる知識が問われます。合格者は情報セキュリティマネジャーとしての能力が認められ、企業や組織における情報セキュリティの強化に貢献できるでしょう。
4.基本情報技術者
基本情報技術者試験は、情報技術の基礎的な知識と技術を証明する国家資格です。取得することでプログラミングやネットワーク、データベースといった基本的なITスキルがあることが証明でき、リモートワーク可能な幅広い業務に対応できるでしょう。
5.CISA (Certified Information Systems Auditor)
CISA(Certified Information Systems Auditor)は、国際的に認知された資格です。システムの脆弱性評価や監査計画の策定、リスク管理プロセスの評価といった専門的な知識を有していることを証明します。取得することで高度な専門性をアピールでき、信頼性の高いフリーランスとして活動することも可能です。
6.CISM (Certified Information Security Manager)
CISM(Certified Information Security Manager)は、情報セキュリティ管理に特化した国際的な資格です。この資格を持つことで、組織の情報セキュリティガバナンス・リスク管理・インシデント管理・プログラム開発など、管理に関する高度な知識と技術を有していることを証明できます。
セキュリティエンジニアの将来性
セキュリティエンジニアの将来性は、他のIT系の職種のなかでも特に高いといわれています。なぜなら情報セキュリティ対策の重要性が増し、セキュリティエンジニアが活躍する場が拡大しているからです。
経済産業省が発表した「IT人材需給調査」によると、2030年には国内のIT人材市場において、16.4万〜78.7万人の人材不足が発生すると予測されています。特に情報セキュリティ人材は深刻な不足が予想されており、セキュリティエンジニアの需要も飛躍的に増加していくことが見込まれるでしょう。
つまり、高度な専門知識やスキルを持つ経験豊富なセキュリティエンジニアは、これからも企業にとって貴重な存在です。常に最新のスキルを磨き続けることで、活躍の場を広げていけるでしょう。
参考文献
システム受注・ソフト開発(セキュリティー関連)|日経コンパス
IT人材需給に関する調査|経済産業省
セキュリティエンジニアの主なキャリアパス5つ
セキュリティエンジニアとしてのキャリアは多岐にわたります。ここでは、主なキャリアパスを5つ紹介します。今後を決める際の参考にしてください。
- セキュリティアナリスト
- ペネトレーションテスター
- セキュリティアーキテクト
- セキュリティコンサルタント
- CISO(Chief Information Security Officer)
それぞれ解説します。
1.セキュリティアナリスト
セキュリティアナリストは、企業のシステムやネットワークをサイバー攻撃から守るために脆弱性を発見し、対策を講じるのが主な仕事です。具体的な仕事内容には、ログ分析・脆弱性診断・侵入検知システムの運用・セキュリティインシデント対応などがあります。
2.ペネトレーションテスター
ペネトレーションテスターはホワイトハッカーとも呼ばれ、攻撃者目線でシステムに疑似攻撃を行い、脆弱性を発見・評価するスペシャリストです。システムのセキュリティレベルを実際に試すことで、実効性の高い対策へと導きます。
3.セキュリティアーキテクト
セキュリティアーキテクトは、組織全体の情報システムにおけるセキュリティ戦略を策定し、それを実現するためのアーキテクチャを設計するスペシャリストです。単なる技術的な対策にとどまらず、経営戦略や事業リスクを踏まえ、長期的な視点でセキュリティを構築するのが特徴です。
4.セキュリティコンサルタント
セキュリティコンサルタントは、高度な情報セキュリティ専門知識と経験を活かして企業のセキュリティ体制の構築や改善を支援するコンシェルジュのような存在です。単に問題を指摘するだけでなく、最適な解決策を提案し実行まで支援するのが特徴です。
5.CISO(Chief Information Security Officer)
CISO(Chief Information Security Officer)は、企業や組織における情報セキュリティの最高責任者であり、経営層と現場をつないで組織全体のセキュリティ体制を統括するリーダーの役割を担います。技術的な対策にとどまらず、経営戦略やリスクを踏まえて長期的な視点で情報セキュリティをマネジメントするのが特徴です。
副業でセキュリティエンジニアとして働く場合の注意点4つ
近年、セキュリティエンジニアの需要は増加傾向にあります。本業のかたわら、副業することを検討している人も多いでしょう。しかし、副業でセキュリティエンジニアとして働く際は、いくつか注意点があります。ここでは、副業でセキュリティエンジニアとして働く場合の注意点について解説します。
- 就業規則を確認する
- 著作権に注意する
- 本業に支障が出ない範囲で取り組む
- 単価が低すぎる案件は引き受けない
それぞれ見ていきましょう。
1.就業規則を確認する
副業が禁止されていないか、就業規則を確認しましょう。多くの企業では、副業を禁止または制限する規定を設けています。副業が禁止されている場合、発覚すれば懲戒処分を受ける恐れもあります。
また、たとえ副業が許可されている場合でも、本業の機密情報に触れるような仕事は避ける必要があります。
2.著作権に注意する
セキュリティエンジニアとして副業する場合、開発したソフトウェアや使用したコードの著作権にも注意が必要です。自分が作成したプログラムが勤務先の保有する知的財産である場合、著作権違反に問われることがあります。
「このコードは使っても大丈夫か」と、しっかり確認することは副業するうえで常識といえるでしょう。またオープンソースの利用規約を遵守することも、重要なポイントです。
3.本業に支障が出ない範囲で取り組む
本業に支障が出るような取り組み方は避けましょう。本業のパフォーマンスが落ちることで、職場での評価がダウンしたり、ストレスの増加につながったりする可能性があるからです。
ときには「副業によって、本業に集中できなくなっていないか」と、自己反省する時間を持つことも大切です。時間管理や仕事の優先順位を考慮して、バランスを保つよう意識しましょう。
4.単価が低すぎる案件は引き受けない
副業でセキュリティエンジニアとして働く際、単価が低すぎる案件は避けるべきです。適正な報酬が得られない案件は、時間と労力の無駄につながりかねません。モチベーションの維持も難しくなります。
自身のスキルや経験に見合った案件を引き受けるようにしましょう。また、高単価の案件を獲得するためには、常にスキルを磨く姿勢が大切です。
まとめ
IT業界は拡大傾向でセキュリティエンジニアの需要は増えつつありますが、常に人手不足の状態です。スキルを最新の状態にアップデートし、コツコツと取り組むことで市場価値の高い人材となれるでしょう。
安定して仕事を獲得できるようになれば、より高いキャリアへの挑戦や独立など選択肢も広がります。将来のキャリアプランを明確にし、日々取り組んでいくことが成功のポイントです。
なお、経営者の右腕として働きたいと考えている人には「CXO works」がおすすめです。フルリモート可能かつ、責任感とやりがいある案件を豊富に記載しています。ぜひご活用ください。