主にコールセンターにて、電話でお客さまへ商品の案内をしたりアポイントを獲得したりする仕事のコールスタッフ。コミュニケーション力や営業スキルを活かすことができる職業です。
しかし正社員として働く際には、架電・受電だけでなく他のスタッフ管理やマーケティング業務などが追加されることも。
今回は、正社員のコールスタッフの仕事内容や待遇、さらに就職方法まで紹介します。正社員コールスタッフを目指している人はぜひ参考にしてください。
正社員のコールスタッフとして働いてみたい!給料や仕事内容は?就職方法までご案内
コールスタッフは契約形態もさまざま
「コールスタッフとして働く」と一言でいっても、その契約形態は多岐に渡ります。
会社に直接雇用されるのは、正社員、契約社員、パート・アルバイトがあります。どれも、自分がコールスタッフとして働く会社に直接雇用されるため、会社と雇用契約を締結します。
正社員は雇用期間の定めがなく安定して働けるのに対し、契約社員やパート・アルバイトは雇用期間が定められていたり働ける時間帯が決まっていたりする場合が多く見受けられます。
一方、雇用契約を締結する会社と実際に働く会社が異なる働き方もあるのです。それが派遣社員という形態です。
派遣社員は、派遣元の会社と雇用契約を締結しますが、実際に働く会社は派遣先の会社となります。
また、最近ではコールスタッフの仕事を業務委託するケースも少なくありません。在宅ワーカーなどにコールセンター業務を委託するため、業務委託契約を締結して仕事を依頼する形態です。
このように、コールスタッフとして働くといってもさまざまな契約形態を選択することができるため、自分のライフスタイルや希望に合った働き方を見つけましょう。
正社員コールスタッフはどんな仕事をするの?
コールスタッフとしての仕事は、アウトバウンドの架電業務(電話をかけること)やインバウンドの受電業務(電話を受けること)をイメージしますが、実はほかにも仕事があるのです。
特に正社員として働くコールスタッフは、さまざまな仕事を依頼されることが多くなります。
商品に対する専門的なアドバイス
インバウンドの受電業務の中で多いのが、お客さまからのお問い合わせ対応です。
「商品の使い方がわからない」「操作方法を教えてほしい」など利用に関するお問い合わせに、専門的な知識を活かしてアドバイスを行います。
ほとんどのコールセンターではよくあるお問い合わせに対する回答をデータベース化しており、スピーディに回答できる仕組みが構築されています。
しかしすべての質問がデータベースに蓄積されているわけではないので、扱っている商品・サービスについての知識をアップデートしていく努力が必要となるでしょう。
電話を使った新規営業
アウトバウンドの架電業務では、営業リストを基に電話をかけて営業活動を行います。
会社によって電話の内容は異なりますが、商品・サービスについて簡単に説明を行い、興味を持ってくれた人にアポイントを打診することが一般的です。商材によってはアポイントではなく、電話での商品受注がゴールの場合もあります。
アポイント1件もしくは受注1件につきインセンティブを得られることもあり、うまくいけば大きく稼げるでしょう。
アンケートや市場調査などのマーケティング
マーケティング活動の一環として、アウトバウンドの架電業務を依頼されることもあります。仕事内容は、電話口で質問を行い、いただいた回答を調査票に入力していきます。
アンケートや市場調査では一定数以上の回答がなければいけないため、効率よく電話や入力を進めてノルマをこなす必要があるでしょう。
クレーム対応
コールスタッフは、時にはクレーム対応をしなければいけないこともあります。
クレームの原因は商品の不具合や、サービスのトラブル、発送や納品のミスなどがほとんどなので、きちんと対応すれば理解してくれるお客さまが大半です。
しかし、しばしば解決が難しいクレームが来ることもあり、上司や担当部署に確認しなければいけない場合もあります。
アルバイトコールスタッフの管理
アルバイトコールスタッフを複数抱えているコールセンターでは、正社員がアルバイトの管理を任されることもあります。アルバイトコールスタッフに仕事を教えたりシフトを作ったりします。
コールスタッフの応対品質を一定に保つため、アルバイトコールスタッフの教育・育成も正社員コールスタッフの仕事です。
ノルマ管理
アウトバウンドではノルマが課されていることも珍しくありません。
ノルマは「1日にかける架電数」「会話ができた電話の件数」のほか「アポイント数」「受注数」の場合もあります。
これらは、チーム全体のノルマと個人のノルマがあります。正社員コールスタッフは、個々のコールスタッフがノルマを達成できているかどうかをチェックし、ノルマ達成が難しいスタッフにはアドバイスや指示を行います。
マニュアル作成
正社員コールスタッフの仕事には、トークスクリプトや受電・架電の流れ、電話が終わってからのデータ入力の仕方などのマニュアル作成も含まれています。
マニュアルを基にコールスタッフが業務を行うため、マニュアルが不完全だと成果を挙げられません。そのため、一定の期間ごとにマニュアルを改善してブラッシュアップしていく作業も必要です。
正社員コールスタッフの待遇
正社員としてコールセンターで働いた場合、どのような待遇を受けることができるのでしょうか。
給料
正社員コールスタッフの給料は、働いている地域や役職などによって異なりますし、インセンティブの有無によっても金額は左右します。
そこで、平均的なコールスタッフの給料としてdodaの年収データを紹介します。
・カスタマーサポート全体:309万円
・20代:288万円
・30代:325万円
・40代:341万円
・50代~:350万円
コールスタッフの項目がなかったため「カスタマーサポート」を参考にしていますが、全体での平均額は309万円となっています。これは月額に換算すると25.75万円となります。
SVやマネージャーなどの管理者になると、さらに年収アップが期待できるでしょう。
賞与
正社員として働いているコールスタッフには、既定の賞与(ボーナス)を与えている会社も多く存在します。
契約社員やパート・アルバイトの賞与は少なかったり、全くもらえなかったりする場合もあります。しかし、正社員として働いていると多めに賞与をもらえる点はメリットとなるでしょう。
その一方、賞与の代わりにインセンティブ制度を取り入れている会社も少なくありません。インセンティブ制度は個人の努力次第で得られる金額が変わるため、モチベーションアップにもつながります。
各種社会保険
正社員コールスタッフは、会社の社会保険に加入することができます。健康保険・厚生年金・雇用保険などの各種社会保険に加入できるため安心して働けます。
会社によって退職金制度がある場合も
会社によっては退職金制度を導入しており、退職に際して退職金を受け取れる場合もあります。定年退職でなくても受け取れることもあるため、就業規則を確認しておきましょう。
会社によって異なりますが、たいていの会社では退職金の金額は勤続年数によって変動します。長く勤めるほど退職金が高くなる傾向です。また「退職金を受け取るためには3年以上働かなければいけない」などの規定が設けられている会社もあります。
さらに、退職金の金額は退職の理由によっても変わる場合があり、会社都合だと自己都合よりも多く支払われることが一般的です。
正社員コールスタッフとして就職するには?
正社員のコールセンタースタッフはどのように応募すると良いのでしょうか。正社員コールスタッフとして就職する方法を紹介します。
人材紹介サービスを使う
1つ目の方法が、人材紹介サービス、いわゆるエージェントサービスを利用する方法です。
人材紹介サービスでは、自分のスキル・経験やニーズに合っている求人情報をマッチングしてくれるため、入社後のミスマッチが起きにくいというメリットがあります。
求人サイト経由で応募する
求人サイトで公開されている求人情報から応募する方法もあります。スマホやパソコンで求人サイトを確認して、希望に合った求人情報から応募するだけなので、手軽に就職活動ができます。
アルバイトから正社員になる
正社員登用制度を導入している会社で、まずはアルバイトとして働くのも一つの手。アルバイトとして経験を積んでから、慣れ親しんだ環境で正社員になれます。
ハローワークで探す
ハローワークでも正社員コールスタッフの求人情報が出ていることがあります。こまめにハローワークに足を運び、情報収集をしましょう。
まとめ
正社員コールスタッフは架電・受電業務だけでなくさまざまな仕事を任され、うまくいけばマネージャーやSVなどの役職に就くこともできます。
コールスタッフはクレームやトラブルの対応が必要になる場面もありますが、お客さまに感謝されたり売上に貢献できたりするやりがいのある仕事です。
正社員コールスタッフとして働き、キャリアを磨いてみてはいかがでしょうか。