在宅ワークにはさまざまなメリットがあります。朝、決まった時間に通勤する必要がありませんし、自分のペースで仕事を行うことができます。人間関係の煩わしさからも解放されて、居心地の良い自宅を仕事場にすることもできます。
にもかかわらず、実際に始めてみると「ストレスがたまる」という声も。一体、何が原因なのでしょうか。在宅ワーカーが溜めやすいストレスの原因と、それらの解消法をご紹介します。
在宅ワークはストレスが溜まりやすい!?
通勤や、人間関係からくるストレスから解放され、快適に働けるはずの在宅ワークですが、いざ始めてみると通勤していた時とは異なるストレスに悩まされるというケースもあるようです。実はこの自由さがストレスの原因なのかもしれません。
在宅ワークでストレスが溜まる原因
在宅ワークでストレスが溜まる原因は一体何なのでしょうか。原因が分かれば、対策をたてて快適に仕事ができる環境を作ることもできます。
在宅ワークでストレスが溜まる具体例をご紹介します。
生活リズムが乱れやすい
在宅ワーカーは毎朝早起きして会社へ行く必要がありません。納期を守ればいつ仕事をしても良いといった業務内容の場合などは特に生活のリズムが乱れやすい傾向にあります。朝起きて夜は休むというリズムが崩れると心身共に不調が起きやすくストレスの原因へとつながります。
運動不足で太りやすい
会社へ出社していた時に比べれば、自由な時間が確保できるので運動の時間が取れて健康的な生活が送れそうなイメージがありますが、実際のところでは仕事ばかりになってしまい全く外出できていないという人も多いようです。
オフィスワークと同じ仕事をしているとしても、在宅ワークでは出社時や退社時の移動の時間がありませんので、太ってしまったという声や、肩こり腰痛があるという声も聞かれます。
パフォーマンスが上がりづらい
自宅にいるとつい仕事以外のことが気になってしまい、仕事のパフォーマンスが上がらないということもあります。
まわりに「人の目」があるから緊張感を持って集中できているというタイプの人は、在宅ワークに慣れるまでに時間がかかるのかもしれません。仕事が捗らないとストレスになってしまいます。
孤独感を覚えやすい
1日在宅ワークをしていると「最近、誰とも話をしていない」ということに気がつき、孤独感を覚えるということがあります。オフィスワークをしていた時のように、休憩時間に雑談をするといったような人とのコミュニケーションが無くなるからです。
その人にもよりますが、適度におしゃべりをしたり笑ったりということをしないとストレスを感じる場合があります。
家族に遠慮してしまう
家族と一緒に暮らしている場合、在宅ワークを行っているとはいえ、家族のペースが中心になってしまいがちです。
また、すぐそばにいるため何かと当てにされてしまいがちとなり仕事が計画通りに進められないような状態が続くとストレスの原因になるでしょう。
ついサボってしまう
オフィスワークの場合、勤務時間が決まっており、同僚や上司の目もあるので「サボる」ということは難しいものですが、その点、在宅ワークはその気になればサボり放題です。
しかし、サボってばかりでは成果を上げることができませんし、納期を守れないようなことがあれば信頼も失ってしまいます。また、自分をコントロールできないことに対して自己嫌悪に陥ることもあります。
コミュニケーションが取りづらい
在宅ワークでは他のスタッフとの気軽なコミュニケーションが取りづらくなります。
今は一昔前に比べると、さまざまなコミュニケーションツールが存在しているので改善されてきてはいますが、些細な内容を確認したいだけなのに手間や時間が掛かり自分の仕事を進められないような状況が度々生じるとストレスが溜まってしまいます。
相談できる相手がいない
仕事を進めていくうえで、誰かに話を聞いてほしいということや、アドバイスが欲しいと思うことは頻繁にあります。しかし、在宅ワークの場合、その相談できる相手がいません。
困った時だけではなく、仕事がうまくいった時などに喜びを共感できる仲間がいないということは、仕事のモチベーションも下がってしまいます。何事も自分で解決していかなければならないという状況は、ストレスが溜まるものです。
在宅ワークのストレスを解消する方法
ここまでご紹介してきたストレスは生活リズムや環境に少し工夫をすることで解消できる内容もたくさんあります。快適な在宅ワークを実現するために、ぜひ取り入れてみてください。
適度に運動をする
在宅ワークで全く体を動かす機会が減ってしまうと、筋力の低下や心肺機能の低下につながるだけでなく、ストレスを解消することができません。在宅ワークをするのであれば、適度に運動する習慣を身につけましょう。
空いた時間にやろうとすると、習慣づけることができないので、決まった時間に行うことをおすすめします。近所の散歩をするだけでも、十分な運動になりますし、最近ではオンラインで受講できるエクササイズレッスンも人気です。
時間を区切って仕事をする
人間は深く集中できる時間が15分、集中力を保てる時間は子供は45分、大人は90分までだと言われています。それ以上に連続して作業を行おうとすると、かえって作業効率が悪くなるものです。集中力には個人差もありますが、長時間続けて作業を行わず、時間を区切って仕事をするようにしましょう。
仕事のリズムを一定にすることで、パフォーマンスも向上します。
書斎を作るなど環境を整える
どのような場所でも行えることが在宅ワークのメリットですが、集中できずにストレスが溜まるようであれば、書斎を作るなど働く環境を整えることをおすすめします。
つい他のことが目に入ってしまい集中できないという人は、最低限のものだけを置いたシンプルな部屋や、自分だけのスペースを作ると作業効率を上げることができます。集中したい時はカフェに行くなど、自分に合った環境作りも良いでしょう。
コミュニケーションを積極的に取る
人とコミュニケーションを取らずにいると、大きなストレスとなりメンタルヘルスの不調へとつながります。運動と同じく、積極的にコミュニケーションを取る時間を作りましょう。
人に話を聞いてもらったり、笑ったり、たまには愚痴をこぼしたりするという、一見重要に感じないことが、実は心の健康には非常に重要なのです。今は、無料で利用できるビデオ通話ツールも多く存在しているので、気軽に利用していきましょう。
プライベートとのオンオフを意識する
在宅ワークだとつい仕事が気になってしまいオーバーワークになりがちな人は特にプライベートとのオンオフを意識してください。
1日の中での始業時間などは自分で設定できるので、仕事の時間とプライベートな時間をキチンと決めてリズムを整えることが大切です。毎日仕事をして心と体の疲れを溜めないよう、休日も決めて計画的に生活してみましょう。
部屋の加湿や換気を行う
集中して仕事をしているとつい忘れがちになるのですが、部屋の湿度が低いと目や喉が乾燥して集中できないということがストレスの原因になることもあります。
加湿だけでなく、換気で部屋の空気を入れ替えることでも気分をリフレッシュできます。時間を決めて喚起を行い、常に快適な環境を保つように心がけましょう。
食事に気を遣う
在宅ワークをしていると、仕事が一区切りついてから食事をしようなど、つい後回しにして考えてしまいがちです。しかし、食べるということは健康の基本ですから、キチンと規則正しく取るようにしましょう。
在宅だからこそ、毎食の食事に手をかけることができるというメリットもありますから、食事の時間を充実させ楽しむことは気分転換にもなります。また、運動量が少なくなりがちな在宅ワークですから、ヘルシーな料理にするなど食事に気を使うことが必要です。
自分なりのリフレッシュ法を考える
在宅ワークを効率的にストレスなく行うためには、気分転換をすることが重要になります。スポーツや映画鑑賞など、自分の趣味がある人は積極的に行うなどして自分なりのリフレッシュ方法を考えましょう。
気分転換方法はそれぞれ異なります。自分自身が楽しめる方法を見つけてみましょう。
デスクや椅子を買い替える
上手に在宅ワークをしている人は、椅子やデスクにこだわる人が多くみられます。長時間作業を行うことになるので、できるだけ身体に負担がかからないようにすることが重要だからです。
仕事に集中できずにストレスが溜まっているのであれば、これらを買い替えてみてはいかがでしょうか。肩こりや腰痛防止にもつながり、快適に作業をすることができます。
オフィスワークの時は「人に会うこと」や「人と同じ行動をすること」がストレスの要因になりがちでしたが、在宅ワークの場合では真逆の「人に会わないこと」や「人の目がないこと」がストレスになるのです。このストレスは放置しておくと心の健康を脅かすことにもなりかねません。
快適に効率的に在宅ワークを続けるためには、上手に解消しながらストレスと付き合っていくことが大切になります。リフレッシュ方法は人によって異なりますので、まずは自分なりのストレス解消方法を見つけることが重要になりそうです。