最近耳にする機会の増えた「ワーケーション」とは、「ワーク=仕事」と「バケーション=休暇」を組み合わせたことばで、新しい働き方のひとつです。
リモートワーク・テレワーク、在宅業務が広がる中、このワーケーションも注目を集めています。
これからワーケーションを始めようとする方必見!今回は、ワーケーションのデメリットについてみていきます。
楽しいばかりじゃない?ワーケーションで気を付けたいデメリットをご紹介
ワーケーションのデメリット
働き方改革の一環として推進される「ワーケーション」は、オフィスから離れたリゾート地や帰省先などで、休暇を取りながらリモートワーク・テレワークをする働き方です。
ワーケーションには、長期の休暇が取得しやすくなる、リフレッシュすることで仕事へのモチベーションがアップする、地域の活性化につながるなどのメリットが挙げられます。
では、デメリットは何でしょうか。
コストがかかる
「ワーケーション」に限らずリモートで仕事をするには、Wi-Fiなどの安定したインターネット環境や、パソコンなどのハードウェアやソフトウェアを用意する必要があります。
ワーケーションを認める社員全員に用意することを考えるとやはり、導入費用やその後の運用コストがかかってしまいます。
インターネット環境が不安定
ホテルや旅館など宿泊先のインターネット環境を使用する場合には、途中で接続が切れてしまったり、通信速度が遅かったりすることで、業務に支障をきたすことがあります。また、モバイルルーターを使用する場合でも、山の中など立地によっては十分な速度が出ないことがあり、注意が必要です。
セキュリティ面での不安が残る
オフィス以外の場所での業務では、やはりセキュリティ面での対策不足が懸念されます。
業務で使用する個人情報などの運用ルールの徹底や、会社から支給されたパソコンや携帯電話の紛失対策なども必須です。
労務管理がしづらい
ワーケーションに限らずリモートワーク、テレワーク、在宅業務全般に言えることですが、社員の労働時間の管理が難しくなることは間違いありません。
どのように把握し管理していくのか、また成果物の発生しない業務の進捗管理・評価なども課題となるでしょう。
コミュニケーションが取りづらい
こちらもまたワーケーションに限ったことではありませんが、対面でなくリモートで仕事をする場合には、社員同士のコミュニケーションが取りづらくなるため、ツールを活用するなど対策が必要です。
緊急案件に対応しづらい
緊急案件が発生した場合、手元に必要な資料やデータがなく対応できないケースもあるでしょう。
また、対応できる場合でも、緊急対応が休暇日や業務時間外まで及ぶこともあるため、ワーケーション中の緊急案件対応は事前のルール作りが必要でしょう。
ワーケーション導入のポイントとは
ここまでワーケーションのデメリットを挙げてきましたが、実際にワーケーションを開始する際にはこのようなデメリット対策が重要です。
具体的な導入のポイントを見てみましょう。
従業員個人のパソコンに頼らない
ワーケーション中、社員個人が所有するパソコンで業務を行うことは望ましくありません。会社支給の社用パソコンを準備しましょう。
セキュリティソフトの導入はもちろん、OSやアプリケーションのバージョン管理、インストール権限の制限などを設定しておくことによって、不正アクセスやウィルス対策になります。
ホテルや旅館のWi-Fiを使わない
安全なインターネット回線の確保が必須です。滞在先のホテルのインターネット回線を利用することでウィルスに感染する可能性もあるため、会社から専用のモバイルルーターを貸与するなどしましょう。
社内イントラネットを活用する
パソコンやUSBドライブにデータをダウンロードし、社外へ持ち出すことがないよう、イントラネットを活用しましょう。
業務に必要なデータは社内イントラネットに格納しておけば、パソコンなどの盗難や紛失の際の情報漏洩対策になるでしょう。
ワーケーション先での怪我や病気へのリスクマネジメントをする
ワーケーション中の事故による怪我は、業務上の災害であれば労災保険給付の対象となりますが、私的行為が原因のものは、業務上の災害とはならず、健康保険を利用することになります。
ワーケーションの場合、旅行先や帰省先で気が緩みがちです。ワーケーション中の怪我や病気に関しては、社員への注意喚起を必ず行いましょう。
人事労務管理ソフトを導入する
ワーケーションを利用する社員と通常業務の社員との間の公平性を保つためにも、労働時間を正確に把握することが求められます。
社内システムのアクセスログを利用するなどして客観的な労働時間の把握・管理を行いましょう。
どこまで経費で落とすか明確にする
ワーケーション中に発生する経費の負担も、事前に明確にしておきましょう。どこまでを経費と認めるのかだけでなく、費用は実費を会社が精算するのか、一律で手当を支給するのか、すべて社員の自己負担とするのか、負担の割合も明確にしておく必要があります。
ワーケーション用就業規則を制定する
ワーケーション中の業務に関する就業規則を整えましょう。ワーケーションで行う業務内容、取得できる日数や時間数、業務中の禁止事項などを定めます。
就業規則は、ワーケーションを行う社員だけでなく全社員に周知することが大切です。
参考サイト:企業向けワーケーション導入ガイド(一般社団法人 日本経済団体連合会)
下手なワーケーションは不満を生むかも…
ワーケーションを導入しても、事前の社員教育や、充分な課題対策が整っていない場合には、メリットどころか不満のタネになってしまうかもしれません。
正しく人事評価してもらえない不満
ワーケーションだけでなくリモートワークでは、社員の働きぶりを直接確認できないため、評価が難しくなります。評価される側の社員も、正当な評価がされないという不安が生じます。
スケジュール管理ツールなどを活用し、社員の予定や業務内容を可視化することは有効な手段のひとつでしょう。
従業員間での不平等感
ワーケーションの場合、リモートワーク可能な業務を担う社員にしか認められないなど、社員間に不公平感が生まれやすいです。
できる限りワーケーションの機会を平等に割り振り、社員間のコミュニケーションツールを活用するなどしましょう。
能率・効率の低下
また、オフィスのように快適な仕事環境が整っていない場合には、モチベーションや生産性が下がることもあります。
セキュリティ対策を施した社用PC、専用モバイルルーターの貸与に加えて、リモートワークで使用する各ツールの研修などを行うことも役立つでしょう。
まとめ
仕事しながら休暇をとる。「ワーケーション」は新しい働き方のひとつとして注目されていますが、ワーケーションを導入する際には、セキュリティ対策、就業規則の整備などを万全にしておくことで、そのメリットを享受できるでしょう。
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