会社勤めのかたわら副業を始めるとき、気になるのは勤め先に副業がバレることではないでしょうか?「こんなことをしていてバレたらどうしよう」「バレたらどうなるんだろう」と不安を抱きながら仕事をするのは、精神衛生上よくありませんよね。
今回は副業が会社にバレる主な原因やバレたときのリスク、バレることを防ぐための対策を解説します。バレにくいおすすめの副業も紹介しているので、ぜひ副業選びの参考にしてください。
会社員の副業がバレる3つの理由
まずは会社員の副業がバレる原因を見ていきましょう。主なパターンは以下の3つです。
- 住民税からバレる
- 副業しているところを見られてバレる
- 噂話でバレる
それぞれのポイントを解説します。
住民税からバレる
副業は住民税からバレるケースが多いので要注意です。住民税は本業と副業の所得を合計して、1年間の税額を計算します。そのため、本業と副業それぞれの会社から支払った給与の額を自治体に提出し、算出された住民税額が本業側の会社に通知されるシステムになっています。
本来の給与の額から考えて多すぎる住民税を見て、本業側が従業員の副業に気づく可能性は高いでしょう。誰にも言わずに秘密にしていたのに何故か会社にバレてしまうのは、このように自分が知らないところで収入や税金の情報が行き来しているためです。
副業しているところを見られてバレる
特に気まずいのが、副業の勤務中に本業の知り合いに出会うなどして、実際に仕事しているところを見られてしまうパターンではないでしょうか。
例えば、近年人気のフードデリバリーの仕事は、自分で配達先を選べませんよね。たまたま知り合いの家に届けることになってしまう可能性もゼロではないでしょう。他にも店舗型サービスの副業に従事していたり、施設の警備員のアルバイトなどをしていても、知り合いに遭遇する確率は高くなります。
同僚に副業の現場を見られるのはお互いに気まずく、本業でのコミュニケーションにも差し支える可能性があるので、何としても避けたいところです。
噂話でバレる
社内の噂話から上司の耳に入ってしまうのも、よくあるパターンです。本人は信頼している同僚1人だけに話したつもりでも、気づけばオフィス全体に噂が広まっていたというケースも。
副業で収入が増えると嬉しくなり、つい誰かに話したくなるでしょう。しかし、周りよりお金を稼いでいると、それを妬む人が出てくるのは必然です。特に副業禁止の会社で副業していれば「ズルいことをして稼いでいる」という印象を与えます。副業が軌道に乗ってきたときは、改めて気を引き締め、会社にバレないよう控えめに振舞うほうがよいでしょう。
副業していることが本業にバレるとどうなる?
では副業が会社にバレた場合、どのようなリスクが考えられるでしょうか。副業は基本的に労働者の権利として認められているため、会社に損害を与えていない限りは、それ自体を理由に懲罰を受けても裁判で覆せる可能性はあります。しかし現実問題としては、以下のようなリスクが考えられます。
- ペナルティを受ける可能性
- 損害賠償を負う可能性
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ペナルティを受ける可能性
副業禁止の会社で副業がバレた場合は、何らかのペナルティを受ける可能性があります。軽度な場合は、口頭での注意で済むでしょう。しかし、会社に与えた影響が深刻だと判断された場合、減給や減俸、役職者であれば降格処分を受けるなどが考えられます。最悪の場合、自主退職を促されてしまうかもしれません。
本職に支障をきたした場合や、会社の不利益になる行為をした場合をのぞき、過去の判例ではこれらの処分を裁判で覆せるという見方が一般的です。しかし、ペナルティを受けたことで、会社に居づらくなる事実は変わりません。就業規則を尊重する姿勢は大切です。
損害賠償を負う可能性
就業規則違反だけでなく実際に会社に損害を与えてしまった場合は、より深刻な事態に発展します。会社から損害賠償を請求されるケースです。
例えば同業他社で副業してしまったり、副業として会社と同業のビジネスを新しく立ち上げたりすると、競業避止義務違反にあたります。この場合は、会社は従業員に対して損害賠償を求めることができます。また、懲戒免職処分になる可能性が高いでしょう。
会社員には定められた業務をこなすだけでなく、会社の利益に貢献する義務があります。自分が始めようとしている副業が、義務に反するものでないかは、慎重に検討しなくてはなりません。
本業に副業がバレないための3つの対策
副業禁止の会社においては、できるだけ副業を隠しておくのが無難です。ここでは本業の会社に副業がバレないようにする、有効な3つの対策を紹介します。
- 確定申告する
- 住民税は個人で納付する
- 副業している事実を話さない
それぞれ具体的に見ていきましょう。
確定申告する
副業で得た所得は、必ず確定申告しましょう。「確定申告すると、会社に副収入がバレるかもしれない」と不安に思う人もいるかもしれません。しかし、むしろ確定申告は会社にバレるのを防ぐためにも必要な手段です。後に詳しく解説しますが、確定申告で適切な手続きをすれば、先ほど述べたように住民税から会社にバレるのを防ぐことができます。
いずれにせよ副業の所得が20万円を超えると、確定申告の義務が生じます。これに違反するとペナルティで追徴課税などが発生するので、副業と確定申告はワンセットで考えることが大切です。
住民税は個人で納付する
住民税を個人で納付すれば、会社に副業分の収入を知られずに済みます。住民税の納付方法は、特別徴収と普通徴収の2種類です。特別徴収とは給与から天引きされるスタイルで、副業が給与所得の場合は原則としてこちらが適用されます。一方の普通徴収は自分で住民税を納付するスタイルで、給与ではなく報酬として雑所得を得ている場合に選択できます。
確定申告で「住民税を自分で納付する」の欄にチェックを入れると、住民税の額が会社ではなく本人に直接通知されます。こうして住民税が自動的に会社に通知されるのを防ぐことができるのです。
副業している事実を話さない
特に気をつけたいのは、うっかり副業の事実を会社で漏らさないことです。コツコツと副業を頑張って収入を増やすのに成功すると、他人からも評価してもらいたいと感じるでしょう。お酒の席で気持ちが大きくなって、つい自慢したくなる人もいるかもしれません。しかし、ちょっとした気の緩みで副業がバレてしまうと、先ほど解説したようなペナルティを受ける可能性があります。
副業している事実はもちろん、収入が増えたことも会社では話さないようにしましょう。匿名のSNSなら大丈夫と考える人もいますが、知り合いが見ると誰のことかわかってしまうケースは少なくありません。ネット上でもリアルでも、副業の話は一切出さないようにしておくのがおすすめです。
本業にバレにくい副業とは?
次にバレにくい副業をいくつか紹介します。会社員でも安心して取り組みやすいのは、以下の3つのタイプです。
- 在宅でできる仕事を選ぶ
- 家に眠っている不用品を売る
- 株式やFXなどの投資を選ぶ
それぞれ詳しく解説します。
在宅でできる仕事を選ぶ
副業禁止の会社で働く人におすすめなのは、クラウドソーシングやスキル販売サイトを活用した、在宅でできる仕事です。在宅可能な仕事であれば、副業しているところを同僚や知人に見られる心配はありません。自分から副業のことを話さない限りは、秘密にしておくことが可能です。
さらにクラウドソーシングやスキル販売で得た収入は、給与ではありません。個人事業主として得る報酬の扱いになるので、住民税を給与天引きの特別徴収ではなく、会社に知られず個人で納付する普通徴収で納めることができます。
現在では、クラウドソーシングやスキル販売サイトにさまざまな仕事のニーズがあります。Webデザイナーやプログラマーなどの専門職から、データ入力などの単純作業まで自分のスキルレベルに応じて選べます。また、カメラやイラストといった趣味の延長線上の仕事もあるので、副業に楽しく取り組むこともできるでしょう。
関連記事:週1副業ならスキルシェアサービスがおすすめ!会社にバレないための対策も解説
家に眠っている不用品を売る
単発で手軽に副収入を得るなら、不用品を売って稼ぐのがおすすめです。家にある不用品の販売は、ビジネスにあたらないため、課税もされません。
副業を禁止している会社でも、フリマアプリなどで不用品を売るのは副業とみなさない場合がほとんどです。不用品が売れればまとまった収入が得られるうえに、家の中も片付いて一石二鳥といえるでしょう。
ただし、同じフリマアプリでの収入であっても、販売を目的として購入した商品を売るのは転売に該当します。所得20万円を超える転売は立派なビジネスであり、中古品を扱う場合は免許も必要になりますし、課税もされます。会社でも転売は副業とみなされる可能性が高いでしょう。
不用品販売でお金が入ると、転売を始めてもっと稼ぎたくなるかもしれません。しかし、副業禁止の会社に在籍中、転売をするのは慎重になったほうがよいでしょう。
株式やFXなどの投資を選ぶ
本業以外で大きな副収入を得たい人には、株式やFXなどの投資もおすすめです。投資は副業に該当しないため、全面的に副業を禁止されている公務員であっても手がけることができます。
投資を始めとした積極的な資産運用は、現在は奨励される傾向にあり、初心者にも始めやすいさまざまな商品・サービスが展開されています。
ただし、株の売買にのめり込んでしまうと、本業の勤務時間内にもこっそり株の値動きをチェックしたくなるかもしれません。チェックばかりに気を取られて本業に支障をきたすと、当然会社から厳重注意などのペナルティを受ける可能性があるので気をつけましょう。
現金手渡しの副業が安全とは限らない
副業が会社にバレないように、現金手渡しの仕事をしようと考える人は多いものです。しかし、実は給与の支払い方法と会社にバレにくいかどうかには、ほとんど関連性がありません。
口座に振込の記録が残らなくても、副業先の会社には公的な給与の支払記録が残っています。さらに現金手渡しであっても、所得に応じて各種の税金がかかります。住民税から本業の会社に副業がバレてしまうことは前述した通りです。
ポイントは給与の支払い形態ではなく、副業の収入が「給与」なのか「報酬」なのかです。給与所得である限りは、現金手渡しであっても会社にバレるリスクが高まります。報酬として得た雑所得を、個人で申告するのがおすすめです。
まとめ
副業禁止の会社でどうしても副業したいなら、給与所得ではなく雑所得扱いになる仕事を選びましょう。住民税を自分で納付して、作業は自宅で行うようにすれば、副業がバレるリスクを大幅に減らせます。
副業する人が急増している現在、クラウドソーシングサイトにもスキル販売サイトにも、それぞれのスキルに応じた多様な仕事が溢れています。また単発で収入を得るだけなら不用品販売、長期的な資産運用の観点では投資という選択肢もあります。
いずれにせよ、副業はあくまでも本業に支障をきたさない範囲で取り組む心構えが大切です。会社員として働いている以上、会社に不利益をもたらさない義務があることを忘れないようにしましょう。
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