「正社員として本業1本で働く」「2つの仕事を掛け持つ」「フリーランスとして活動する」など、近年では働き方が多様化しています。なかには独立したいと考えている人もいるでしょう。
しかし、安定した職場を退職して、いきなり起業するのはリスクが大きいですよね。そこでおすすめが、副業からのスタートです。今回は副業から始めるのがおすすめの理由4つと、独立・企業を狙える仕事を7つ紹介します。成功させるためのポイントにも触れているので、将来的に独立を考えている人はぜひ参考にしてください。
独立・起業したいなら副業から始めるのがおすすめの理由4つ
いきなり独立せず、副業から始めるのがおすすめの主な理由は4つあります。
- 金銭的リスクが少ない
- 開業資金を準備する余裕がある
- 自分に合うかどうか見極められる
- 副業で身に付けたスキルは本業でも活かせる
これまでは副業を禁止している企業が多く、独立・起業したいなら退職する必要がありました。しかし、近年は大手企業をはじめ、副業を許可する動きが増加しています。リスクを減らすためにも、まずは副業から始めてみませんか?それぞれ詳しく解説します。
副業・兼業の促進に関するガイドライン|厚生労働省
個人で事業を始めたとき/法人を設立したとき|国税庁
1.金銭的リスクが少ない
独立・起業の場合、正社員のように最初から安定した収入を得られるとは限りません。退職して独立する従来の方法では、収入源が一つしかないため事業で思うように利益が得られなかった場合に無収入となるリスクがありました。
もし無収入の状態が続けば、私生活にも大きな影響を与えますよね。家族がいる場合は、なおさら大変です。なかには独立をあきらめて、再び就職活動せざるを得ないケースもあったでしょう。
しかし、本業を辞めずに副業から始めれば、安定した収入源を手放す必要がありません。最低限の生活費も確保できるでしょう。金銭的に余裕を持って事業活動できます。精神的な負担も少ないのではないでしょうか。
2.開業資金を準備する余裕がある
最近では店舗を持たないネットショップ運営など、少額から始められるビジネスも増えてきました。とはいえ、独立したら何かと資金が必要です。しかし、銀行に行って希望する額の融資を受けられるとは限りません。特に最初は事業の実績がないため、断られてしまうケースもあるでしょう。
すでに開業資金を貯めているならよいですが、そうでない場合は副業から始めて本業で得た収入の一部を開業資金として貯めていくのがおすすめです。安定した収入があれば、計画的に開業資金を貯めやすいでしょう。
「1年で50万円貯める」「少しずつ事業に必要な設備に投資していく」「ボーナスは半分以上、開業資金として貯める」など目標を決めていけば、よりスムーズに貯められますよ。
3.自分に合うかどうか見極められる
自分に合うかどうか見極められるのも、副業から始めるメリットの一つです。「独立したは良いけれど、自分には合わなかった」「思ったより世間の需要がなかった」「やりがいを感じられない」など、実際に始めてからこそ見えてくることもあります。
その場合は、続けるのが苦痛ですよね。かといって、他に収入がなければ簡単にやめることもできません。つまり後戻りできない状態になってしまう可能性があるのです。本業をやめずに副業から始めれば、ダメだと感じたときにすぐやめられます。
自分に合っているのか、世間的に需要があるかどうかをじっくり見極められるため「こんなはずじゃなかった」というミスマッチも防げるでしょう。
4.副業で身に付けたスキルは本業にも活かせる
副業で身に付けたスキルは本業にも活かせます。副業は空いた時間を有効活用しながら活動していく必要があるため、自然と時間管理や作業を効率化するスキルなどが身に付くでしょう。これらは本業にも活かせるスキルですよね。
また、例えば副業でネットショップ運営を始めた場合、商品の仕入れから集客、発送から顧客とのやり取りまですべて自分でしなければなりません。売上を上げるためには需要のある商品を見極める力や魅力的な見せ方、集客のためのマーケティング知識も必要となるでしょう。
もし本業で販売員をしていた場合は、副業で身に付けたマーケティング力や見せ方のスキルが役に立つでしょう。本業でパフォーマンスをアップさせることができれば、新しいポジションを任されるなど選択肢が増えることもあるかもしれません。
副業から始められて独立・起業が狙える仕事7選
副業には多くの種類がありますが、ここでは独立・起業が狙えるおすすめの仕事を紹介します。
- 個人サロン
- ネットショップ運営
- 結婚相談所
- コンサルタント
- レンタルスペース運営
- プログラマー
- Webデザイナー
それぞれの特徴を解説します。自分にできそうだと感じたら、検討してみてはいかがでしょうか。
1.個人サロン
マッサージやカウンセリングなど、手に職を付けて独立したい場合は個人サロンをオープンさせる方法があります。大きな店舗を借りる必要はありません。例えば一度に1人の施術をするタイプのマッサージ店を開きたいなら、ベッド1台と備品が置けるスペースがあれば始められます。
もし自宅に空いている部屋があれば、そこをサロンとして使うのもよいでしょう。これなら余計なコストをかけなくても始められます。またヨガなどのレッスン、自分のノウハウを共有するスクールタイプであれば、オンラインサロンもおすすめです。
2.ネットショップ運営
店舗を持たず、少額から始められるネットショップ運営も人気の副業です。卸サイトから仕入れたものを売ったり、自分でオリジナルグッズやハンドメイド作品を作って売ったりして利益を狙います。
敷居が高いと感じる人は、まずメルカリなどのフリマアプリで不用品を販売して売る経験をしてみるのがおすすめです。慣れてきたら、BASEやカラーミーショップなどのサービスを使って自分だけのオリジナルショップを開設してみましょう。
将来的に独立を考えているなら、オリジナル商品の開発やプロデュースを考えるのもおすすめです。どんなものが売れるかを見極めるには、最新の市場を分析することも大切です。副業からいろいろ試して、売れる商品を探してみましょう。
3.結婚相談所
結婚相談所というと、大規模でハードルが高いと感じるかもしれません。しかし、副業からでも始められるビジネスです。必要なものはパソコンと電話だけ。場所を選ばずに働けるので、独立したい人に人気のビジネスです。
会員の相手探しから結婚までをサポートする仕事は、成婚した際に「ありがとう」と言われることも。幸せの手伝いができることから大きなやりがいも感じられるでしょう。まずは会員探しからスタートとなりますが、なるべく広告費用をかけないようにするのがおすすめです。SNSやブログ、周りの人に声をかけることから始めてみましょう。
4.コンサルタント
ITや金融など、専門的な知識を持っている場合、コンサルタントとして活動するのもよいでしょう。知識を必要としている人にアドバイスするのが主な仕事です。特別な資格は必要ありません。オンラインで始めれば、初期費用をほとんどかけずに始められます。
契約やクライアントの希望にもよりますが、週1日1時間~でも始められるので本業との両立もさせやすいビジネスです。副業のうちから少しずつ実績を積んでいけば、独立しても安定して収入を得やすいでしょう。
5.レンタルスペース運営
最近人気を集めているのが、レンタルスペースの運営です。「みんなで集まれる場所が欲しい」「週末だけセミナーに使える場所が欲しい」などの需要に応えるビジネスで、空いたスペースを有効活用できます。
賃貸だと借り手がつかない古い物件も、レンタルスペースであれば収益化しやすいでしょう。椅子やテーブル、Wi-Fiなどの必要設備を整えれば始められるため、少ない初期費用でスタートできます。
空いているスペースがなければ、レンタルスペース可能物件を借りるのも一つの方法です。初期費用はかかりますが、立地や条件が良ければ収益を出せます。将来的に複数のレンタルスペースを運営することを考えるなら、今から物件をいろいろ調べてみてはいかがでしょうか。
6.プログラマー
Webライターや動画編集など個人で独立できる仕事はたくさんありますが、なかでも単価が高い傾向にあるのがプログラマーです。IT業界に特化したクラウドソーシングサイトで案件を探すと、週3日の稼働で40万円〜を超えるものも複数ありました。仕事は主にWebサイトの構築や保守、アプリ開発などがあります。
さらにIT業界は常に人材不足です。需要が高いのでスキルを身に付ければ、今からでも安定した収入を狙える可能性があります。副業で1〜3年ほど実績を積めば、独立してもスムーズに仕事を得やすいでしょう。
7.Webデザイナー
Webデザイナーは、WebサイトやWebサービスのデザインをするのが主な仕事です。単純に見栄えが良いサイトを作成するだけではありません。訪問するユーザーが使いやすいように考えながらサイトをデザインしていきます。
まったくの未経験からいきなり独立するのは難しいので、まずはスキルを身に付けて副業から少しずつ実績を積むことが必要です。プログラマー同様に需要は伸びているので、実績を積めば独立しやすいでしょう。
副業から独立を成功させるためのポイント
副業から独立を成功させるためには、いくつかのポイントがあります。それが次の3つです。
- 明確な目標を立てる
- スキル向上を怠らない
- 積極的にアピールする
詳しく解説します。取り組む際に意識してみてください。
明確な目標を立てる
本業をこなしながら副業に取り組むことは、簡単なことではありません。漠然と作業するだけでは、途中で面倒になってやめてしまうこともあるでしょう。取り組む際は、最初に具体的な目標を立てましょう。
例えば「1年後に月間売上30万円を目指す」という目標を掲げれば、いつまでにどのような作業をするべきか、逆算して考えられます。続けるためのモチベーションにもつながるでしょう。
ポイントは、大きすぎる目標にしないことです。あまりに現実離れした目標だとイメージが湧かず、行動も起こしにくいでしょう。少し背伸びすれば達成できそうな目標を設定してみてください。
スキル向上を怠らない
独立したいなら、売りたい商品や技術のスキルだけでは足りません。税金に関する知識や経営スキル、集客のためのマーケティングスキルなど、身に付けなければならない知識がたくさんあります。
スキル向上を怠らず、実績をコツコツと積めば効率的に稼げる可能性が広がります。最初は大変に感じるかもしれませんが、副業のときから少しずつ磨いていきましょう。
積極的にアピールする
どんなに優れた商品でもサービスでも、ターゲットに存在を知ってもらえなければビジネスとして成立しません。自分の事業をSNSやサイトを通じて積極的にアピールしていきましょう。独立するなら営業力は欠かせません。
周りの人に声をかけてみるのもよいでしょう。「こんなビジネスを始めました」と伝えることで、周りの人が顧客を紹介してくれるケースもあります。ビジネスの特徴やサービス内容はどんどん発信していきましょう。
また信頼を得るために、あなた自身のことを発信するのもおすすめです。どのような思いや体験から事業を立ち上げたのかや、熱意を発信することで共感する人から依頼をもらえるケースもあります。
まとめ
独立・起業がおすすめの理由と副業から始められる仕事、成功のポイントを解説しました。副業が推奨されているからこそ、リスクなく独立を目指すチャンスです。いきなり独立を考えず、まずは副業から始めてみましょう。自分に合うかどうかも見極められますし、金銭的・精神的なリスクも減らせます。
副業から小さく始めて実績を積めば、独立する頃には自信もついているでしょう。いろいろ模索しながら、あなたに合ったビジネスを探してみてください。
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