将来起業を考えている場合の選択肢として、いきなり本業にするのではなく副業から始める方法があります。最近では本業の合間を活用して週末起業やプチ起業する人も少なくありません。副業から起業するメリットはいろいろありますが、一方でデメリットもあります。
今回は副業から起業するメリット・デメリット、注意点を解説します。起業に向いている副業や成功ポイントにも触れているので、将来起業を考えている人は、ぜひ最後までご覧ください。
副業から起業するメリットとは
副業から起業するメリットはいろいろあります。主なメリットは次の3つです。
・安定した収益があるため、リスクを抑えて始められる
・うまくいかなくてもリスクを最小限に抑えられる
・自由に仕事できる
それぞれ具体的に解説します。
安定した収益があるため、リスクを抑えて始められる
起業していきなり安定した収入が得られるとは限りません。副業から始める場合は本業の収入があるため、リスクを抑えて始めることが可能です。最低限の生活資金をキープしながら挑戦できるのは、大きなメリットといえるでしょう。
安定した収入があれば、スキルアップのためにスクールへ通うこともできます。金銭的な余裕があれば気持ちが焦ることなく、落ち着いて副業に挑戦できるでしょう。
うまくいかなくてもリスクを最小限に抑えられる
副業から始めれば、うまくいかなくてもリスクを最小限に抑えられます。仮に失敗しても本業による収入があるため、通常通りの生活が可能です。撤退もしやすいでしょう。
もし本業で起業して失敗した場合は、収入がゼロになってしまいます。そのため続けざるを得ない状態になることもあるでしょう。結果的に撤退のタイミングを見極めるのが難しく、リスクが大きくなる可能性があります。
副業であれば、思いついたアイディアを試しながら進められます。失敗しても経験と捉えて次に活かすことで、成功への道が開けるでしょう。
自由に仕事ができる
自分のペースで仕事ができることもメリットの一つです。いきなり本業から始めると、生活基盤をつくるために焦って事業を拡大させようとしてしまうかもしれません。ときにはその焦りが失敗へつながることもあります。
しかし副業であれば、生活基盤を維持した状態で進められるため、焦って事業を拡大する必要がありません。冷静な状態で事業を進められるでしょう。
副業から起業するデメリットとは
メリットが多くある一方、デメリットもあります。それが次の3つです。
・オーバーワークで体調を崩してしまう可能性がある
・会社にバレる恐れがある
・専門知識が必要になる
具体的に解説します。デメリットもしっかりと理解したうえで進めていきましょう。
オーバーワークで体調を崩してしまう可能性がある
副業で起業した場合は、本業と並行して進めていかなければなりません。1日の労働時間が必然的に増えることになります。本業が忙しい場合は、副業が大きな負担になることもあるでしょう。無理なスケジュールで進めようとすれば、体調を崩すリスクもあります。
副業で起業する場合は、無理のない範囲でスケジュール調整することが大切です。どのような副業を始めるか考える際、1日にどのくらいの作業時間が確保できるか明確にしておくとよいでしょう。
会社にバレる恐れがある
副業を認める企業が増えていますが、一方で禁止している企業も多いのが現状です。内緒で副業するのはおすすめしません。バレたときにペナルティが課せられる恐れがあるからです。最悪の場合、解雇となることも。
自分ではバレないと思っていても、社内の誰かに偶然見られたり、思わぬところからバレてしまうこともあります。副業の際は必ず社内の規定を確認しましょう。
また副業が認められていても、本業がおろそかになるようなことは避けるべきです。副業ばかりに気を取られて本業がおろそかになった場合、社内の人間関係が悪化する恐れもあります。給料や昇進に影響が出る可能性もあるので、バランスを取りながら進めていきましょう。
専門知識が必要になる
副業とはいえ起業すれば、さまざまなことを自分一人で進めていかなければなりません。そのためさまざまな知識やスキルを身に付ける必要があります。例えばプログラマーとして起業する場合、プログラミングの知識はもちろんですが、仕事を獲得するための営業スキルや、請求書発行・書類管理など事務スキルも必要です。自分で確定申告しなければならないため、税金や法律の知識も学ぶ必要があるでしょう。
特に税金関係は正しい知識を身に付けて正しく申告しないと、脱税とみなされることがあります。学ぶことが多くて最初は大変かもしれません。しかしそれらの知識は、将来さまざまな場面で役に立つでしょう。
副業から起業する際の注意点
メリットとデメリットを解説しました。これらを踏まえて副業から起業する際の注意点を以下の3つにまとめたので、参考にしてください。
・スケジュール管理をしっかりする
・税金について理解する
・融資が受けられない可能性があることを留意しておく
それぞれ具体的に解説します。
スケジュール管理をしっかりする
副業から起業するのであれば、スケジュール管理をしっかりしましょう。副業ばかりに力を入れすぎて、本業がおろそかになることは避けなければなりません。前述したように上司や同僚との関係が悪化したり、社内の立場に影響が出ることもあるでしょう。
また無理なスケジュールを組んだ結果、体調を崩す可能性もあります。副業はおろか本業もできない状態になっては、本末転倒です。限られた時間のなかでうまく調整しながら、両立していきましょう。
税金について理解する
通常、企業に雇用されて働いている場合は企業側が年末調整してくれるため、税金関係の申告は必要ありません。しかし本業以外の所得がある場合は、自分で確定申告する必要があります。
うっかり申告しないと「無申告」とみなされ、本来支払うべき税金に加えてペナルティが課せられる可能性があるので注意しましょう。副業するならば、税金の知識は必須です。知識を身に付けて正しく申告しましょう。
融資が受けられない可能性があることを留意しておく
副業するなら、融資を受けたいと考える人も多いでしょう。副業でも融資を受けることは可能です。例えば日本政策金融公庫の「新創業融資制度」は副業でも利用できます。ただし利用するためには審査を受けなければなりません。審査基準は以下の4点です。
・自己資金
・事業計画
・事業の経験や経歴
・信用情報
将来を見据えて副業するならば、活用を検討してはいかがでしょうか。ただし上記に問題や不備があるようならば、受けることは難しいでしょう。また融資を受けられない事業もあるので、自分がやる副業が対象外となっていないかチェックが必要です。もし融資の対象外となったら、自己資金のみで起業しなければなりません。その点は留意しておきましょう。
起業に向いてる副業とは
将来的に企業を考えているならば、おすすめの副業があります。それが次の4つです。
・アフィリエイト
・Webライター
・ネットショップ
・プログラマー
それぞれ解説します。
アフィリエイト
アフィリエイトとは自分のブログやサイトに広告を貼り、その広告がクリックされたり、広告を通じて商品やサービスが購入されたりした際に報酬が入る仕組みです。隙間時間に自分のペースで作業できることから、人気の副業となっています。
アフィリエイトは、始めてすぐに報酬が発生するわけではありません。続かずに挫折する人も多くいます。得られる報酬は1件当たり数円〜数万円程度ですが、多くの人に見られるようになれば、月100万円を超える報酬を得られる可能性も。コツコツと作業できる人に向いているでしょう。
Webライター
文章を書くのが好きな人なら、Webライターがおすすめです。クライアントの要望に沿って、Webメディアに掲載する記事を執筆します。他にも動画のシナリオを作ったり、書籍に掲載する文章を担当することも。
初心者の頃は文字単価が安い傾向にあり、思うように稼げないかもしれません。しかし実績を積んで高単価の案件を受けられるようになれば、月収50万円以上を稼げる可能性もある仕事です。
ネットショップ
家にいながら自分のお店を開けるのがネットショップです。ネットショップも人気の副業となっており、無料で簡単にショップが開けるサービスも増えてきました。仕入れた商品を売ることはもちろん、自分で作ったアクセサリーや洋服を売る事も可能です。
売る商品を準備しなければならないため、初期投資がかかります。そのため副業にかけられる資金がある人におすすめです。商品の見せ方や、購入率を研究しながらショップを磨いていくことで、高収入を目指せるでしょう。
プログラマー
需要が多くあり、報酬が高い傾向にあるのがプログラマーです。プログラミングやシステム構築などの専門的知識が求められますが、その分1件当たりの報酬は高いので、実績を積めば安定して高収入を得られるチャンスがあるでしょう。
始めはクラウドソーシングサイトなどを活用して、仕事を獲得するのがおすすめです。クラウドソーシングサイトは手数料がかかりますが、案件が豊富にあるため初心者でも実績を積みやすいです。実績がある程度できたら、自分でサイトを作ったり、SNSを活用したりして集客するとよいでしょう。
起業してから成功するためのポイント
副業から起業するためには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。それが次の3つです。
・しっかりと目標を立てる
・最初から期待しすぎない
・一人で抱え込まずに相談する
それぞれ解説します。
しっかりと目標と計画を立てる
副業を始める前には目標を明確にし、それに向けた計画を立てましょう。目標が明確でないと、どのくらい資金が必要かわからず、スケジュールも立てにくいです。また目標を持つことは、モチベーションの維持にも役立ちます。起業を考えたら、まずは以下の項目について考えてみましょう。
・起業の目的は何か
・どのくらい稼ぎたいのか
・資金はどのくらい必要か
・いつまでに目標を達成したいか
・どのように進めていくか
これらを明確にしておくことで、スムーズに進めやすくなるでしょう。
最初から期待しすぎない
起業したからといって、すぐに希望の収入が得られるわけではありません。例えばアフィリエイトは、サイトやブログの訪問者数を増やすために多くのコンテンツが必要です。そのため最低でも、半年は無収入の状態が続くと考えておいたほうがよいでしょう。
すぐに結果が出ることを期待しすぎると、挫折する原因となります。まずは稼ぐことよりも実績を積むこと、仕組みをつくることに集中するとよいでしょう。
1人で抱え込まずに相談する
いざ起業しようと思っても、最初はどのように進めていけばよいか分からない人がほとんどでしょう。どんなに慎重に分析や調査をして進めても、失敗することもあります。そのようなときは1人で抱え込まず、相談することも大切です。周りに起業して成功している人がいたら相談してみましょう。
もし周りにいない場合は、知人に紹介してもらったり、経営者が集まる交流会に参加したりするのがおすすめです。SNSなどで気になる経営者がいたら、思いきってメッセージを送るのもよいでしょう。第三者の意見を聞くことで、見えてくることもたくさんあります。ぜひ自分だけのメンターを見つけてみて下さいね。
まとめ
副業から起業するメリットやデメリット、注意点などを解説しました。本業と並行しながら副業で起業することで、リスクを最小限に抑えながら挑戦できます。生活基盤が安定していれば、気持ち的にも金銭的にも余裕をもって起業できるでしょう。
ただし無理なスケジュールや、知識ないまま進めれば、失敗のリスクが高まります。起業を見据えて副業に挑戦するならば、しっかりと目標決めて計画的に進めていきましょう。起業におすすめな副業はたくさんあるので、自分に合った副業を見つけてみて下さいね。