副業禁止の企業に勤めていても、副業に興味がある人もいるでしょう。収入アップのため、スキルアップのため、あるいは今の仕事にやりがいがないなど、人によって理由はさまざまです。
企業に隠れて副業すると決めたとき、多くの人が考えるのは「副業の給与を現金で手渡ししてもらったらバレないのでは?」ということではないでしょうか。この考えが落とし穴となって、本業とトラブルになるケースもあります。
今回は手渡しでも副業がバレてしまう理由と、企業にバレずに副業するおすすめの方法を解説します。本業も副業も気分良く続けていくために、企業に副業がバレるのは避けたいところですよね。この記事を読んで、対策の参考にしてみてください。
手渡しでもらっても副業がバレるケース
基本的に、給料手渡しと会社に副業がバレないことには何の関連性もありません。「会社にバレない副業がしたいから給料は手渡しで」と考えるのはやめておきましょう。なぜなら、自身の口座に振込記録が残らなかったとしても、副業先の企業には「給与支払報告書」という公的な記録が残されているからです。
さらに手渡しであっても本業に副業がバレる、税制上の仕組みやもっと身近なケースもあります。ここでは特に注意すべき2つの例を紹介します。
住民税により本業にバレる可能性がある
住民税の額によって本業に副業がバレるケースもあります。住民税については全部が企業任せで、システムをよく理解していない人も多いでしょう。しかし副業する以上、企業任せにするのは大きなリスクがあります。
住民税は本業と副業すべての1年間の所得を合算したうえで、自治体によってかかる税額が決定されます。何も対策しないでいると、その税額が本業の企業に通知されて、給与から天引きされるシステムになっているのです。
当然、企業は本業分よりも多い住民税の額を見て、従業員が副業していることを疑います。本業に副業分の住民税を通知されないようにする方法は、後ほど詳しく説明します。
同僚からバレる可能性がある
住民税よりもさらに頻繁に起こりえるのが、同僚からバレるケースです。心を許している同僚に気軽に話してしまう、飲み会で酔ってついポロっと喋ってしまう、さまざまな状況が考えられますが、どれも等しくリスクがあります。
なぜなら副業とは原則として収入アップのための手段であり、嫉みの対象となりやすいからです。自分が副業禁止ルールを真面目に守っているのに、破って自分より多い収入を得ている同僚がいるとすれば、誰でも良い気持ちはしないでしょう。また自分がうっかり喋ってしまったのと同じように、相手がお酒の席などで秘密を漏らしてしまう可能性もあります。
匿名でやっているSNSにも注意が必要です。実名を伏せていても、投稿した写真に映りこんだ物や、滞在した場所などから、職場の同僚にバレるケースは意外に多くあります。SNSが副業仲間との交流や、営業活動に必要な場合もあるかもしれません。副業用のSNSはプライベートのアカウントと切り離すようにして、関連した写真の投稿などは控えるようにしましょう。
副業の知恵袋!本業にバレずに副業する方法
次に本業に副業がバレないようにする対策を紹介します。税金に対する手続きから知恵袋的な心構えまで、主な方法は以下の5つです。
- 副業の住民税は自分で納める
- 誰にも副業のことは言わない
- 本業をしっかりやる
- 所得額を20万円以下に納める
- 給与所得のアルバイトを副業にしない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
副業の住民税は自分で納める
すでに述べたように、住民税は適切な対策を取らないと本業に副業がバレる要因となります。給与が手渡しでも、副業先の企業には給与の支払い記録があるので、行政は住民税の総額を把握可能です。
これを防ぐためには、副業分の収入を確定申告するとき、住民税の徴収方法の選択欄で「自分で納付」にチェックを入れなくてはなりません。何も記入せずに確定申告書を提出すると、本業に副業分も合わせた住民税の額が通知されるので注意しましょう。
また副業の所得が20万円以下の場合は、所得税の課税対象外なので確定申告をしないかもしれません。しかしそのような場合も住民税の納付は必要です。居住地の自治体に行って納付方法を相談しましょう。
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誰にも副業のことを言わない
副業について他人に話さなければ、本業にバレるリスクも低くなります。職場の人はもちろん、友人や知人に話したことが回り回って本業関係者に伝わらないとも限りません。できるだけ副業の話は控えるのが無難でしょう。
とはいえ誰とも副業について共有せず、1人で副業に取り組むのもおすすめできません。自分だけでやっていると、辞めるハードルも下がって挫折しやすいからです。収入が上がることを純粋に喜んでくれる関係性、例えばパートナーや家族には、副業の話をするのもよいでしょう。
副業用のSNSでも、同じ目標を持つ仲間を見つけられます。悩みを相談したり、励まし合ったりすることはモチベーションアップに繋がるでしょう。ただしプライベートの話をしたり実際に会ったりしてみると、実は知り合いだったなどのケースもあるので注意してください。
本業をしっかりやる
本業にバレないために大切なのは、本業の義務をしっかり果たすことです。副業が原因で欠勤が増えたり、疲労のために不注意なミスが増えたりすると周囲に怪しまれる原因となります。副業を始めてもスケジュールや体調はしっかり管理して、本業に支障をきたさないようにしましょう。
特に注意が必要なのは、副業が軌道に乗ってきたタイミングです。やるほど収益が上がるようになると副業が楽しくなり、つい本業の就業時間内にもサイトをチェックしたり、こっそり作業してしまったりするかもしれません。しかしこうした行為が発覚すると、企業との関係性が悪化してしまうでしょう。
また本業で使用するスマホやパソコンで作業していると、思いがけず情報漏洩のトラブルを起こしてしまう可能性もあります。企業に損害を与えて懲戒解雇や賠償金を請求されるケースもあるので、情報の取り扱いには十分に気をつけてください。
給与所得のアルバイトを副業にしない
すでに住民税の納付方法による対策は紹介しましたが、これは給与所得でないことが大前提となっています。なぜなら給与所得は住民税も天引きが原則で、自分で納付という選択肢が無いからです。必然的に住民税の総額が本業にも通知されることになります。
給与所得とは、雇用契約によって得られる所得のことです。給与所得のアルバイトの多くは時間単価制で、企業やお店などに出勤して決められた就業時間内で仕事をします。
これに対して住民税を自分で納付できるのは、雑所得や事業所得です。フリーランスとして業務委託の契約形態で得た所得がこれにあたります。クラウドソーシングサイトを通してデザインやデータ入力の案件を獲得したり、ブログ運営やフリマサイトの転売の収益も雑所得になります。企業に隠れて副業するなら、給与所得となる仕事はやめておき、雑所得や事業所得の副業を選ぶとよいでしょう。
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本業をやめずにできる副業・バレにくい副業
最後に本業にバレにくい副業を紹介します。副業禁止の企業に勤めていて、これから副業を選ぼうと考えている人はぜひ参考にしてください。おすすめするのは以下の6つです。
- 株式やFX
- メルカリ
- 不動産投資
- ポイントサイト
- クラウドソーシング
- アフィリエイト
どれも企業勤めの人の副業としてはメジャーで、すでに多くの人が取り組んでいます。それぞれの特徴やメリットを解説します。
株式やFX
株式投資やFXは、副業を禁止されている人が副収入を得るために、特におすすめの手段です。なぜなら多くの企業で、これらは副業ではなく資産運用とみなされているからです。
株式投資から得る利益には、値上がり益、配当金、株主優待の3つの種類があります。多くの人がイメージするのは、株価が上がったときに売却して得る値上がり益でしょう。しかし実は頻繁に株価をチェックして売り買いしなくても、持ち株に応じて支払われる配当金や株主優待で、安定した利益を得ることも可能です。
株式投資よりもリスクもリターンも大きいのがFXです。外貨取引で利益を得る投資で、預けた資金の最大25倍の取引ができるレバレッジというシステムがあります。取引額が大きい分、大きな利益を得られる可能性があり、相場を読むスキルを持ったトレーダーは高い収入を得ています。ただし取引額が大きいと失敗したときの損失も大きくなるので注意しましょう。
メルカリ
メルカリなどのフリマサイトで、不用品を処分して収益を得るのもダブルワークに挑戦しやすくおすすめです。日用品や衣服は生活動産と呼ばれ、使用目的で購入したこれらを売っても課税の対象外となります。企業としても不用品を売ってお小遣い程度の収入を得ていても、副業とはみなさない場合がほとんどでしょう。
ただし貴金属など時価30万円を超える高価な品は、生活動産には該当しないので注意が必要です。さらに貴重な書籍やコレクターグッズ、ブランドバッグなどの収益も課税対象となります。
気をつけなくてはならないのは、新品の商品を仕入れて高値で出品する、転売を始めるときです。不用品処分では安定した収入が得られないので、転売へと手を伸ばす人も多いですが、これは雑所得あるいは事業所得となります。企業でも転売は立派なサイドビジネスとみなし、従業員に禁止しているケースが多いので、バレないように注意しましょう。
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不動産投資
近年では企業勤めの人でも、副業として不動産投資を手がける人が増えています。企業でも不動産投資は株式投資などと同様に資産運用の一環として認められるケースが増え、資金さえあれば誰でも参入できるようになりました。
その背景には、不動産投資で副収入を得たい人のために、さまざまなサービスが生まれたことがあります。以前はマンション経営などの不動産投資は、集客や管理業務などの労働を伴うものでした。しかし現在では、それらを外部業者に委託できて、投資をしたあとは家賃収入やテナント料を受け取るだけでよくなったのです。
不動産を維持するための業務を外部に委託してしまえば、本業に支障をきたすこともありません。体力的な負担も無いので定年退職後も月々まとまった収入を得られ、いわば年金替わりの役目を果たしてくれるでしょう。元手となる資金は必要ですが、本業が忙しい人にも魅力的な副業となっています。
ポイントサイト
隙間時間を活用してお小遣い稼ぎができるのがポイントサイトです。報酬としてポイントが付与されるシステムで、現金に換金してもごく少額なことから、企業も特に咎めないケースが多いでしょう。
ポイントサイトはしっかり稼ぎたい人には不向きですが、隙間時間をお金に換えてお得感を得たい人におすすめです。作業内容はアンケートに回答したり、広告動画を視聴したりなど、誰でもできるものばかり。手元にスマホがあればすぐ取り組めるので、料理の片手間や友達が来るのを待つ間など、時間を有効活用できるでしょう。
またアンケートのなかには、1件数千円の報酬がもらえるものもあります。競争率が高いので簡単には獲得できませんが、思いがけず高い報酬が得られると喜びもひとしおです。
クラウドソーシング
手軽に業務委託の仕事を探せるのが、クラウドソーシングです。仕事を依頼したい個人や企業がサイト上で案件を公開しているので、できそうな案件を自由に選んで応募できます。
現在クラウドソーシングのサービスは利用者が増加していて、幅広いジャンルの仕事が集まるのが魅力です。プログラミングやWebデザインなどの専門的な仕事はもちろん、スキルや資格不要で応募できる簡単なデータ入力の案件も豊富。案件をこなせばすぐに報酬が得られるので、やりがいも感じられるでしょう。
クラウドソーシングの仕事はパソコンさえあれば自宅でも作業でき、副業禁止の企業に勤めていても人目につかず安心です。また業務委託の仕事で得た収入は、雑所得や事業所得にあたるので、先ほど述べた住民税の対策が可能になります。クラウドソーシングで安定して収益を上げられるようになれば、いずれは企業を辞めて独立することも夢ではありません。
アフィリエイト
アフィリエイトとは、成果報酬型の広告収入のことです。自身が運営するウェブサイトに広告を掲載し、サイト経由で商品が売れると売上の一部を報酬として受け取れるシステムとなっています。個人の副業として一般的なのは、ブログを書いてアフィリエイトで稼ぐ手法です。
アフィリエイトが他の副業よりも優れている点は、ストック型ビジネスである点でしょう。作業に対して報酬をもらうのとは違い、ストックしておいたコンテンツなどがそのあと自動的かつ半永久的に利益を上げてくれる仕組みです。
例えばブログであれば、一度投稿した記事はそのあと何もせず放置していても、読者がいる限り広告収入を上げ続けてくれます。仕事に余裕があるときに記事を沢山書いてアップしておけば、本業が忙しくてブログに取り組めなかった月も同じように収益が上がる可能性があります。
安定して読者がつくまでは大変ですが、完全に自宅で作業できるので、本業にもバレにくく人気の副業となっています。またクラウドソーシング同様、雑所得や事業所得に分類されるため、企業にバレないよう対策しやすいのも魅力です。
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まとめ|隠れて副業? 正しく申告?
今回は企業に副業がバレてしまうパターンと、隠れて副業する方法を解説しました。政府が副業を後押しするなかで、大企業を筆頭に続々と副業を解禁する企業が増えています。とはいえ、労務管理や情報漏洩のリスクから、現在でも副業を認めるのに二の足を踏んでいる企業が多いことも事実です。
隠れて副業やダブルワークをしているのが発覚すると、ペナルティを課されなかった場合でも、企業との関係性が悪化する可能性は高いでしょう。それを避けるため、まずは本業に副業ルールについて聞いてみるのもよいかもしれません。本業に支障が出ない範囲であれば、思いがけず副業を認めてもらえる可能性もあります。企業との信頼関係を大切にして、気分良く副業に取り組みましょう。
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