ダブルワーク(副業)がバレる理由とは?対処法も解説

「複数の柱を持ちたい」「自分のスキルを活かした仕事をしたい」など、さまざまな理由から副業(ダブルワーク)を始める人が増えています。副業を認める風潮も広がってきました。しかし一方で、副業を認めていない企業が多いのも事実です。

なかには、本業に内緒で副業に取り組んでいる人もいるでしょう。「バレたらどうしよう」と不安を抱えながら働いている人もいるかもしれません。

では、なぜ副業していることが本業にバレてしまうのでしょうか。今回は副業がバレる理由と対処法を解説します。副業に取り組んでいる人や、これから副業を考えている人は、ぜひ最後までご覧ください。

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ダブルワーク(副業)がバレる理由と仕組み

ダブルワーク(副業)がバレる理由と仕組み

誰にも話していないにもかかわらず、副業がバレてしまうケースがあります。主な原因は、以下の6つです。

  • 住民税の金額が高くなってバレる
  • 確定申告の住民税・事業税に関する事項で「自分で納付する」を選択せずにバレる
  • 「給与所得者の基礎控除申告書」でバレる
  • 社会保険の二重加入でバレる
  • 目撃や噂でバレる
  • SNSでバレる

詳しく解説します。本業にバレたくない人は、確認しておきましょう。

住民税の金額が高くなってバレる

住民税の額は、前年の所得額から算出されます。住民税の額は一律10%で計算されるため、所得が多くなるほど納める住民税も増える仕組みです。

正社員として企業に勤めている場合、原則として毎月の給与から住民税が天引きされ、企業が国に納めます。もしダブルワークで収入を得ている場合、2社の所得額を合算して算出した住民税の額が本業に通知されてしまうのです。

本業の給与が増えていないのに住民税だけが高くなることによって「副業しているのでは?」とバレてしまいます。

確定申告の住民税・事業税に関する事項で「自分で納付する」を選択せずにバレる

確定申告の住民税・事業税に関する事項で、「自分で納付する」を選択しないと、住民税の通知が本業である勤務先の会社に届いてバレます。

[caption id="attachment_2114" align="alignnone" width="1080"] 確定申告書第二表-住民税・事業税-自分で納付(出典:申告書第一表・第二表【令和4年分以降用】(PDF/600KB)|国税庁)[/caption]

確定申告は、1月1日から12月31日までの1年間に、給与所得以外で20万円を超えた場合に必要ですが、本業と併せた金額の確定申告を行い、所得税の手続きをします。

基本的に、税務署に提出された確定申告の情報は、自治体に引き継がれ、「主たる給与の支払いを受けている勤務先」を通じて徴収される流れになっています。

よって、確定申告を行う際には、確定申告書第2表にある「住民税・事業税に関する事項」にて、「自分で納付」を選択すれば、副業で所得を得ている事はバレません。

■確定申告について:ダブルワークがバレない金額とは?確定申告のポイントも解説

「給与所得者の基礎控除申告書」でバレる

企業に勤めていると年に1回、年末調整する機会があります。これによって正しい納税額を算出し、税金の過不足を調整するのです。このときに労働者は、会社側に「給与所得者の基礎控除申告書」を提出しなければなりません。

令和5年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書 の書き方の例

申告書には給与所得を記載する欄があり、1年間で得た収入を記載する必要があります。本業以外に得た収入も記載するため、ここから副業している事実がバレてしまうのです。

社会保険の二重加入でバレる

企業に勤める労働者は、一定の条件を満たして勤務する場合に社会保険へ加入する義務があります。正社員だけではなく、パートやアルバイトも対象です。もし本業以外にアルバイトに取り組んで条件を満たした場合は、そちらの勤め先でも社会保険に加入しなければなりません。

両方の会社で社会保険に加入したとしても、健康保険証は1枚です。どちらの会社の健康保険証を発行するか選択することになりますが、この際に提出しなければならない書類が「健康保険・厚生年金保険被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」です。

手続き後の保険料は本業と副業の所得を合算し、報酬額に応じてそれぞれの勤め先から天引きされます。この手続きによって、年金事務所からそれぞれの企業に社会保険料の額が通知されるためバレてしまうのです。

目撃や噂でバレる

飲食店や引越しスタッフなど外で副業する際は、働く姿を目撃されてしまう可能性があります。もし部下や同僚に見られてしまった場合は、あっというまに社内に広まることもあるでしょう。こうなれば上司の耳に届くのは時間の問題です。

また親しい人にだけ話したつもりでも、気付いたら広まっていることもあるでしょう。なかには、副業で稼いでいることを妬む人が密告するケースも。また副業によって本業でのミスが増えたり、周りの人の負担が増えたりしている場合も報告されてしまう可能性があるので要注意です。

SNSでバレる

最近では、スマホやパソコンでできる副業も増えています。稼ぐためにSNSを活用する人もいるでしょう。SNSは不特定多数の人が閲覧しているため、気付かないうちに本業関係の人が見つけてしまう可能性もあります。

本名や素顔のアカウントで副業関係に関する内容を発信するのは避けたほうがよいでしょう。また隠していたとしても、一部の背景や場所からバレてしまうケースも。発信内容には注意が必要です。

ダブルワーク(副業)がバレたらどうなる?

ダブルワーク(副業)がバレたらどうなる?

副業は法律で禁止されているわけではないため、基本的に労働者は勤務時間外において他の会社の業務をしても構いません。

しかし、企業の就業ルールに「副業禁止」の旨が記載していれば話は別です。雇用されて給与を受け取っている以上、就業先のルールに従う必要があります。

違反した場合は、始末書の提出などなんらかのペナルティを受ける場合も。副業の影響で遅刻欠勤が増えるなど支障が出ていれば、厳しい罰則を受けることもあるかもしれません。また、同業他社で働いたり、秘密を漏洩してしまったりした場合、損害賠償を求められるケースもあります。最悪の場合はクビとなってしまうこともあるでしょう。副業を始める際は、事前に就業ルールを確認しておくことが大切です。

厚生労働省のモデル就業規則では、労働者は勤務時間外に他の会社の業務に従事することができると明記されています。しかし、下記の4点に該当する場合には、会社は従業員の副業を禁止又は制限することが出来ます。

  1. 労務提供上の支障がある場合
  2. 企業秘密が漏洩する場合
  3. 会社の名誉や信用を損なう行為や、 信頼関係を破壊する行為がある場合
  4. 競業により、 企業の利益を害する場合

( 副業・兼業)
第68条 労働者は、 勤務時間外において、 他の会社等の業務に従事することができる。
2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、 事前に、会社に所定の届出を行う
ものとする。
3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、 会
社は、これを禁止又は制限することができる。
① 労務提供上の支障がある場合
② 企業秘密が漏洩する場合
③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、 信頼関係を破壊する行為がある場合
④ 競業により、 企業の利益を害する場合
モデル就業規則(平成31年3月版)抜粋|厚生労働省

■関連資料:副業・兼業の促進に関するガイドライン|厚生労働省
■懲戒の可能性について:なぜ企業は副業を禁止するの?バレたらどうなる
■対策について:会社員の副業がバレる理由とは?原因や対策を徹底解説

注意!ダブルワークがバレないといわれている2つの嘘

ダブルワークや副業がバレない方法として、さまざまな情報が飛び交っています。しかし、なかにはバレないどころか、犯罪行為になってしまうケースもあるので注意が必要です。

ここでは、副業がバレないといわれている2つのケースについて解説します。基本的に、絶対バレない方法は存在しないと考えておいたほうがよいでしょう。

確定申告しなければバレないは嘘

確定申告しなければ、本業にバレることはないと聞いたことがあるかもしれません。しかし、そのようなことはありません。むしろ確定申告が必要にもかかわらず、しない場合は脱税行為になります。

お金の流れは税務署から見えているため、本業以外に多くの収入があれば指摘されるでしょう。すぐにはこなくても、3年後や5年後に突然連絡が来ます。もし申告していなかった場合は、追加でペナルティを課せられることになるでしょう。

また税務調査が入っても、それが原因で副業がバレる可能性は低いですが、納税を無視し続ければ税務署から本業に連絡がいくこともあるかもしれません。条件を満たしたら、忘れずに確定申告しましょう。

申告に誤りがあった場合など|国税庁

給料手渡しならバレないは嘘

給料手渡しならバレないということもありません。給料の支払い方法が振込でも手渡しでも、支払った企業は「誰にいくら支払った」かを役所へ届ける義務があります。

つまり手渡しでも給料を受け取った事実は残るため、受け取った側は前述した「給与所得者の基礎控除申告書」に記載しなければなりません。つまり手渡しでバレないは嘘になります。

■詳しくはこちら:副業の収益は手渡しでもらえばバレない?副業禁止でもできる副業も紹介

ダブルワーク(副業)がバレる可能性を減らすポイント

ダブルワーク(副業)がバレる可能性を減らすポイント

副業する際は、基本的に本業の許可を得て取り組むべきでしょう。しかし、どうしても相談できないケースもあるかと思います。その際は、いくつかポイントを押さえることでバレにくくすることは可能です。しかし100%ではありません。常にリスクが伴うことに留意しておく必要があるでしょう。バレる可能性を減らすポイントは、以下の3つです。

  • 確定申告では普通徴収を選択する
  • 誰にも口外しない
  • 在宅でできる仕事を選択する

それぞれ詳しく解説します。

確定申告では普通徴収を選択する

副業で所得が増えると、住民税の支払額が増えます。基本的には本業から天引きされるため、給与が増えていないにもかかわらず住民税が増えると疑われてしまうことは記事の前半で解説しました。

これを回避するためには、確定申告時の記入がポイントです。申告書には住民税の納付方法を選択する欄があります。普通徴収と特別徴収がありますが、バレたくない場合は「普通徴収」を選択しましょう。

特別徴収を選択すると給与からの天引きになりますが、普通徴収を選択すれば副業分の住民税を自分で納めることができます。本業側に通知も行かないため、バレるリスクを抑えられるでしょう。

ただし、アルバイトなど雇用されて給与所得を得ている場合は、基本的に特別徴収となります。相談すれば対応してくれるケースもありますが、できないケースも多いため事前に確認しておきましょう。

対応してもらえない場合は給与所得ではなく、事業所得や雑所得に該当する副業を選択するのがおすすめです。雇用契約ではなく、業務委託契約でできる仕事を探してみましょう。

誰にも口外しない

副業がバレたくなければ、誰にも口外しないのがおすすめです。ごく親しい人だけに話したつもりでも、相手がうっかり誰かに話してしまうことはあります。

特に社内の人間には、離さないほうがよいでしょう。なかには副業していることを快く思っていない人もいます。妬みから報告されてしまうこともあるかもしれません。

在宅でできる仕事を選択する

外で働いていると、社内の人に目撃されてしまうリスクがあります。防ぐためには、在宅でできる仕事を選ぶとよいでしょう。今ではパソコン1台で取り組める副業もたくさんあります。

Webライターやプログラミングはスキルを向上させれば、本業を超える収入になることも。おすすめはクラウドソーシングサイトの活用です。登録すると、幅広いジャンルの仕事を見つけられますよ。初心者向けの案件もあるので、副業が初めてでも取り組みやすいでしょう。

またクラウドソーシングサイトで仕事を請け負う場合は、基本的に業務委託契約となります。報酬は雑所得または事業所得に該当するため、確定申告で特別徴収ではなく普通徴収を選択できます。

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まとめ

副業(ダブルワーク)がバレる原因と、対処法を解説しました。住民税や社会保険、知人から見られてしまうなど、バレるきっかけはいろいろあります。しかし、適切な対策を取ることでリスクを抑えることも可能です。

基本的に本業側に申請を取ることをおすすめしますが、どうしても話せない事情がある場合は本記事に記載しているポイントを参考にしてみてくださいね。

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