副業がばれない方法はあるの? 副業をしている人が知っておくべき知識と確定申告の注意点を解説

近年、副業に注目が集まっています。厚生労働省が副業や兼業を推進する方針を示し、今後ますます副業に取り組む人が増えると予想されています。しかし、副業をしていることを勤め先に知られると困る人もいるでしょう。今回は、副業がばれないために必要な知識や方法、注意点を解説します。

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副業を始める人が増えている

副業やダブルワークなどの言葉が普及し、副業を始める人が増えています。「副業OK」としている企業も増え、副業を始めやすい環境が整ってきているといえるでしょう。

ではなぜ、近年になって副業が注目されているのでしょうか。副業が注目を集めるに至った4つの背景を紹介します。

  • 厚生労働省が副業の普及に取り組んでいる
  • 副業を起点にスモールビジネスをスタートできる
  • 始めやすい副業が増えた
  • 就業場所の縛りがなくなった

厚生労働省が副業の普及に取り組んでいる

厚生労働省は「働き方改革」の一環として、副業や兼業の導入を推進しています。厚生労働省による「副業・兼業の促進に関するガイドラインでは、副業を開始するメリットや副業の現状が確認できます。副業関連のさまざまな情報が記載されているので、目次から気になる情報を読んでみると知識が身につきますよ。

副業をすると、本業で得られないスキルを習得できたり、収入を増やして自己実現につなげたりといったメリットが得られます。金銭的余裕が生まれる以外にもさまざまなメリットがあるので、自身のキャリアプランに副業を取り入れてみてはいかがでしょうか。

副業を起点にスモールビジネスをスタートできる

働き方の多様化が進み、副業起業をする人やフリーランスになる人が増えています。なかには「パートタイム起業家」と呼ばれる、事業にかける時間が週に35時間以下の起業家もいます。

副業起業は本業や家事の合間に事業を進めるため、事業規模は大きくありません。小規模ながら独自の事業で副収入を得られるのが、副業起業の魅力です。副業として始めたハンドメイド作品などが人気となって注文が増え、本業になるケースもあります。

始めやすい副業が増えた

副業といっても、その種類はさまざまです。例えば、数分単位のスキマ時間にできるアンケートモニターや自分の都合の良い時間に進められるWebライターなどがあります。

特別な知識やスキルがなくても始められる副業が増えたことで、副業に取り組むハードルが低くなったといえるでしょう。

就業場所の縛りがなくなった

働き方改革やIT技術の発展などにより、在宅ワークやリモートワークを導入する企業が増えています。自宅を就業場所とする副業なら、本業を終えてから副業をするために出かける必要がありません。身体的な負担が少なく自宅にいながら副収入を得られるため、在宅で副業に取り組む人が増えています。

会社に副業バレする理由

会社に副業バレする理由

本業の就業先に内密にしたまま副業をしていると、副業が何かの拍子に知られてしまうことはないかと心配になりますよね。副業に対して理解のない企業文化があるケースでは、副業をしていることがバレると、会社内でうわさになって気まずい思いをするかもしれません。

副業が会社にばれるきっかけとして、よくある4つの理由を紹介します。

  • 住民税の課税金額が変わるから
  • 副業しているところを見られたから
  • 社内でうわさになったから
  • 社会保険の保険料が変わるから

住民税の課税金額が変わるから

住民税は所得の合計額によって決められます。所得金額が増えるほど住民税が高くなるため、副業による所得増加が会社に副業をしているとばれる要因になります。

企業に雇用されている人のほとんどが、住民税を給与から天引きされる形で支払っています。企業が従業員に代わって納付するこの仕組みを「特別徴収」といいます。

特別徴収にあたっては企業に住民税の納付書が届くため、給与が変わっていないのに住民税が前年に比べて高くなっていると副業を疑われてしまうでしょう。

副業しているところを見られたから

副業がばれるきっかけとして多いのが、勤め先の上司や同僚に副業している場面を見られることです。スキマ時間にできる副業は本業の休憩時間にも進められるため、昼休憩の時間などに副業を行うこともあるでしょう。副業の作業をしているパソコン画面やスマートフォンの画面を周囲の人に見られ、副業が発覚するケースがあります。

また、SNSやブログなどでの副業に関する投稿が会社の人に見られ、副業していると発覚するケースもあります。

社内でうわさになったから

副業での収入が増えると、副業の面白さや可能性について人に話したくなることがあります。副業をしていると知っている家族や親しい人相手であれば気軽に話しても問題ありませんが、つい同僚に話してしまった内容がうわさになって、上司に伝わるときがあります。

副業していることがばれたくない場合の言動には、十分に注意しましょう。

社会保険の保険料が変わるから

社会保険は、パートタイムやアルバイト勤務であっても加入できる保険です。加入条件を満たすと、社会保険への加入が義務付けられます。

社会保険の加入条件は、「週に20時間以上働いている」「月の給料が8万8千円以上」「従業員が101名以上の企業に雇用されている」などがあります。

社会保険に加入した際の保険料は、基本的に本業の企業が従業員に代わって支払います。このとき、副業収入があると企業の支払うべき保険料が変わるため、副業していることがばれてしまいます。

社会保険適用拡大特設サイト|厚生労働省

副業が会社にばれないための3つの注意点

副業が本業の勤め先にばれたくない理由は人それぞれでしょう。副業をしていることを公表したくない場合は3つの点に注意する必要があります。

  • 人に話さない
  • SNSの使い方を見直す
  • 正しく確定申告をする

副業が会社にばれないために、簡単なようで見落としがちな点を押さえておきましょう。

人に話さない

副業をしていることがばれたくないなら、不用意に人に話さないほうが安心できます。副業が軌道に乗り収入が増えてくると、つい周囲に自慢したくなるかもしれません。何気なく漏らした副業の話が、いつの間にか社内に広まる可能性があるので注意しましょう。

「秘密にして」といっても人の口に戸は立てられません。ばれないように自分で予防する意識が大切です。

SNSの使い方を見直す

TwitterやInstagramのようなSNSは、匿名で利用できるため気軽に投稿しやすいでしょう。「誰かわからないだろう」と安易にとらえていると、副業している事実だけでなく個人情報まで特定される可能性があるので、SNSの使い方には十分注意する必要があります。

例えば、「会社の近くでランチした」などの日常の投稿から、勤務先の企業や個人を特定できる場合があります。もし副業関連の情報発信をするなら、個人が特定されない投稿内容や写真であるかをしっかり確認してから投稿しましょう。

正しく確定申告をする

確定申告とは、1年間の収入と経費から所得総額を計算し、税務署に申告して納税する手続きを指します。企業に雇用されている場合は年末調整によって税金に関わる手続きを企業が代行してくれますが、副業をすると自身で確定申告しなければならないケースがあります。

副業による収入額などから、確定申告が必要になるかどうかをしっかり確認しましょう。確定申告をすると会社に副業しているとばれる可能性は高まりますが、適切な処理をすればばれずに確定申告を終えられますよ。

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副業をするなら必ず確定申告が必要?

副業をするなら必ず確定申告が必要?

確定申告は、一定の条件を満たす人が行うべき処理です。副業をしている人のすべてが、確定申告の対象となるわけではありません。

副業を始める人の多くが「自分は確定申告が必要か」と不安になります。このときの判断基準として、「本業以外の所得が20万円を超えるか」を計算してみるとよいでしょう。基本的には、本業で得た給与以外の収入が20万円以上になる場合は確定申告が必要です。その他、注意しておきたい5つのポイントを解説します。

  1. 副業の所得が20万円以下なら基本的に確定申告は不要
  2. 20万円以下の収入でも確定申告が必要なケース
  3. 雇用契約をしてアルバイトやパートをしている場合
  4. 医療費控除や住宅ローン控除などを受ける場合
  5. 税金の還付を受ける場合

1.副業の所得が20万円以下なら基本的に確定申告は不要

「確定申告は面倒」「確定申告をすると副業がばれる」と感じるなら、副業の所得を20万円以下に抑えましょう。所得とは、売上(収入)から経費や控除を差し引いた金額のことです。

例えば、会社員が副業としてブログアフィリエイトを行った場合について考えてみましょう。アフィリエイトによる年間の売上が30万円で、ブログ運営に使用するパソコンを12万円で購入したときの所得は、「30万円(売上)-12万円(経費)=18万円」となります。この場合は所得が20万円以下なので、副業に関する確定申告は不要です。

ただし、「確定申告をしなければ副業がばれない」とはいえないので注意しましょう。住民税などの決定通知書をきっかけに、本業の勤め先企業が副業をしていると疑いを持ったり、社内でうわさになったりしてばれる可能性があります。

2.20万円以下の収入でも確定申告が必要なケース

確定申告の必要性は「年間の所得が20万円を超えるか」で判断できます。しかし、20万円以下の収入でも、確定申告が必要なケースがあるので注意しましょう。

 ・本業以外に雇用契約をしてアルバイトやパートをする場合
・医療費控除や住宅ローン控除などを受ける場合
・税金の還付を受ける場合 など 

個人の状況に合わせて確定申告が必要か判断し、適切な処理の実施が大切です。それぞれのケースについて解説します。

3.雇用契約をしてアルバイトやパートをしている場合

本業の勤め先企業以外の企業でアルバイトやパートタイムでの勤務している場合は、確定申告が必要な可能性があります。なぜなら、2か所以上の事業所から給与を支給されており、それぞれが源泉徴収を行うと正しい徴収ができなくなるからです。

こういったケースでは、本業の勤め先で源泉徴収を行ってもらい、従となる雇用先での源泉徴収は止めてもらいましょう。そして、従となる雇用先での「給与の収入金額+給与所得・退職所得を除く所得金額」の合計額が20万円を超えるとき、確定申告が必要となります。また、本業での給与所得の収入額合計から所得控除を差し引いた額が150万円以下であり、かつ、副業での所得金額が20万円以下なら確定申告は不要とされています。

確定申告が必要かどうかは、個人の状況によって異なります。副業をしている人が、確定申告が必要かどうかを1人で判断するのは「難しい」と感じますよね。初めて確定申告に臨む人や不安がある人は、管轄の税務署や税理士に確定申告が必要かどうか相談すると安心です。

4.医療費控除や住宅ローン控除などを受ける場合

医療費控除や住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)など、年末調整の対象とならない所得控除を受ける場合は、確定申告が必要です。ふるさと納税のような「寄附金控除」や、ひとり親が対象の「ひとり親控除」も確定申告をしなければ控除されません。

住宅ローン控除は、会社員であれば住宅を購入した1年目のみ、個人で確定申告が必要です。2年目以降は年末調整の対象となるので、それほど手間はかかりません。

5.税金の還付を受ける場合

副業でアルバイトやパートタイム勤務をしていて給与所得を得ているなら、確定申告を行うと税金の還付が受けられるかもしれません。1年間の所得金額を基準として納税額が決まる所得税は、年末調整や確定申告をするまで正確な金額がわかりません。副業の給与所得が源泉徴収の対象であれば、払いすぎた税金が戻ってくる可能性があります。

年末調整ができるのは1社までなので、副業の勤務先の給与については個人で確定申告をしましょう。払いすぎた税金の還付を受けられるので、確定申告をすると損がありません。

副業がばれないための確定申告の基礎知識

「確定申告」という言葉になじみのない人は多いのではないでしょうか。「面倒臭そう」「何からしたらいいのかわからない」と感じて、気後れする場合もあるでしょう。

副業をしている人にとって、確定申告の知識は必須といえます。知らずに申告もれや脱税をしてしまわないように、確定申告の基礎知識を押さえておきましょう。

所得の種類と金額が重要

副業をしている人が、年間20万円以上の所得がある場合は確定申告が必要です。所得税法において、所得は10種類あると規定されています。会社員として雇用され給与を得ている場合の収入は「給与所得」です。アルバイトやパートとして雇用されている場合の収入も給与所得となります。

一方、事業性があり継続的に収益を得ている場合は「事業所得」になります。事業所得に該当するのは、商業や工業、農林漁業や自由業などの各種事業から生じる所得です。原稿料や講演料などの収入は「雑所得」に該当します。

アルバイトやパートで副業として「給与所得」を得ている場合は、収入額によらず確定申告が必要な可能性が高いです。所得税が源泉徴収されているなら、確定申告をすると税金の還付が受けられるかもしれません。

副業で個人事業をしていて「雑所得」あるいは「事業所得」がある場合は、売上から経費を差し引いた額が20万円を超えるかどうかを確認しましょう。経費を引いた後の金額が20万円を超えるなら確定申告が必要です。

確定申告の対象かどうか判断が難しい場合は、税理士や税務署など、専門家へ相談することをおすすめします。副業の収入が源泉徴収の対象となっているかを確認したいなら、副業先企業の経理担当者へ確認するとよいでしょう。

確定申告は青色申告と白色申告がある

確定申告には、「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。白色申告は青色申告よりも簡単な申告方法で、記載内容が簡素で手間がかかりません。一方、青色申告は複式簿記という複雑な記帳方法が義務付けられ、提出書類も多くなるため手間が増えます。白色申告と違い手間がかかる青色申告ですが、青色申告をすると「最大65万円の青色申告特別控除が受けられる」といったメリットが得られます。

青色申告をする場合は、確定申告をする前に管轄の税務署へ「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出しなければなりません。副業での収入が増えてきたら、節税対策として青色申告に切り替えることをおすすめします。

所得金額によらず住民税の申告は必要

確定申告は、1年間の所得金額の合計から所得税を算出するために行います。このとき申告された所得額から、各市区町村が住民税を算出しています。

副業をしている方は、住民税を正確に計算するために副業の収入も含めた所得額を正しく申告しなければなりません。そのため、確定申告が必要ない方であっても「住民税申告書」を提出する必要があるので注意しましょう。

「住民税申告書」は、毎年3月15日までの提出が求められる書類です。自治体によって納税場所が異なるため、住んでいる地域のホームページなどで詳細情報を確認しましょう。

副業がばれない確定申告の方法

納税の義務を果たすため、条件を満たす人は確定申告を必ず行わなければなりません。しかし、確定申告をすると本業の勤め先に「副業をしている」とばれやすくなります。副業の収入で確定申告が必要な人が「副業している」とばれないためには、確定申告の書き方を工夫する必要があります。

本業で企業に雇用されている、いわゆる労働者(サラリーマンやOL)は「確定申告書一表」および「確定申告書二表」を使って確定申告を行います。書類は税務署で配布している他、オンラインでも取得可能です。近年は、オンラインシステムから確定申告ができるようになり、確定申告のハードルは低くなっています。

副業をしている人が確定申告をする際のポイントを3つ紹介します。

  1. 所得の種類に注意して必要箇所を記入
  2. 住民税の欄に〇をする
  3. 決められた期限までに提出

1.所得の種類に注意して必要箇所を記入

確定申告のための書類をみると記載箇所の多さに驚くかもしれませんが、すべての項目を埋める必要はありません。基本的には、氏名、マイナンバー、副業の所得額、所得の種類が必要です。給与所得が源泉徴収の対象なら、源泉徴収税額も記入しましょう。もし経費がある場合は経費の金額や種類も記載が必要です。

記入すべき箇所が判断しにくい場合は、確定申告用の会計ソフトを活用してみましょう。国税庁が公開しているフリーソフトや、市販の会計ソフトなどがあります。会計ソフトを使えば、ヘルプ機能などを活用して、記載が必要な項目一覧を判断しやすくなるはずです。

2.住民税の欄に〇をする

副業をしていると周囲にばれたくない場合は、「確定申告書第二表」の「住民税に関する事項」の項目のうち「自分で納付」に〇をします。住民税を自分で納付すると、住民税が給与から天引きされなくなります。

住民税の納付通知が本業の勤め先に届くと、副業がばれるきっかけとなります。本業の収入が変わっていないのに住民税が高くなっていると、副業していることがばれやすくなるので注意しましょう。

副業の所得が20万円以下で確定申告を行う必要がなくても、住民税の支払いは必要です。確定申告をしない人でも市区町村へ申請し、自分で住民税の支払い手続きを行うことが大切です。

3. 決められた期限までに提出する

確定申告の受付期間は、例年2月16日から3月15日までとされています。約1ヶ月の間に、前年の1月1日から12月31日までの所得や経費を算出して、税務署へ申告しましょう。

なお、確定申告の受付期間は状況に応じて前後するので注意が必要です。過去には、新型コロナウイルス感染拡大の影響から、受付期間が4月15日まで延長されたケースがあります。

受付期間を過ぎてから確定申告を行うと、延滞税などの罰則が課せられるかもしれません。思わぬ出費になってしまうので、確定申告は余裕を持って準備しておくと安心ですね。

確定申告をしないとどうなる? 

「副業をしていることが本業の勤め先にばれたくない」という思いから、確定申告をしなかったらどうなるのでしょうか。基本的に、副業の所得が20万円以下であれば確定申告をする必要はありません。しかし、副業で20万円以上の所得があるのに確定申告をしなかった場合は、3つの罰則の対象となりえます。

  • 無申告加算税
  • 重加算税
  • 延滞税

罰則は、正しく確定申告をしていれば払わずに済みます。自身の働き方や所得額に応じて、しっかりと対応しましょう。3つの罰則を詳しく解説します。

無申告加算税

確定申告が必要なのに、確定申告をせずに放置していると「無申告加算税」が課せられます。無申告加算税は、本来納付すべき税額を基準に算出されます。具体的には、「50万円までは15%」「50万円を超える部分は20%」の割合を乗じた金額となります。確定申告の受付期間を過ぎると無申告加算税が課せられる可能性があるため、できる限り速やかに確定申告を行いましょう。

確定申告の受付期間後、自主的に確定申告をした場合は無申告加算税が軽減されるかもしれません。通常は15%または20%が加算される無申告加算税が、自主的に確定申告をすれば5%で済む場合があります。

重加算税

「重加算税」は、確定申告をすべき人が正確な確定申告をしなかった場合に課せられます。重加算税が課せられると、本来支払うべき税額の35〜40%が加算されます。

重加算税は、無申告加算税よりも「意図的で悪質」と税務署が判断した場合に対象となります。例えば、二重帳簿や帳簿書類の改ざんが重加算税対象となり得ます。

虚偽の内容を申告しないように、確定申告書にはありのままを記載しましょう。

延滞税

確定申告で算出した納税額を定められた期限までに納付しなかった場合、「延滞税」が課されます。延滞税の金額は、納付期限の翌日から実際に納付するまでの日数や納税額によって変動します。納付が遅れるほど延滞税が高くなるため、気づいたらできるだけ早く納付しましょう。

会社にばれにくい副業

会社にばれにくい副業

「副業をしている」と本業の勤め先にばれたくない人は、副業がばれにくい仕事を選ぶ方法があります。副業が会社にばれにくい仕事は、アルバイトやパートのように企業に雇用されず、個人で事業展開ができるものです。

会社にばれにくいと考えられる副業を8つ紹介します。

  1. 資産運用
  2. 不用品売買
  3. アフィリエイト
  4. 動画配信
  5. Webライター
  6. イラスト制作
  7. ハンドメイド販売
  8. データ入力

1.資産運用

株や投資信託など、有価証券の取り引きを通して利益を得る資産運用は、安定した収入のある会社員向けの副業です。資産運用にあたっては、多くの場合で証券会社の口座開設が必要です。口座開設時に、「一般口座」ではなく、「特定口座」の「源泉徴収有り」を選択すると確定申告が不要になるので手間がかかりません。

資産運用は元手となる資本金やある程度の予備知識が必要となるため、十分な資金や知識がまったくない状態では利益を得にくいでしょう。

2.不用品売買

昨今はインターネットのオークションサイトやフリーマーケットアプリが普及し、誰でも手軽に不用品を売買できるようになりました。古着や家財など、生活のために使った不用品売却で得た収入は非課税となるのが特徴です。自宅に不用品がある人や臨時収入を得たい人は、不用品売買を始めてみましょう。

手元にある不用品を売るのではなく、購入した商品をオークションサイトやフリマアプリで販売する事業は、「古物商」に該当します。安く仕入れて高く売り、その差額で儲ける「せどり」と呼ばれるビジネスは、古物商許可の申請が必要です。また、「せどり」による収入は雑所得に該当するため、所得額によっては確定申告が必要になるので注意しましょう。

3.アフィリエイト

アフィリエイトとは、個人が運営するブログやSNSなどで、商品やサービスを紹介して広告収入を得ることです。商品やサービスの紹介記事を読んだ人が、その記事を経由して商品を買ったりサービスを利用したりするなどして、報酬が発生します。

個人でブログやSNSを運営する場合は、まとまった報酬額となるまで長い期間を要します。しかし、根気強く続けていれば、大きな収入源となる可能性を秘めている副業です。

4.動画配信

会社員の副業として人気が高まっているのが、動画配信です。YouTubeのような動画配信サイトが一般的に利用され始め、広告収入や投げ銭による収入を得られるようになりました。

配信されている動画のジャンルはさまざまなので、自分が興味を持っているジャンルから手軽に始められるのが魅力です。本人が出演しなくても動画を作成できるので、本業の勤め先にばれないような動画配信も可能でしょう。

ただし、収益を得るまでは相応の労力と時間が必要になります。チャンネル登録者数が増えたりファンがついたりすれば動画の再生数が大きく伸び収入も増えていきますが、収益化までの間に挫折する人が多い副業です。

5.Webライター

Webライターは、企業や個人のサイトに投稿する記事を執筆します。ライティングのテーマは多岐にわたるため、自分が得意なジャンルや興味のあるテーマで楽しみながら執筆できるのが魅力です。

Webライターの仕事は、特別な知識やスキルは必要なくパソコンが1台あればできるため、副業としてスタートしやすいでしょう。パソコンの操作に慣れていたり、調べ物が得意だったり、文章の読み書きに抵抗がなかったりする人に向いています。

Webライターは企業と業務委託契約を結ぶケースが多いため、正しく確定申告を行えば副業をしていることは発覚しにくいでしょう。

6.イラスト制作

絵を描くのが得意なら、イラスト制作がおすすめです。昨今のSNSの普及で、SNSのアイコン制作をして欲しいと考える企業や個人が増えています。

インターネット上では、さまざまなスキルシェアサービスが展開されているので、誰でも簡単に自身のスキルを出品できるようになりました。スキルシェアサービスを利用すると、自分の絵柄を気に入ってくれたクライアントから連絡が来るので、自分から営業をする必要がありません。時間的余裕の少ない会社員の副業として、イラスト制作はぴったりですね。

7.ハンドメイド販売

ハンドメイド作家として、アクセサリーやキーホルダー、キャンドルなどをつくって販売する副業も会社にばれにくい副業です。会社によっては、ハンドメイド販売はあくまで趣味だとみなされ副業だとは判断されにくいので、作品づくりのための時間がある人におすすめです。

ただし、ハンドメイド作品は制作時間のわりに報酬が低くなりやすいデメリットがあります。自分が制作できそうな物品の価格帯を調べ、制作にかかる時間や材料費と報酬が見合うかをチェックしておきましょう。

8.データ入力

スキマ時間や通勤時間を利用して短時間で副業収入を得たい人には、データ入力がおすすめです。データ入力とは、企業から指定される情報を、企業指定のフォーマットに入力する仕事です。

例えば、オンラインショップの売上や販売個数の入力や手書きのアンケートをもとに回答をエクセルにまとめる作業、録音した会議音声を聞きながら文字に起こすテープ起こしなどを行います。

データ入力はスキルや知識がなくても誰でもできる仕事で、業務内容によってはスマートフォンだけで完結するものもあります。始めやすさが魅力のデータ入力ですが、1件あたりの単価が低めに設定されやすいのがネックです。多くの副業収入を得たい場合は、できるだけ効率的に業務を進める工夫が必要になるでしょう。

副業を始める際のポイント

「会社にばれずに副業を始めたい」と思ったら、副業を始める際のポイントを押さえてから副業を始めるようにしましょう。

  • 確定申告をする
  • 勤め先の理解を得る
  • 本業と競合する副業は避ける

3つのポイントを知り、本業の勤め先とトラブルにならないように配慮しましょう。

確定申告をする

副業でアルバイトをしたり、個人で事業を始めたりする場合は、確定申告が必要かどうかを必ず確認するようにしましょう。もし年間20万円以上の所得が見込めるなら、確定申告は必須です。

確定申告をすべき人が申告せずに放置していると、脱税をしていることになります。脱税をすると厳しい罰則の対象となってしまうため、金銭的負担が増えるばかりか、勤め先の企業からの信用を失ってしまうでしょう。

確定申告が必要かどうか、確定申告の受付期間などは、国税庁のホームページで確認すると確実です。1人で判断するのが難しければ、抱え込まずに税務署や税理士に相談しましょう。

勤め先の理解を得る

副業をする前には本業の勤め先企業へ「副業をする」と伝えることが大切です。ただ、副業をしていることが社内でうわさになると、「面倒事が増えるリスクがある」と思うかもしれません。

副業をしていると本業の同僚や直属の上司に知られたくないなら、会社の労務担当者に内密にしてもらうようお願いをしましょう。

本業と競合する副業は避ける

副業を選ぶときに注意したいのが、本業の競合となるかどうかです。例えば、システム開発の企業に勤めている人が本業のクライアントから個人的に仕事の依頼を受けると、勤め先とのトラブルになるでしょう。

できるなら本業で培ったスキルや知識を副業に活かしたいと思いますよね。しかし、本業の競合となる副業をすると、企業の就業規則によっては処分の対象となるため注意が必要です。

副業に関するよくある疑問  

副業に関するよくある疑問  

副業が本業の勤め先にばれたくないとき、ばれるリスクをできる限り低くしたいと考えるでしょう。副業をしている人の参考になる、よくある3つの疑問を紹介します。

  • 現金手渡しの副業ならばれない?
  • マイナンバーを書くと副業がばれる?
  • 確定申告をしなければ副業はばれない?

現金手渡しの副業ならばれない?

給与など報酬の支払いは、働き手が指定する銀行口座へ振り込まれるのが一般的です。銀行口座への振込は取引履歴が残るため、履歴の残らない現金手渡しの副業ならばれないのではないかと思うのではないでしょうか。

しかし、現金手渡しで報酬を受け取ったとしても、副業がばれるリスクはゼロではありません。副業でアルバイトをしていて企業と雇用関係にある場合、副業の勤め先企業が給与支払報告書を市区町村役場へ提出します。給与支払報告書には、企業が「誰にいくら支払ったか」が詳細に記載されているため、たとえ報酬が手渡しであっても副業をしていた証拠は残るのです。

マイナンバーを書くと副業がばれる?

税務署へ申告する書類には、原則としてマイナンバーの記載が必要です。また、会社員であれば本業の勤め先企業へマイナンバーを申告しているケースが多いでしょう。そのため、「マイナンバーを調べられると副業していることがばれてしまう」と不安を抱く人もいるかもしれません。

実は、個人情報保護の観点から、マイナンバーを使って企業が個人の所得を調べることは認められていません。マイナンバーだけを知っていても、企業が副業をしているかどうかは確認できないので安心ですね。

関連記事:副業がマイナンバーからばれる? マイナンバーと副業の関係について解説
よくある質問:マイナンバー制度について(総論)|デジタル庁

確定申告をしなければ副業はばれない? 

確定申告が必要かどうかは、働き方や所得額によって決まります。基本的に、本業以外に20万円以上の所得がある人やアルバイトで20万円以上の副収入を得ている人は確定申告が必要です。

確定申告をする義務があるにもかかわらず確定申告をしないと、脱税となり追加の課税対象となるので注意しましょう。副業をしている人は確定申告が必要かどうかを確認し、必要に応じた処理を行うよう心がけましょう。

副業を始める前に就業規則を確認しよう

副業は、法律上禁止されているものではないため、内密にする必要はないといえます。ただし企業によっては、就業規則で副業を禁止していたり、許可制にしていたりします。

就業規則に違反して副業をしていた場合には懲戒処分を受ける可能性があるため、副業を開始する前に本業の勤め先企業の就業規則を確認しておくことが大切です。

副業が解禁されている場合でも、「競合となる業務は避ける」「本業に支障をきたさない範囲に留める」「本業の機密情報をもらさない」といったルールが設けられているケースが多くあります。「知らなかった」では済まされないこともあるので、副業を始める前に人事担当者や上司に直接相談し、ルールを確認しておくと安心ですよ。

現在の勤め先で副業が禁止されているのなら、思い切って副業可能な企業へ転職をするのも1つの方法です。自分の理想の働き方を目指して、さまざまな選択肢を探してみましょう。

まとめ

副業を始める多くの人が「本業の勤め先にばれないか」という不安を抱えています。副業がばれるきっかけとして多いのが、住民税額の変化です。副業をして所得総額が増えた分、住民税が高くなるため、副業がばれないようにするには確定申告を工夫して行わなければなりません。

確定申告が必要な人は、本業以外に年間の所得が20万円以上ある人やアルバイトなどで複数箇所からの給与所得がある人です。一人ひとりの働き方によって、確定申告の必要性が判断されるので、自分が該当するかどうかをしっかり確認しましょう。1人で判断するのが難しい場合は、税務署や税理士に相談することをおすすめします。

副業がばれないように確定申告をする方法はありますが、本業の勤め先企業とトラブルにならないように細心の注意をはらいましょう。できるだけ副業を始める前に勤め先へ相談し、正当な手順を踏んで副業を行うなど、本業との関係に影響が出ないような配慮が大切です。

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